コーヒー愛好者の中には、「ブラックコーヒーの味が好き」という人もいれば、「砂糖やミルクで太りたくないからブラックコーヒーを飲んでいる」という人もいるでしょう。
ブラックコーヒーにはさまざまな効能があるため、ぜひブラックで味わいたいところです。とはいえ、ブラックが苦手で飲めない人もいると思います。
今回は、ブラックコーヒーの効果を最大限に引き出すための飲み方やおすすめのコーヒー豆についてご紹介します。また、ブラックコーヒーが苦手な人でも飲みやすくするための工夫も合わせてアドバイスしますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
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ブラックコーヒーとは?
砂糖もミルクも入れないコーヒーのこと
日本での「ブラックコーヒー」とは、砂糖、乳製品、コーヒーフレッシュのいずれも含まないコーヒーのことを指します。
元々の「ブラックコーヒー」の意味は、「見た目が黒いコーヒー」とされています。そのため、砂糖が入っていてもブラックコーヒーと呼ぶことができます。(諸説あり)
一方、海外ではコーヒーに砂糖やミルクを入れて飲む人も多くいます。砂糖やミルクを加えないコーヒーの飲み方は、日本が主流とされています。
アメリカでは、ブラックコーヒーを飲む人の割合は約40%程度と言われていますが、ミルクや砂糖を加えて飲む人の割合はそれ以上です。
また、イタリアではエスプレッソの文化が盛んであり、近隣国ではカプチーノやカフェラテなどミルクを加えたコーヒーが好まれ、日常生活に溶け込んでいます。
ブラックコーヒーは低カロリーな飲み物
ブラックコーヒーは、100gあたり約4kcalと非常に低カロリーな飲み物です。1杯のコーヒーカップでも約6kcal程度ですので、1日に何杯か飲んでもカロリーを気にする必要はあまりありません。
一方、インスタントコーヒーの場合、100gの粉には約287kcalのエネルギーが含まれています。標準的なコーヒーカップ1杯には約2gの粉が使われ、それにより1杯あたりのカロリーは約6kcal程度になります。*1
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豆本来の風味が味わえる飲み方
ブラックコーヒーは、コーヒー豆本来の風味を存分に楽しめる飲み方です。
たとえばコーヒー豆には以下の3種類があり、それぞれの種類の豆によって独特の味わいがあります。
種類 | 特徴 |
アラビカ種 | 酸味と香り |
カネフォラ種(ロブスタ種) | 苦みとコク |
リベリカ種 | 栽培地域が狭く栽培地域内で消費 |
ブラックコーヒーを砂糖やミルクなしで楽しむと、焙煎度合いがそのまま味わいに反映されます。焙煎が浅いほど酸味が際立ち、深いほど苦みが増します。
ブラックコーヒーの嬉しい6つの効果・メリット
ブラックコーヒーには、以下の6つの効果が期待されています。
- 病気のリスクを減らす
- ダイエット効果
- 美肌効果
- 消化を促進
- 老廃物を排出する効果
- リラックス効果
効果の詳細を見てみましょう。*2 *3 *4 *5
病気のリスクを減らす
コーヒーにはカフェインとクロロゲン酸が含まれており、以下のような病気のリスクを軽減する効果が期待されています。
- 癌: ブラックコーヒーには肝臓癌と子宮体癌の予防効果が期待されています。国立がんセンターの調査や研究によると、コーヒーに含まれる成分が細胞の突然変異を抑制し、癌のリスクを低下させる可能性があるとされています。
- 動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞: コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、体内でフェルラ酸となり、血液をサラサラにする効果があるとされています。血液がサラサラになると、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞のリスクを軽減することが期待されています。
- 糖尿病: コーヒーの摂取は糖尿病の発症リスクを予防する効果が期待されています。特に1日にコーヒーを1杯から2杯飲む場合、日本人においては予防効果が見られる可能性があります。海外での研究では、1日にコーヒーを3杯から4杯飲む人は、2型糖尿病の発症リスクが24%低下するという結果が得られています。
- ぜんそくの発作: コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を刺激する作用があります。このため、ぜんそく発作の原因となる副交感神経の働きを抑える効果が期待されます。
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ダイエット効果
コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を刺激して脂肪燃焼を促進する効果があります。さらに、カフェインはアドレナリンの分泌を刺激する作用も持っており、運動前にコーヒーを摂取することで脂肪の燃焼が促されるメリットがあります。
また、カフェインは血行を促進し、体温を上げる効果もあります。体温が上昇すると基礎代謝が高まり、脂肪燃焼がより効率的に行われる状態になります。実際に、体温が1℃上昇すると代謝量が約13%増加するため、体温を上げることはダイエット効果につながるのです。
さらに、コーヒーに含まれるクロロゲン酸というポリフェノールは、ダイエット効果が期待されます。クロロゲン酸には脂肪燃焼を促す作用があり、脂肪の蓄積を抑制する効果があります。
美肌効果
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、酸化を予防する効果が期待されます。紫外線の影響を受けると、肌が酸化し、シミ、しわ、たるみなどのトラブルの原因になることがあります。
実際に、「1日2杯以上のコーヒーを飲む女性は、顔のシミが少ない」という実験結果も報告されています。クロロゲン酸には抗酸化作用があり、これによって肌の酸化を抑えることができるため、肌トラブルの予防に役立つ可能性があります。
消化を促進
カフェインの摂取により、脳の迷走神経が刺激され、胃酸の分泌が活発化します。胃酸の増加によって、消化を促進する効果が期待されます。
消化とは、食べ物を炭水化物から糖類、タンパク質からアミノ酸、脂肪から脂肪酸とグリセロールに分解する過程です。消化は私たちが生きていく上で重要な働きです。
しかし、消化がスムーズに行われないと、以下のような不快感や不調が起こる可能性があります。
- 食欲不振
- 膨満感
- 胸やけ
- 吐き気
カフェインの作用により胃酸の分泌が促進されると、これらの不調が軽減される可能性があります。
老廃物を排出する効果
コーヒーに含まれるカフェインは利尿作用があり、老廃物を排出する効果が期待できます。
カフェインを摂取すると、腎臓の血管が拡張され、血流が改善します。この血流の改善により、腎臓の機能が活発化し、老廃物のろ過と排出が効率的に行われるようになります。その結果、老廃物が体内に蓄積されることが少なくなり、排出されやすくなるのです。
老廃物の蓄積はむくみの原因となります。むくみを放置すると脂肪に変わる可能性があるため、老廃物を排出することは重要です。
リラックス効果
医科大学や精神神経科の研究者による実験により、コーヒーの香りを嗅ぐことで脳から放出されるα波(アルファ波)が増加するという研究結果が報告されています。
α波は、リラックス状態にあるときにより多く出現する脳波です。したがって、コーヒーの香りにはリラックス効果があると考えられています。
ブラックコーヒーの効果を高める飲み方
ブラックコーヒーの効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントに注意しながら飲むことがおすすめです。
- アイスよりもホットで飲む
- インスタントコーヒーよりもドリップコーヒーを飲む
- 焙煎度が浅いブラックコーヒーを飲む
- 運動をする30分前に飲む
- ダイエット効果を高めるならタイミングに気を付けて飲む
ブラックコーヒーの効果を最大限に引き出すポイントをそれぞれ詳しく解説します。
アイスよりもホットで飲む
ブラックコーヒーをダイエットのために飲む場合は、体温を上げて代謝を活性化させるため、体が温まるホットコーヒーを選ぶと良いでしょう。
ただし、ダイエットに効果的なクロロゲン酸は熱に弱い性質を持っているので、沸騰したお湯でコーヒーを淹れるとその量が減少してしまいます。
クロロゲン酸の効果を最大限に引き出すためには、80℃程度のお湯でコーヒーを淹れるのが最適です。
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インスタントコーヒーよりもドリップコーヒーを飲む
ブラックコーヒーの効果を高めるためには、ドリップコーヒーがおすすめです。ドリップコーヒーにはクロロゲン酸が多く含まれており、効率的にクロロゲン酸を摂取することができます。実際に、ドリップコーヒーはインスタントコーヒーの約5倍のクロロゲン酸含有量があります。*6
一方、カフェインに関しては、ドリップコーヒーとインスタントコーヒーの間にはあまり違いはありません。一般的に、100mlのコーヒーには約60mgのカフェインが含まれています。*7
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焙煎度が浅いブラックコーヒーを飲む
ブラックコーヒーの効果を高めるためには、焙煎度が浅いブラックコーヒーを飲むと効果的です。
生豆と焙煎豆の状態でポリフェノール(クロロゲン酸)を比較すると、焙煎豆の方が含有量が低くなります。
生豆では全体の5.5%~8.0%のクロロゲン酸が含まれているが、焙煎豆では全体の1.2%~1.3%程度に減少します。つまり、焙煎度が深くなるほどクロロゲン酸の含有量は減少する傾向があります。*8
普段深煎りのコーヒー豆を選んでいる方は、焙煎度が浅い中煎りなどを選ぶことで、クロロゲン酸の含有量を高めることができます。
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運動をする30分前に飲む
ブラックコーヒーを飲んだ後に運動をする場合は、運動を開始する直前ではなく、運動の30分前にブラックコーヒーを摂取するとよいでしょう。
ブラックコーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸は、摂取後30分から1時間程度で効果を発揮し始めます。運動をする30分前にブラックコーヒーを飲むと、ちょうど運動を開始するタイミングで効果が発揮されるため、おすすめです。
運動前にブラックコーヒーを摂取することで、脂肪が燃焼しやすい状態で運動に取り組むことができます。
ダイエット効果を高めるならタイミングに気を付けて飲む
さらにダイエット効果を高めたい場合には、以下のタイミングでブラックコーヒーを摂取することがおすすめです。
- 朝:朝は代謝が上がりにくい時間帯であり、ブラックコーヒーを飲んで代謝を上げることが効果的です。人間の体温や代謝は寝ている間に下がり、活動することで体温が上昇します。そのため、朝にブラックコーヒーを飲んで代謝を活性化させることで、脂肪が燃焼されやすくなります。
- 食後: カフェインとクロロゲン酸は食事後に摂取することで、吸収される脂質の抑制と脂肪の燃焼を促進する効果があります。食事の後にブラックコーヒーを飲むことで、食事に含まれる脂質の吸収を抑えつつ、脂肪の燃焼を効率的に行うことができます。
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ブラックコーヒーは飲み方によっては体に悪い!注意点を確認
ブラックコーヒーは体に良い影響を与える一方で、以下のような飲み方には注意が必要です。以下のポイントに気を付けて、適切な飲み方を心掛けましょう。
- 空腹時に飲む
- 寝る前に飲む
- 飲み過ぎる
それぞれについて詳しく紹介します。
空腹時に飲むと胃が荒れる
カフェインは脳の迷走神経を刺激し、胃酸の分泌を活発化させるため、消化を促進する働きがあります。しかし、空腹時に胃酸が過剰に分泌されると、胃の不快感や胃の荒れの原因となる可能性があります。そのため、空腹時にブラックコーヒーを飲むのは避けるべきです。
空腹時にコーヒーを飲みたい場合は、ブラックコーヒーではなく、砂糖やミルクを加えたコーヒーを飲むことをおすすめします。ミルクや砂糖は胃の粘膜を保護する効果があり、胃が荒れにくくなります。
寝る前に飲むと眠れなくなる
コーヒーに含まれるカフェインは覚醒作用を持ち、寝る前に摂取すると眠りにくくなる可能性があります。
一般的に、カフェインの効果は摂取後2時間から4時間程度続くと言われています。そのため、就寝の2時間前以降はブラックコーヒーを飲まないようにしましょう。
ただし個人の体質もあるので、自分自身にとってどれくらいの時間が必要なのかを知り調整するとよいでしょう。
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飲み過ぎると貧血になる可能性がある
ブラックコーヒーを過剰に摂取すると貧血になる可能性もあります。コーヒーにはタンニンという成分が含まれており、タンニンは鉄分と結びつく性質があり、鉄分の吸収を阻害することが知られています。
適量のコーヒーを摂取している場合は、特に心配する必要はありませんが、貧血気味の人は注意が必要です。
もし貧血は気になるけれどブラックコーヒーを飲みたい場合は、食後すぐにコーヒーを飲まずに、時間を空けると飲むことができる場合があります。食事に含まれる鉄分を吸収するために、時間を置いてからブラックコーヒーを楽しむことで、鉄分の吸収を阻害するリスクを軽減することができます。
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ブラックで飲むと本当に美味しいおすすめコーヒー豆3選
ポストコーヒー3種お試しBOX【初回限定500円OFF】
1,480円 225g(75g×3種)
ポストコーヒーは、全国の専門店(提携している国内外の自家焙煎店)から、好みに合ったコーヒーが3つ届くという特徴があります。
このサービスは、フルーティーな味わいが好みで、苦すぎず酸っぱくないコーヒーを楽しみたい人にとって最適です。会員数は6万人以上もいます。
フルーティーなコーヒーというと、時には酸味が強くて飲みづらいものもありますが、ポストコーヒーでは、品質を管理するためにコーヒーカッパーと呼ばれる有資格者を中心に、複数の人々がカッピングを行い、顧客に提供できる味かどうかを確認しています。そのため酸味が強すぎて飲みにくいような豆は基本的に提供されません。(ポストコーヒーの豆は全体的に糖度が高く、甘みによって酸味がマイルドになっています。)
実際に飲んでみると、パッケージを開けた瞬間に甘い香りが強く感じられます。
さらに、デカフェも非常にクオリティが高く、コーヒーの風味がほとんど損なわれていないことに驚かされます。
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価格 | 2回目以降 1,980円 |
100gあたり | 657円(コスパかなり良い) |
鮮度 | ★★★★★(焙煎後7日以内) |
焙煎度合い | 浅煎り・中煎り・深煎りお好みで |
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自家焙煎コーヒー専門店きゃろっと 初回お試しセット(パナマ)
2,138円 600g(200g×3種)
このセットには、ゲイシャ種のコーヒーで知られる「パナマ」など、合計60杯分のコーヒーが入っています。
通常価格は6,000円のコーヒー豆ですが、初回限定で2,138円で購入することができます(64%OFF)。
予算をカルディと同じくらいに設定している人には、ぴったりの商品です。
*カルディは焙煎後2週間以上経過したコーヒー豆を店頭に並べるルールがあるため、鮮度が劣ることがありますが、こちらのコーヒーは新鮮で香りが強く感じられます。
さらに、カップオブエクセレンス(COE)で優勝した農園のコーヒーも含まれており、そのコーヒーは「はちみつのような甘みとコク」が感じられます。
カップオブエクレセンス1位「コスタリカ モンテ・コペイ」も200g入っています
セット内容 | |
パナマ | 味のバランスが良い |
コスタリカ | はちみつのような甘み |
マンデリン ※特典として同梱される |
チョコレートのような甘み カフェオレとも相性が良い |
また、特典を合わせると合計600gのコーヒーが提供されます。これを100gあたりの価格に換算すると、356円となり、カルディのマイルドブレンドと同等の価格になります。
楽天やAmazonなどで有名な高コストパフォーマンスの商品と比較しても、甘みの強さやコクの深さなど、あらゆる点で優れている最高のコスパを持つコーヒーです。
100gあたり | 356円 |
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | パナマ・コスタリカ・インドネシア |
焙煎度合い | 中煎り〜深煎り |
土居珈琲「小さな焙煎」おためしセット
2,376円 200g
本格的なコーヒー愛好家の人に、ぜひおすすめしたいのが土居珈琲の深煎りコーヒー豆セットです。
土居珈琲は1971年に創業された老舗のロースターで、40年以上にわたって甘みを引き出す焙煎方法を研究してきました。
現在は高級自動車メーカーである「LEXUS」や「ヤナセ」の会員誌において「伝説の珈琲」として紹介され、上質な美味しさが高く評価されています。
レクサス会員誌で「伝説の珈琲」として紹介
公式ページには「チョコレートの甘さ」と記載されていますが、実際に飲んでみると、本当にチョコレートの風味を感じることができ、濃厚な甘みとコクが印象的です。
このコーヒー豆は酸味が少なく、スタンダードな味わいを好む人に特におすすめです。
また、この店舗では注文後にコーヒー豆を焙煎するため、最高の鮮度で手元に届きます。そのため、香りが非常に強く、ドリップする最中から部屋中にチョコレートのようなフレーバーが広がります。
コーヒー豆自体が美味しいので、抽出方法にこだわらなくても、誰でも美味しく楽しめるところが素晴らしいです。
100gあたり | 1,188円 |
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | グァテマラ・エルサルバドル |
焙煎度合い | 深煎り |
ブラックコーヒーのおいしい淹れ方
コーヒーは嗜好品なので、各人が美味しいと感じれば、どんな抽出でも良いと考えています。
参考までに、自分がコーヒーを抽出する際の手順や、気をつけていることをまとめました。
やること | やる理由 |
沸騰させたお湯を常温のドリップ用ケトルに移し替える | 湯温を90℃前後まで一気に下げる。沸騰直後のお湯を使うと刺さるような苦味が出る |
ケトル内のお湯は満水にする | お湯の温度が下がりにくくなる。ケトル内のお湯が少ないと冷めやすい |
サーバーとカップを湯通しして温めておく | 冷めたままドリップするとコーヒーがぬるくなる。コーヒーは熱い方が香りが立ちやすい |
コーヒー豆を中挽き〜中細挽きにする | 中挽きだとさっぱり、中細挽きだと濃いめに。お好みで |
粉全体が湿る程度のお湯を注ぎ、30〜60秒蒸らす | 焙煎後1週間以内の豆なら60秒、それ以上なら30秒蒸らす。1週間以上の豆は炭酸ガスの放出が少ないので60秒も蒸らす必要がない。なお、蒸らさないと炭酸ガスが粉とお湯の接触を邪魔して成分をうまく抽出できず結果的に味が薄くなる。 |
抽出量に達するまでドリップする | カップ1杯分150ccなら1分、2杯分300ccなら2分を目安に。 |
微粉は取らないほうが良いと考える方も多いので、自分で味を比較して好きな方を選ぶのが良いと思います。(取ったほうが口当たりも味もスッキリするので僕は取ります。)
上記の手順で重要なところだけ、もう少し丁寧に紹介します。
【1】沸騰したお湯を常温のケトルに移し替える
沸騰したお湯をコーヒーポット(抽出に使うもの)に移し替えれば、90℃前後まで一気に下がります。
85℃以下の低い温度だと苦味成分が溶けにくく、低温でも溶けやすい酸味が強調されます。
コーヒーの苦味と酸味のバランスは、お湯の温度を変えるだけで多少コントロールできます。
※できれば満水に近い状態にした方がお湯が冷めにくいです。
【2】コーヒー豆を中挽き〜中細挽きにする
ペーパードリップやコーヒーメーカーで抽出する場合、中挽き〜中細挽きが一般的です。(味のバランスが良くなる)
コーヒーの粉は細かいほど苦味、コク、雑味などの成分が溶けやすくなります。(細かい方が表面積が多いため。)
粗いほど成分が溶けにくくなるので、同じ抽出時間でも味がやや薄い印象になります。
粉の挽き目でコーヒーの味はどれくらい違うのか?浅煎りを細挽きと粗挽きで検証しました。香りはどちらも同じ。細挽きは明らかに酸味が強くて渋みあり(過抽出)。粗挽きは味がマイルドで紅茶みたい。渋み一切なく飲みやすい。お手持ちのコーヒー豆が酸味強いなら粗挽きにしたほうが飲みやすくなります pic.twitter.com/6E4ygK5DgW
— 山口誠一郎/山口的おいしいコーヒーブログ管理人 (@ycoffee_review) May 15, 2023
雑味は少ないけど、しっかりとコクが感じられるコーヒーを淹れる場合は、中挽きにして豆を2割ほど増やすのも有効です。
【3】30秒〜60秒コーヒーを蒸らす
コーヒー粉の内部には、焙煎時に生成される二酸化炭素を主成分とするガスが内包されています。
抽出を開始すると、粉がみるみる大きく膨らんで盛り上がる現象が見られますが、これは炭酸ガスによるものです。
お湯で温度が上昇すると、水を含んで柔らかくなったコーヒー粉の細胞壁の内側から炭酸ガスが一気に発生します。 このガスの圧力で粉の1粒1粒が膨張し、発生する気泡とともに押し合いながら粉全体が盛り上がります。
この膨らみ方は、豆内部の炭酸ガスの量によって変わります。焙煎直後が最も多く、時間が経つに連れて次第にガスが抜けていくため、膨らみも徐々に弱くなります。
抽出時の膨らみ具合が「新鮮さの証」と言われるのはこれが理由です。(ただし焙煎度合いによってガスの生成量が異なり、深煎りの方がガスは多くなります。)
このガスが出ている間は、コーヒーに含まれる成分をうまく抽出できないため、動きが落ち着くまで待ちます。(この工程は、一般的に「蒸らし」と言われます。)
コーヒーの蒸らしの意味がわからないというコメントをいただいたので実際に30秒蒸らしたコーヒーと蒸らしなしを飲み比べました
・蒸らしあり=コク、甘みが強い
・蒸らしなし=全体的にあっさり両方を飲み比べると味の違いがはっきりと分かります。
同じ豆の量、抽出時間でも蒸らした方がコクが出ます pic.twitter.com/2D5pKh3GHd— 山口誠一郎/山口的おいしいコーヒーブログ管理人 (@ycoffee_review) April 25, 2023
蒸らしの際には、粉全体を湿らせるように注いで、30秒〜60秒蒸らします。
時間の目安ですが、焙煎から1週間以内の豆の場合、30秒では動きがおさまらないことが多いため60秒蒸らします。
1週間以上経過した豆は、炭酸ガスがある程度抜けているため、ほとんどの場合で30秒で問題ありません。
【4】時間を測りながら、お湯を注ぐ
蒸らしが終わったら、抽出したい量に達するまでお湯を注ぎます。
抽出時間の目安ですが、カップ1杯分(150cc)で1分。蒸らし時間と合わせて計2分で終わらせています。
300ml(2杯分)のコーヒーを抽出する場合は、抽出時間を倍にするだけで良いので、計3分となります。(抽出2分+蒸らし1分)
コーヒー抽出のやり方は次の動画も参考になります。
この動画で使用しているスリーフォードリッパーは、腕を回す必要がありません。
時間を測りながら一定の湯量を注ぐだけなので、簡単に味を安定させることができます。
参考文献
*1文部科学省│食品成分データベース (2023年7月17日閲覧)
*2国立がん研究センター│がんとコーヒー (2023年7月17日閲覧)
*3ネスレ日本株式会社│コーヒーと健康~コーヒーと糖尿病~ (2023年7月17日閲覧)
*4公益財団法人長寿科学振興財団│コーヒーの健康効果とは (2023年7月17日閲覧)
*5info03k-04-06.pdf (mhlw.go.jp)(2023年7月17日閲覧)
*6UCC│コーヒーと健康 (2023年7月17日閲覧)
*7コーヒーの成分 | COFFEE BREAK | 全日本コーヒー協会 (ajca.or.jp) (2023年7月17日閲覧)
*8全日本コーヒー協会│コーヒーの成分 (2023年7月17日閲覧)