ブラックジンガーとも呼ばれている玄米コーヒー。
焙煎機でじっくりと焙煎して作られた飲み物で、コーヒーに似たような味わいや香ばしさを楽しむことができます。
一般的なコーヒーとは違い、ノンカフェインのため、妊婦さんや授乳中の方などカフェインが気になる方にぴったりです。
今回は、そんな玄米コーヒーのおすすめ商品から味の特徴、美味しく飲むポイントについてご紹介します。
宮﨑 奈津季
(管理栄養士 / 薬膳コーディネーター)介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。山口 誠一郎
1,000種以上の通販コーヒーを飲むマニア。
玄米コーヒーとは?
玄米コーヒーとは遠赤外線をつかって玄米を焙煎し黒焼きしたものであり、こちらも穀物コーヒーと同様に、コーヒー豆を一切使っていません。
名前こそ玄米コーヒーと呼ばれていますが、玄米のみを使っているためどちらかというと特徴は玄米茶に近く、「コーヒー風ノンカフェインのお茶」というカテゴリーに入ります。
玄米コーヒーという呼び方以外にも「ブラウンジンガー」「ブラウンライスコーヒー」「焙煎玄米茶」「黒炒り玄米茶」「焦がし玄米コーヒー」と呼ばれることもあります。
変わったところでは「お米コーヒー」「毒出しコーヒー」などと呼ばれることもあります。
遠赤外線で丸ごと黒く焼く「黒焼き」という方法は、日本において古来から民間療法で使われていたものであり、様々な病気に対処できる漢方としても用いられていた様です。
「死人をも生かす」と言われるくらい健康面において様々な効果が玄米コーヒーにはあり、体内のデトックス効果やダイエットに最適な飲み物として、医者や栄養士からその効果が認められています。
玄米コーヒーの味と特徴
玄米コーヒーの味はコーヒーに非常に近いものになっていますが、それに加えて玄米の持つ香ばしさと甘さも感じられる、上品でありながら優しい味わいを持っているのが大きな特徴です。
その特徴から甘い和菓子や蜂蜜に黒砂糖との相性も良いほか、単純に飲むだけでなく、アイスクリームやヨーグルトにかけたり、ケーキやクッキーの材料として混ぜても美味しく食べることができます。
玄米コーヒーはノンカフェイン
また、玄米コーヒーも穀物コーヒーと同様にカフェインが含まれていないため、妊娠中および授乳中、子供から年配の方まで安心して飲むことができます。
カフェインが気になる方に、コーヒーの代用品としておすすめできる飲み物です。
玄米コーヒーには40種類以上の栄養素が含まれる
玄米が持つ栄養素は40種類以上ありますが、黒焼きにすることで通常よりも多くの食物繊維やポリフェノール、ミネラルを得られることができるそうです。
そのため、身体を温めて冷え性やむくみを改善したり、腸内の調子を整え便秘を防ぎ、溜まっている老廃物を落とし代謝をよくしてくれる働きが期待できます。
大腸がんの発生率を低くするという報告も
ある研究結果では玄米に含まれている「フィチン酸」という成分は、抗がん作用と抗酸化作用による治療への応用が期待されていて、大腸がんの発生率を低くするという報告もある様です。
(あくまでも研究結果であり、その効用を保証するものではありません)
フィンチ酸は玄米をそのまま摂るよりも、焙煎した方が消化が良く、ミネラルを損なわないため、玄米コーヒーとして飲むのが最適な摂取方法だと言われています。
玄米コーヒーの選び方
玄米コーヒーを購入する際の選び方は、大きく分けて3つに分類できます。
- 産地や品種ごとの味の違いで選ぶ
- 抽出タイプで選ぶ
- オーガニックかその他で選ぶ
それぞれの選ぶポイントについて詳しく解説していきます。購入される際の参考にしていただけたら嬉しいです。
産地や品種ごとの味の違いで選ぶ
コーヒー豆には産地ごとにキリマンジェロやブルーマウンテンといった銘柄が存在しますが、玄米においても産地や品種ごとに味わいが大きく異なります。
例えば、信州産の玄米は、寒暖差のある環境によって「コクのある味わい」があり、鳥取産は太陽の光によって「高い栄養価が含まれている」などの特徴があります。
購入する際には、玄米の産地や品種も意識して選ぶと良いでしょう。
それ以外にも、玄米コーヒーは「黒焼き」という少し特殊な製法であるため、生産者の技術によって風味が大きく変わるという特徴を持っています。
そのため、例えば大量生産されている安物の市販品は焦げ臭さが鼻につき、味わいが損なわれるものが多いです。
同じ玄米コーヒーであるにも関わらず、製品ごとにまったく味が異なってきます。
そのため、商品を選ぶ際には産地や品種に加え、何年ものの玄米を使っているのか?
いつ焙煎されたものなのか?
製作者は玄米コーヒー専門の業者なのか、それとも一般的なコーヒーメーカーなのか、といったことも考慮して選ぶと良いでしょう。
抽出タイプで選ぶ
玄米コーヒーの抽出タイプは「粉末タイプ」「ティーバッグ」「ドリップバッグ」の3種類があります。
粉末タイプ
粉末タイプは、スプーン1〜2杯の粉末を水やお湯で溶かして飲みます。
インスタントコーヒーのように使うことができるため、そのまま飲むだけではなく、お菓子作りに使うなど幅広くアレンジすることができます。
味わいは、ティーバッグタイプやドリップタイプに比べると軽いものが多く、牛乳や豆乳を加えてラテとして飲むのもおすすめです。
万能に使うことができるのが粉末タイプの特徴です。
しかし、商品によっては溶けにくいものもあります。
どの製品が溶けやすいのか?後ほど写真付きでレビューします。
ティーバッグタイプ
ティーバッグタイプは、紅茶のティーバッグと同じようにカップにティーバッグを入れて、表記に記載された分量のお湯や水を注いで作ります。
お湯を注ぐだけで手軽に作れるので、一杯ずつ作りたい方や、忙しい方におすすめです。
粉末タイプのように「お湯に溶けない」といったデメリットがないため、料理に使うなどの用途がない方はティーバッグが一番おすすめです。
ドリップタイプ
3つのタイプの中で一番、本格的な抽出方法のドリップタイプ。
コーヒーと同じように紙でドリップする「ペーパードリップ」や、布のフィルターを使う「ネルドリップ」を行って液体を抽出します。
玄米コーヒーならではの味わい、風味を強く感じたい方におすすめですが、料理やお菓子作りなどで使うことは難しいので注意しましょう。
玄米コーヒーのおすすめ比較一覧表
実際に飲んだ玄米コーヒーのランキングをまとめました。
商品リンク (Amazonなど) |
価格 | 一杯あたりの 価格 |
味わい | 抽出 タイプ |
1位:オーサワ 有機玄米珈琲 |
1,320円/100g | 26円 | コーヒーのような苦味。 玄米感は控えめ。溶けやすい。 |
粉末 |
2位:西尾製茶 玄米珈琲 |
800円/6パック | 133円 | スッキリした味わい。 麦茶みたい。 |
ティーバッグ |
3位:つや姫 玄米コーヒー |
966円/6パック | 161円 | 香ばしさが強い。 苦味ほとんどない。 |
ドリップバッグ |
4位:ブラックジンガー 玄米香琲 |
2,650円/120g | 44円 | 草原のような野性的な風味。 味に若干クセあり。 |
粉末 |
5位:黒炒り玄米珈琲 玄氣陽氣の素 |
2,465円/36パック | 68円 | 麦茶みたい。 アイスでも溶けやすい。 |
粉末 |
6位:巣鴨のお茶屋さん 山年園 玄米珈琲 |
1,700円/12本 | 142円 | 溶けにくい。 スタバのコーヒーみたいな味。 |
スティック |
7位:供TOMO カフェ玄神 玄米コーヒー |
1,800円/300g | 12円 | 焦げた味がします。 | レギュラーコーヒー |
8位:遠藤五一 無農薬玄米コーヒー |
1,100円/100g | 22円 | 溶けにくい。 ダマになりやすい。苦い。 |
粉末 |
コーヒーのような苦味を求める方や、「なるべく玄米の味はしない方が良い」という方なら、1位の有機玄米珈琲がおすすめです。
一杯あたり26円というコスパの良さも魅力的です。
玄米コーヒーのおすすめ人気ランキング8選
1位.オーサワの有機玄米珈琲(オーガニック)
1,227円 100g
- 原材料:有機玄米(山形・秋田・宮城産)
- 抽出タイプ:粉末
- 1杯あたりの価格:26円
お米の名産地「山形・秋田・宮城」の有機玄米を使用したJAS認定玄米コーヒー。
実際に飲むと、コーヒーのようなほどよい苦味があって、かなり本格的なコーヒーらしい味わいが感じられます。
玄米の風味は控えめで、できる限りコーヒーの味に近づけた商品という印象です。
しっかりとした苦味があるので、甘いデザートのお供にも良いですし、目覚めの朝に選びたくなる玄米コーヒーです。
お湯に溶けやすく、ダマにならないため口当たりも非常に良いです。
Amazonのレビューには「溶けにくい」という口コミがありましたが、個人的には粉末タイプの玄米コーヒーの中では、かなり溶けやすい方だと思いました。
ケトルで沸騰させたお湯を、そのまま注いで10秒ほどスプーンでかき混ぜたら、写真のようになります。口のザラつきはありません。
オーサワの有機玄米珈琲は、本格的なコーヒーの苦い味わいを求める方におすすめです。
2位.西尾製茶 玄米珈琲(オーガニック)
648円 5g×6袋
- 原材料:有機玄米(九州産)
- 抽出タイプ:ティーバッグ
- 1杯あたりの価格:133円
九州産でクリアな味わいが特徴の玄米コーヒー。無農薬の玄米コーヒーなので、安心安全に飲むことができます。
実際に飲むと、スッキリした味わいで飲みやすい。黒豆茶や麦茶のような感覚で飲めます。
クセのない味わいなので、どんなお料理とも合わせやすいです。食事中にも飲めますし、スイーツと一緒に飲むのもおすすめです。
Amazonのレビューでも「本当に美味しい玄米珈琲」「コーヒーのような玄米茶」と高評価です。
3位.つや姫 玄米コーヒー(オーガニック)
1,180円 6袋
- 原材料:有機玄米(山形県産)
- 内容量:6袋
- 抽出タイプ:レギュラー(ドリップバッグ)
- 1杯あたりの価格:161円
1杯ずつ入れることができるドリップパックタイプの製品です。
実際に飲むと、ロースト感のある香ばしさが印象的です。
苦味のある深煎りコーヒーが好きな方に好まれそうな味わいです。香ばしさは強いですが苦味はほとんどないため、飲みやすいと感じました。
玄米コーヒーに「香味」を求める方や、本格的な玄米コーヒーを楽しみたいけど、お家にドリッパーやコーヒーメーカーがない方におすすめです。
パッケージも可愛いので、妊婦さんや授乳中の方へのちょっとしたプレゼントにも良いかと思います。
4位.シガリオ ブラックジンガー 玄米香琲
2,592円 120g
- 原材料:玄米(国内産)
- 抽出タイプ:粉末
- 1杯あたりの価格:44円
玄米の香ばしい香りは、他の商品と同じように感じられますが、この商品にしかない「草原を思わせる野性的な風味」がとても印象的です。
ちょっとクセのあるアジアのコーヒーが好きな方なら気に入りそうな味わいです。
独特の風味はありますが、苦味は控えめなので飲みやすいと感じました。
ダマにならないで、お湯にすぐ溶けるのも高評価です。また、この玄米コーヒーは水でも簡単に溶けてくれるのが嬉しい。
水を入れて20秒から30秒ほどスプーンでかき混ぜれば、簡単にアイスの玄米コーヒーが楽しめます。
1つの商品で、ホットもアイスも両方楽しみたい方におすすめです。
Amazonのレビューでは「苦い」という口コミもありましたが、ティースプーン1杯分の粉末に150ccのお湯を加えれば、スッキリと飲めるかと思います。
山盛り一杯ではなく、すり切れ1杯でOKです。
5位.黒炒り玄米珈琲 玄氣陽氣の素(オーガニック)
2,295円 2g×36包
- 原材料:国産有機玄米
- 抽出タイプ:粉末
- 1杯あたりの価格:68円
国内産の玄米を特殊技法で焙煎・超微粉にした玄米コーヒー。
カップに顔を近づけると、玄米の良い香りが鼻から抜けていきます。
一口飲むと、かなりあっさりした味わいです。
クセのない玄米コーヒーが飲みたい方には良いかと思いますが、逆に言うと味に特徴がないので「これじゃなきゃダメ」という要素はないように感じました。
ただ、粉末が非常に細かいため、お湯にすぐ溶ける点は高評価です。
超微粉の粉末なので、お湯に触れた瞬間、スッと溶けていくのは見事。
粉末のざらざら感が苦手な方には、かなりおすすめの一品。
お湯だけでなく、お水にもスッと溶けてくれるので、夏場にも活躍してくれます。
正直、味は普通ですが、この玄米コーヒーは時間がない朝など、忙しいときに選びたくなります。
ゆっくりと味わって楽しみたい玄米コーヒーとは別に、この商品も置いておくと便利です。(時間がない時用の玄米コーヒーとして)
6位:巣鴨のお茶屋さん 山年園 玄米珈琲
1,700円 2g×12本
- 原材料:特A北海道産ななつぼし
- 抽出タイプ:スティック
- 1杯あたりの価格:142円
北海道産のななつぼしを使った玄米コーヒーで、無添加にこだわっている商品です。
スティックタイプのため、スプーンを取り出す必要もなく、さっと1杯だけ楽しめるので楽です。
個別包装されているので、旅行先やオフィスなどにも簡単に持ち運びできて便利です。
一度に大量に開封する必要がないため、風味をキープできるのは良いですね。
ご覧の通り、お湯を加えて30秒ほどかき混ぜますが、若干溶けにくいです。味は良いですが。
一口飲むと、スターバックスのコーヒーを思わせるロースト感と、どっしりとした苦味が感じられます。
コーヒーのような本格的な味わいが感じられ、ミルクや豆乳を加えてカフェオレにしても美味しく楽しめます。
チョコレートなどのスイーツとも相性が良いので、甘いものが好きな方におすすめです。
7位:供TOMO カフェ玄神 玄米コーヒー
2,200円 300g
- 原材料:有機玄米(宮城産)
- 抽出タイプ:レギュラーコーヒー
- 1杯あたりの価格:12円
宮城県産の有機玄米を使用した「モナコ公室御用達の玄米コーヒー」です。飲む前は「すごそうなコーヒー」とワクワクさせてくれます。
レギュラーコーヒーと同じように、コーヒーメーカーや、お手持ちのドリッパーで淹れることができます。
ペーパードリップして飲むと、スターバックスのようなロースト感をさらに強くしたような味わい。
かなり強烈な苦味があります。人によっては「焦げた味がする」と感じるかと思います。個人的には飲みにくい印象でした。
ドリップする手間がかかる割には、味はティーバッグに劣る印象だったので、「リピートはしないかな」というのが正直な感想です。
スタバのような苦いコーヒーが好きだったり、ミルクを加えてカフェオレを楽しみたい方には良いかもしれません。
なお、抽出する際のレシピは200ml抽出するのに粉を20g使用しました。
分量的にはこれでちょうど良いかと思います。もし味が濃いと感じたらお湯で薄めればOKです。
8位.遠藤五一さんの無農薬玄米コーヒー(オーガニック)
3,880円 300g
- 原材料:有機玄米(山形県産)
- 抽出タイプ:粉末
- 1杯あたりの価格:22円
無農薬栽培したコシヒカリを使用した玄米コーヒーです。ミルクや砂糖を入れても美味しく飲むことができる、というのが特徴です。
玄米の香ばしく良い香りが感じられますが、粉末がやや溶けにくく、ダマになった粉末の塊が口に入ります。
お湯を注いで30秒ほどスプーンで混ぜて溶かしますが、なかなか溶けないでコーヒーの粉末がダマになってしまいます。
そろそろ溶けた頃かと思っていざ飲むと、苦味の塊が口内に飛び込んできます。
これが結構苦いので、個人的にはちょっと飲みにくいと感じました。
肝心の味ですが、可もなく不可もなくといった印象です。他にも美味しい玄米コーヒーがたくさんあるので、個人的にはリピートは無しです。
玄米コーヒーのおいしい淹れ方・おいしい飲み方
粉末タイプの淹れ方
基本的には少量のお湯で溶かした後に、お好みの量までお湯を入れると上手に溶けます。
ダマが残ると所々で強い苦味が残るので、ダマにならないようにしっかり混ぜるのがポイントです。
ドリップタイプの淹れ方
入れ方はドリップコーヒーと同じ。
少量のお湯で1分ほど蒸らし、お好みの量までお湯を入れると美味しく抽出できます。お湯の量はお好みで調節してください。
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今回ご紹介した玄米コーヒーと同じ、ノンカフェインの「穀物コーヒー」も実際に飲み比べてレビューしています。
飲み比べた感想は「穀物コーヒーのおすすめ人気ランキング10選【管理栄養士監修】」をご覧ください。
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