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コーヒーの豆知識

ブルンジコーヒー豆の特徴

2023年3月18日

ブルンジコーヒーの概要をまとめました。

地域 東アフリカ
カヤンザ県・ンゴジ県・カルシ県など
味わい・香り ベリー、柑橘、ジャスミン、チョコレートなど
コーヒー生産量 世界第32位(17,100トン)
※2021年のデータ
栽培品種 アラビカ種96%:ロブスタ種4%
ブルボン、ジャクソン、ミビリジなど
精製方法 ウォッシュド、ナチュラル

ブルンジのコーヒーは、他のアフリカのコーヒーのように、明るい酸味とフルーティーさが特徴です。

コーヒー豆の品質は高いのですが、小国がゆえに産業としての成長は後れを取っています。

農家が大きな収入を得られないため生産者が減少するなどの問題を抱えていますが、近年スペシャルティコーヒー生産を強化する動きがあり、今後、高品質なコーヒーの生産が増えていくことが期待されています。

ブログ管理人:山口 誠一郎

コーヒーの専門家としてTV出演文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。

ブルンジコーヒー豆の特徴

ブルンジコーヒー豆の特徴

ブルンジコーヒー豆のおもな品種はブルボンで、隣のタンザニア(キリマンジャロ)にも似た上品な酸味や果実味が特徴です。

焙煎度合いによって苦味と酸味のバランスが変わりますが、持ち味のフルーティーさを活かすために浅煎りから中煎りで飲むことをおすすめします。

生産地域

ブルンジのコーヒー豆は以下の地域で生産されています。

ブエンジ ブルンジの主要産地
カヤンザ 上品な酸味とシトラス系の香りを生み出し、COEで多数入賞を果たす。
ンゴジ ジューシーな果実味あふれる良質なコーヒーが栽培される。
カルシ 爽やかな酸味に加え紅茶やジャスミンのようなフレーバーが特徴。
ムインガ すっきりした味わいと甘みが特徴。
キルンド 収量は少ないものの質の高いコーヒーが生産される。
ブバンザ ムミルワという地域に精製加工所が多く、紅茶や甘い柑橘の風味が特徴。

豆の等級(グレード)

ブルンジコーヒーの等級は、豆の大きさと規格(品質)で決まります。

  • 豆の大きさ:17→16→15
  • 規格(品質):AA→A→B

品種

ブルンジコーヒーの主な品種は「ブルボン」「ミビリジ」「ジャクソン」です。

ブルボン 爽やかな酸味とコクのある甘みが特徴。
ミビリジ グアテマラのブルボン。ドイツ宣教師使節団がルワンダ西部のミビリジに持ち込み、ブルンジにも伝わる。バランスの取れた風味で乾燥に強い品種。
ジャクソン 主にブルンジやルワンダで栽培されているブルボン系の品種。生産性の高さが特徴。インドの研究所で発見され、ケニアを通してブルンジに伝わる。

焙煎度合い

ブルンジのコーヒーは、浅煎りにするとベリーや柑橘系の爽やかさ、軽やかな酸味、ジャスミンのような香りが感じられます。

焙煎が深くなるにつれて、チョコレートのような甘みも出てきますが、深煎りでは特徴的な香りが失われてしまうため、中煎りまでがおすすめです。

おすすめの入れ方

ブルンジコーヒー豆の特徴

ブルンジのコーヒーをドリップ式で淹れると、すっきり軽やかな味になります。

また、パイン・ブルーベリー・パッションフルーツのような香りを持つ豆もあります。

豆ごとの個性的な風味を味わうなら、フレンチプレスで抽出することをおすすめします。

ブルンジコーヒーの歴史

ブルンジでのコーヒー生産は、1930年代にベルギーの入植者が導入してスタートしました。

しかし、植民地政府によってもたらされた民族の分断で内戦が起こり、一時はコーヒー産業が衰退します。

2005年の内戦終了後は、国主導で民営化を進め、2012年からはCOE(カップオブエクセレンス)も開催されました。

ただし、ここ20年でコーヒー産業が大きく成長したエチオピアなど他のアフリカ諸国と比べると、ブルンジのコーヒー産業は後れを取っています。

ブルンジのコーヒー生産は人口の4割の生活を支えている

ブルンジの人口は1200万で、そのうち40%の人口にあたる60万の世帯がコーヒー生産に関わっています。

しかし、農家の手取りはわずかなので担い手が減っています。

コーヒー専門家
コーヒー生産者の3分の1近くは60歳以上です。

ブルンジでは、コーヒー栽培に魅力を感じられず別の仕事を探す若者が増えているため、コーヒー農家の収入アップが重要な課題となっています。

参考文献:Burundi-Coffee-Sector-Reform-EN-2007

コーヒー豆の生産量推移

ブルンジコーヒーの生産量は17,100トンで世界第32位です。※2021年のデータ

生産年度 生産量(t)
2021年 17,100
2020年 18,000
2019年 15,660
2018年 12,240
2017年 12,120
2016年 11,760

出典:国際コーヒー機関(ICO)統計資料

コーヒーは農業国ブルンジの主要な輸出品で、総輸出量の7割を占めています。

しかしコーヒーの⽣産量は安定せず、過去6年を見ただけでも数十%もの増減があり、20年前のピーク時からは半分以下にまで減少しています。

コーヒーチェリーの買い取り価格が上がらないため栽培する人が減っており、ブルンジのコーヒー生産は岐路に立たされています。

市場価格の推移

生産年度 1kgあたりの価格
2019年 1.76米ドル
2018年 2.36米ドル
2017年 2.87米ドル

参考:selinawamucii

ブルンジコーヒーの市場価格は、国際市場に左右され、不安定な上に低迷しています。

為替の問題に加え、規制が新たな精製・流通業者の参入と健全な競争を妨げていて、流通システムは非効率でコスト高です。

そのような中、欧米の企業や団体が地元の精製所・農家グループと協力し、スペシャルティコーヒーに特化したブランドを作ったり、フェアトレードを行って品質に見合った価格で販売する動きが広がり、期待が寄せられています。

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