今回は、山形県鶴岡市にある「専門店コフィア」のコーヒー豆の感想と、お店で飲んだコーヒーの感想をレビューします。
※当ページの情報は執筆時点の情報です。商品に関する最新の情報は各メーカー、販売店にお問い合わせください。※当サイトのコンテンツではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。山形県鶴岡市の「コフィア」とは?
コフィアといえば、コーヒーファンの間では有名なお店。
コフィアのマスター「門脇祐希」さんは、東京・吉祥寺にあった自家焙煎とネルドリップの名店「もか」のマスター、標交紀(しめぎ ゆきとし)さんの一番弟子。
「コーヒーの鬼」「コーヒーの神様」と呼ばれた標さんは「自家焙煎の御三家」のひとり。
※御三家とは「吉祥寺もかの標交紀」「銀座カフェ・ド・ランブルの関口一郎」「南千住カフェ・バッハの田口護」のお三方です。
コフィアのマスターは標さんのもとで11年間、修行されました。
標さんが他界された今、「唯一もかのDNAを継ぐコーヒーが飲める場所」がコフィアだと言われています。
そんなコフィアは、Googleレビューなどの口コミでも
「洗練された所作で淹れられたこだわりの珈琲」
「日本一の味。コーヒーの味が本当に解るお店」
「美味しいコーヒーとは、このコーヒーのこと」
など、味に関しては素晴らしい評価が目立ちます。
ただ、サービスに関しては
「美味いコーヒーを味あわせてやるからこちらの流儀に従え、という職人堅気オーラが凄い」
「もう二度と行くことのないカフェ」
「鬼気迫る形相でコーヒーを抽出している」
などの口コミもあります。
オーラは確かにすごいのかもしれませんが、実際に話してみると、とても気さくで良い方です。
コフィアの店内はクラシックが静かに流れ、「純喫茶」そのものの雰囲気。
カラメルのような甘い香りが店中に広がっており、すでに「美味しいコーヒー」が飲めそうな予感です。
メニュー
コフィアはコーヒーの専門店なので、紅茶などはありません。
完全にコーヒー専門店で、スイーツなどもありません。
訪問前に食事は済ませておくのが良いです。
店内ではコーヒー豆の販売も行っています。
お店まで遠くて行けない人は、コーヒー豆を電話注文できます。
マスター曰く「最近の新しいもの(スマホなど)は一切使わないから、電話だけ」とのことです。
ハラール モカを飲んでみた
▲コフィア ハラールモカ ¥670
カップに顔を近づけると、モカ特有の「花のような香り」に加え、ワインのような、果物のようなフルーティーな香りが複雑に絡み合っています。
一言では表現できない香りですが、とても心地良いです。
さっそく一口飲むと、ワインのような滑らかな旨味とコク、ほどよい苦味と酸味が上品にまとまっています。
「美味しいコーヒー」というより「洗練された上品なコーヒー」という感想を抱きました。
もちろん、美味いのは確かですが、そんな一言では言い表せない「複雑な味わい」を感じます。
幾つもの味わいが高いレベルで均一に整っていて、一口飲むたびに新しい味と出会えるような、そんな味です。
次は、インドネシアの銘柄「マンデリン」をいただきます。
▲コフィア マンデリン ¥560
コフィア自家製のネルフィルターでじっくりと抽出されたマンデリンは、ハラールモカとは異なる「野生味あふれる風味」が感じられます。
どっしりとしたコク、かすかな酸味、ほどよい苦味、黒蜜のような甘みが高いレベルで一体にまとまっています。
味わいに淀みが一切なく、重厚感ある味わいなのに透明感のあるクリアさが印象的。
旨味がこれだけ凝縮されているのに雑味やエグ味を感じません。
以前飲んだ「銀座カフェ・ド・ランブル」の「スマトラ(マンデリン)」や「セレベス(トラジャ)」を思い出させる、そんな味が感じられます。
店舗のネルドリップコーヒーを堪能したところで、3種類のコーヒー豆を購入しました。
支払いを済ませて店を後にしようとすると、マスターから声をかけられます。
マスター「家ではどうやって抽出してる?」
山口「ネルドリップかペーパーです。フィルターはマルタ製で・・・」
マスター「うちのフィルターはマルタとちょっと違うんだ。見てごらん」
と見せてくれたのが、こちら↓
マスター「このフィルター見て、何か違うと思わない?」
山口「起毛面がマルタと違う」
マスター「そう。縫い目も違うんだよ。この作りのフィルターは売ってないから自分で作ってる」
山口「そのフィルター2つ売ってください」
マスター「裁縫できる?」
山口「いいえ、まったく笑」
マスター「替のフィルターは裁縫できないとダメ。自分で縫い付ける必要があるから」
山口「じゃあ本体を2つください。また必要になったら電話注文できますか?」
マスター「豆と一緒に買うなら良いよ」
山口「わかりました。来年またお店来るので身体壊さず元気でやっててください」
マスター「それは約束できないな笑」
山口「もかのコーヒーはどんな味だったんですか?」
マスター「あの頃は私が未熟だったから、師匠から全てを学んで理解することは難しかった。でも、本物(のコーヒーを淹れる人)かどうかは、その人の仕事を見てりゃ分かるよね」
山口「・・・」
マスター「いつの時代も紛い物が横行して、本物(のコーヒー)が飲める場所は本当に少なくなった」
山口「そうですね。僕は本物が飲みたくて今日ここに来ました」
マスター「どこから来たの?」
山口「函館です」
マスター「笑」
マスター「今日もう帰るの?」
山口「仙台で一泊して、明日帰ります」
マスター「それならお土産をあげるよ」
というと、マスターは「自家焙煎 もか」があった当時の「ネル・ドリップの抽出法」という小冊子を手渡してくれました。
▲「吉祥寺 自家焙煎もか」で実際に使っていた冊子。
所々黄ばんでいて味があります。
そして、紙に焙煎のカラメルのような香味が染み付いていて、とても甘くて良い香りがします。
また、「自家焙煎 もか」で使用していた紙袋もいただきました。
電話番号だけは、コフィアの番号に変えてあります。
▲標さんと門脇さんが掲載されている新聞の一面もいただきました。
たくさんのお土産をもらって、いろんな話をして、本当に楽しい時間でした。
コフィアのマスターは、確かに無愛想で職人気質な方という印象でしたが、それだけ真剣にお客さんを満足させたいと考えているように感じました。
コフィアのコーヒー豆の感想
今回は次の3種類のコーヒー豆を飲んでレビューします。
- ハラール・モカ(エチオピア)
- ブラジル
- タンザニア
ハラール・モカ(エチオピア)
こんがりと深煎りされたコーヒー豆は粒がきれいに均一に整っています。
美味いコーヒー豆は実際に食べても美味しい。
香ばしくサクッとしていて苦味がほとんどありません。
▲門脇さん自作のネルフィルターで抽出。
1杯用のマルタ製フィルターと比べると、コフィアのフィルターのほうが大きめです。
コフィアのフィルターは3人分ほどのコーヒーが淹れられるサイズです。
▲コフィア ハラール・モカ(エチオピア)
100g ¥880
湯に触れた粉はふわっとドーム状に膨らみ、鮮度の良さを示しています。
さっそく1口飲んでみると、お店で飲んだ1杯を彷彿とさせる「なめらかな旨み」「ほどよい酸味」「透明感のある澄んだ苦味」が感じられます。
苦味がスーッと消えていくと、今度は甘みとコクが姿をあらわします。
カップ一口分をじっくりと味わうだけの「ほんの数秒」の間に、これだけの味のグラデーションが脳裏をかすめます。
舌に残る味わいと言うより「脳に残る味わい」という表現が適切かも知れません。
次はマルタ製フィルターでも抽出してみます。
コフィアのフィルターの約2倍の厚みがある「マルタ製フィルター」で抽出すると、どっしりとした味わいになります。
とくに甘みとコクが強く抽出され、非常に飲みごたえがあります。
一杯で満足できる濃厚なコーヒーを淹れるならマルタ製フィルター。
透明感のあるクリアな味わいが好きなら、コフィアのフィルターで飲むのが良いかと思います。
ちなみに、ペーパードリップだとどんな味なのか?試してみました。
今回は「KONO名門ドリッパー」を使います。
ペーパーもKONOのフィルターを使います。
ペーパードリップしたコフィアの「ハラール モカ」は、酸味がやや強く抽出され、苦味や甘み、コクが控えめ。
どっしりとした味のネルドリップとは違って、爽やかな印象になります。
ちなみに、「コーヒーの鬼」と呼ばれる標さんは、「ネルドリップに勝る抽出方法はない」と言い切っていました。
これは好みの問題なので、どっちが1番、2番というように順位づけをするものではないと思います。
ペーパーにはペーパーの手軽さや毎回清潔に使える点など、メリットも多いです。
参考までに、ペーパードリップでちょっと美味しく淹れる方法を紹介します。
▼豆18g(160cc抽出する場合)
- 130ccに達するまでコーヒーを抽出
- お湯だけを30ccカップに直接入れる
簡単にいうと「コーヒーのお湯割り」です。
これだけで、雑味やエグ味がなくなり、旨みとコクだけが残って美味しくなります。
少し豆を多めに使うことになりますが、普通にドリップするよりもクリアな味になります。
ブラジル
コフィア ブラジル 100g ¥720
コフィアの豆「ブラジル」は、芳ばしい風味とカラメルのような甘みがほのかに感じられます。
コフィア自家製ネルフィルターで抽出したため、雑味が一切ないクリアな旨みが舌を駆け巡る。
ハラール モカのようなインパクトは無いが、安定感のある「これぞ真のコーヒー」という香味が印象的です。
次は、最後のコーヒー豆「タンザニア」を飲んでみます。
タンザニア
コフィア タンザニア
100g ¥860
コフィアのタンザニアをネルドリップすると、花のような、果実のような魅惑的な香りが鼻腔を抜けていきます。
ひとくち飲むと、モカとも異なるフルーティーな風味が広がります。
また、舌の上でスーッと消えていく爽やかな酸味が上品さを感じさせます。
ほどよい苦みと、カラメルのような香ばしい甘みが良いアクセントになっていて、何度も口をつけたくなるおいしさが楽しめます。
まとめ
さて、今回は山形県鶴岡市の自家焙煎店「コフィア」のレビューしました。
お店が気になっていたファンは旅行がてら訪れてみてはいかがでしょうか。
遠方でお店に行けない方は、コーヒー豆の電話注文が可能です。
個人的におすすめのコーヒー豆は「ハラール・モカ」です。
ハラール・モカとは?
エチオピアの「ハラー」という地区で栽培されたコーヒーのことです。
ここで作られたコーヒーは「モカハラー、モカハラール、ハラールモカ」などと呼ばれます。
完熟ぶどうのような甘みと香りがあり、エチオピアコーヒーの最高級品と言われます。
詳しくは「実際に飲んだエチオピアコーヒーおすすめ10選!特徴や豆の種類も紹介」で紹介しています。