毎日必ず飲むという人もいるほど、嗜好品として愛されているコーヒー。毎日飲む飲料だからこそ、健康に良いのかが気になる方もいるのではないでしょうか。
コーヒーは胃に負担がかかるということから、身体に悪い飲料だという印象を持っている方も少なくないと思いますが、実は様々な健康効果があることが分かっています。
今回は、コーヒーの健康効果を知りたいという方へ、7つの効果・効能について解説します。
また、期待する効果によって、コーヒーを飲むベストなタイミングもご紹介しますので、いつ飲んだら良いのかを知りたいという方にもおすすめです。
この記事を書いた専門家
藤井智美(管理栄養士)
管理栄養士としてダイエット指導や記事執筆などを行う。出産を機に離乳食アドバイザーの資格を取得し、SNSやブログで離乳食についても発信。
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コーヒーの効果・効能7つを管理栄養士が解説
健康によい?悪い?と議論が絶えないコーヒーですが、実は多くの健康効果・効能が研究などで証明されています。
「こんな効果もあるの?」と驚いてしまうほど、コーヒーが私たちの身体に与える影響は大きいのです。
まずは7つの効果・効能をご紹介します。
1:頭をスッキリ、集中力を高める
コーヒーにカフェインが含まれているということは知られていますよね。
カフェインには頭をスッキリさせ、集中力を高める効果があります。これは眠気を引き起こすアデノシンの働きを抑えることで、脳が覚醒するためです。
2:ダイエットをサポート
京都大学大学院人間・環境学研究科の森谷敏夫教授らの研究より、コーヒーを飲むと自律神経の働きが促進され、脂肪の代謝が高まることがわかりました。
自律神経のうちの「交感神経」は食欲を抑制し、脂肪を消費させる働きがあります。コーヒーを飲むことで交感神経が刺激され、脂肪の代謝が高まるという仕組みです。
また、コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)には、脂肪を消費しやすくする効果もあります。
このことから、コーヒーはダイエット中の飲み物としても最適な飲料と言えるでしょう。
ただし、カロリーの摂りすぎに繋がらないように、なるべくブラックで飲むことをおすすめします。
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3:体のサビを防いでアンチエイジング
コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)には、抗酸化作用という老化を防止する効果があります。
体に取り込んだ酸素から生成される活性酸素には、さまざまな物質と反応し、酸化させ、細胞にダメージを与えたり、老化を促進したりする働きがあります。
その活性酸素が増えすぎないように抗酸化作用のあるポリフェノールを摂取することで、シミ・シワ・たるみなどを予防することが出来るのです。
4:リラックスできる
ストレス社会とも呼ばれるこの社会で、ストレスを抱えている方も多いですよね。
杏林大学医学部精神神経科の古賀良彦教授らの研究では、コーヒーの香りにリラックス効果があることがわかりました。
また、別の研究ではコーヒーのカフェインにもリラックス効果があることが証明されています。
リラックス効果は焙煎の仕方によっても変化し、浅煎りと深煎りでは、深煎りのほうが高いことがわかっています。
疲れを感じた時にコーヒーを飲めば、手軽にストレスを解消できますね。
5:糖尿病の発症リスクを下げる
国立がん研究センターが実施した研究では、コーヒーを習慣的に飲む人は、飲まない人に比べて糖尿病の発症率が低かったという結果が出ています。
「ストレスは血糖コントロールを悪化させる」と言われているほど、ストレスと糖尿病には深い関わりがあり、この研究ではコーヒーのストレス緩和効果に注目されています。
コーヒーをよく飲む人たちでは糖尿病発症のリスクが低くなる傾向が見られました。
コーヒーには、ストレス緩和以外にも、糖尿病リスクを下げるような独自の効果があるとも考えられています。
また、コーヒーに含まれるポリフェノール(クロロゲン酸)には、ラットでは食後の血糖値の上昇が抑えられるという研究データもあり、糖尿病発症リスクを低下させる効果が期待されています。
6:肝臓・大腸がんの発症リスクを下げる
国立がん研究センターが実施した研究では、コーヒーを習慣的に飲む人は、飲まない人に比べて肝臓がんや女性の大腸がん発症率が低かったという結果が出ています。
肝臓がんについては、「コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人では肝がんの発生率が約半分に減少し、1日の摂取量が増えるほど発生率が低下し、1日5杯以上飲む人では、肝がんの発生率は4分の1にまで低下します。」という結果が出ています。
コーヒーには、炎症を和らげる作用があり、肝炎の進行を防ぐことによって、肝がんを予防するのではないかと考えられています。
女性の大腸がんについては「コーヒーを1日3杯以上飲むグループで浸潤結腸がんのリスクが56%低下した。」という結果が出ています。(男性についてはコーヒー摂取と大腸がんの関連はみられませんでした)
7:動脈硬化性疾患の発症リスクを下げる
動脈硬化は加齢により誰にでも起こりうるものですが、悪玉コレステロールが酸化することにより、年齢以上に動脈硬化が早まります。
クロロゲン酸がもつ抗酸化作用は、活性酸素を除去し、この悪玉コレステロールが酸化するのを防ぐ働きがあるので、動脈硬化を予防できます。
動脈硬化を放置しておくと、血管が詰まったり、血栓ができたりして、脳梗塞や心筋梗塞を招くこともあります。
動脈硬化を予防することは、結果として心筋梗塞や脳卒中をはじめとする動脈硬化性疾患の発症を予防するため、抗酸化作用をもつ食品は積極的に摂取していきたいですね。
健康効果の秘密はコーヒーの2大成分にあり
コーヒーにはさまざまな健康への効果・効能があることをご紹介しましたが、多くはカフェインやポリフェノールが関わっていると考えられています。
ここからは、カフェインやポリフェノールについて紹介します。
カフェイン:眠気や倦怠感、頭痛などにも有効。医薬品にも使用
カフェインはコーヒー豆や緑茶、紅茶などに含まれる苦み成分です。
コーヒーと言えばカフェインを連想する方も多いのではないでしょうか。カフェインは眠気や倦怠感、頭痛などにも有効とされ、医薬品にも使用されています。
カフェインがもつ作用は覚醒作用の他にも、尿の排泄を促す利尿作用、興奮させる交感神経刺激作用などがあります。
下の表に、主なカフェイン含有製品とカフェイン含有量を示しました。コーヒーは食品の中でもカフェインを多く含んでいることがわかります。
飲料/食品/薬剤 | カフェイン量 | 備考 |
---|---|---|
レギュラーコーヒー抽出液 | 約60mg | 100mL当たり |
インスタントコーヒー | 約60mg | 同上(粉末2gを溶かす) |
ピュアココア(無糖) | 約10mg | 同上(粉末5gを溶かす) |
ミルクココア(加糖) | 微量 | 同上(粉末20gを溶かす) |
玉露 | 約160mg | 同上 |
煎茶 | 約20mg | 同上 |
紅茶 | 約30mg | 同上 |
ウーロン茶 | 約20mg | 同上 |
コーラ | 10~19mg | 同上 |
ミルクチョコレート | 25~36mg | 100gあたり |
高カカオチョコレート | 68~120mg | 同上 |
カフェインサプリメント | 200~600mg/日 | 輸入品 |
燃焼系サプリメント | 100mg/日 | 国産品 |
缶コーヒー | 100~150mg/本 | ショート缶 |
エナジードリンク | 22~142mg/本 | |
栄養ドリンク | 30~50mg/本 | ほとんどが50mg/本 |
眠気覚ましドリンク | 100~150mg/本 |
(社団法人全日本コーヒー協会、五訂増補日本食品標準成分表、飲料会社、国民生活センター、製薬会社などが提供している情報に基づく)引用元:NIKKEI STYLE ヘルスUP
ポリフェノール(クロロゲン酸):抗ウィルス・抗がん作用、脂肪消費の亢進など
コーヒー豆には、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれています。
ポリフェノールは植物のほとんどに存在する色素や苦み成分で、抗酸化作用、抗ウィルス作用、抗がん作用など、体への良い影響が期待されています。
特にコーヒー豆に多く含まれるクロロゲン酸は、脂肪消費の亢進、糖尿病発症リスク低減、血圧降下作用なども期待されています。
コーヒーを1杯飲むと赤ワインと同程度のポリフェノールを摂取できます。
ポリフェノールといえば「赤ワイン」を想像する方も多いと思いますが、コーヒーもポリフェノールを豊富に含んだ飲料なのです。
コーヒーを飲み過ぎるとカフェインの弊害も
健康や美容に嬉しい効果をもつコーヒーですが、飲み過ぎには注意が必要です。
なぜ、飲み過ぎはよくないのか、1日当たりの適量、その他の注意点について解説します。
飲み過ぎによるデメリット:心拍数の増加、興奮など
コーヒーの飲み過ぎは、カフェインの過剰摂取に繋がります。
通常の食事で摂取する分には基本的に心配はありませんが、過剰摂取での死亡例もあるため、過度な飲み過ぎには注意しましょう。
カフェインの過剰摂取によって起こる症状は以下の通りです。
- めまい
- 心拍数の増加
- 興奮
- 不安
- 震え
- 吐き気 など
また、繰り返しカフェインを摂取していると、カフェインへの耐性が出現し、体が反応しにくくなります。そしてさらに多くのカフェインを求めるような「カフェイン依存症」に陥ってしまうことがあるので、カフェインの摂りすぎには要注意です。
1日あたりの適量は3~4杯まで
カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、健康に及ぼす影響を正確に評価することは難しく、カフェインの一日摂取許容量(ADI)は設定されていません。
ただ、諸外国では40mg/日を摂取上限としている国が多いので、これを一つの目安としても良いでしょう。
コーヒー1杯(150ml)あたりに含まれるカフェイン量は約9mgなので、適量は1日3~4杯までと考えられます。
妊娠・授乳中も注意(妊娠中はマグカップ2杯程度まで ※FSA基準)
カフェインは胎盤や母乳を通して胎児や乳児にとりこまれるため、妊娠中・授乳中の女性はカフェインの摂取に注意が必要です。
日常的なコーヒーの多飲が流早産や低出生体重児のリスクを高めるとの報告もあります。
英国食品基準庁(FSA)では、妊娠した女性に対して一日当たりのカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)までとしています。
子供の許容量は大人よりも少ない
カナダ保健省では、子供はカフェインに対する感受性が高いため、年齢によって基準値が定められています。
定められている基準値は以下の通りです。
- 4歳~6歳 最大4mg/日
- 7歳~9歳 最大62.mg/日
- 10歳~12歳 最大85mg/日(355ml入り缶コーラ1~2本に相当)
子供がコーヒーを飲む機会は少ないかもしれませんが、カフェインを含むコーラやチョコレートなどの食べ過ぎも注意が必要です。
コーヒーを飲むベストなタイミング
健康効果の詰まったコーヒーをせっかく摂取するなら、よりメリットを得やすいベストなタイミングで飲みたいもの。
期待する効果によってのベストなタイミングを紹介します。
午後の仕事効率をUP【昼寝前】
コーヒー飲用後に短時間の昼寝(ナップ)をする「コーヒーナップ」という言葉をご存じでしょうか。
コーヒーナップは午後の眠気を回避する方法で、15~20分の短い昼寝の直前にコーヒーを飲むのがコツです。
コーヒーナップを行うことで、ストレスの軽減、夜の睡眠の質の向上、午後の生産性向上などの効果が期待できます。
眠気を予防しながら午後をスッキリ過ごし、生産性を高められるでしょう。
脂肪燃焼効果を高める【運動前】
ある研究によると、運動の約1時間前にコーヒーを飲んでから運動すると、白湯を飲んだグループに比べて、中性脂肪が多く燃焼されたことがわかりました。
これはカフェインの中枢神経系の興奮を促す作用により、中性脂肪の分解が進むためだと考えられています。
食後すぐに運動を行うと、エネルギー源として糖質を使用してしまうため、脂肪の燃焼効果を高めたい場合には、コーヒー飲用から1時間経過後がおすすめです。
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空腹時や就寝前はなるべく避けて
コーヒーには胃酸分泌を促進する作用があり、空腹時に飲むと胃痛や胸やけに繋がる恐れがあります。
また、カフェイン効果の持続時間は3~4時間と言われるため、就寝前に飲むと睡眠の質に影響しやすいです。
これらの理由から、空腹時や就寝前のコーヒーの飲用は避けた方が良いでしょう。
どうしても飲みたい場合は、カフェインレスコーヒーにすることをおすすめします。
まとめ
コーヒーの7つの効果・効能は以下の通りです。
- 頭をスッキリさせ、集中力を高める
- 脂肪の代謝を高め、ダイエットをサポートする
- 抗酸化作用により、体のサビを防いでアンチエイジングできる
- コーヒーの香りにより、リラックスできる
- 糖尿病の発症リスク低下が期待できる
- 肝臓・大腸がんの発症リスク低下が期待できる
- 動脈硬化性疾患の発症リスク低下が期待できる
コーヒーによる効果・効能にはカフェインやポリフェノールが大きく関わっており、それらの作用によってさまざまな健康効果が期待できます。
また、期待する効果によってベストなタイミングもあるので、上手に活用していきましょう。
ただし、カフェインの摂りすぎによる弊害など、デメリットもあるため、それらをしっかり理解した上でコーヒーを楽しんでいきたいですね。