土居珈琲の定期便(サブスク)「手と手ConnectionPlan」を本音でレビューします。
いきなり結論ですが、このサービスを利用すれば100gあたり1,000円→907円に割引されます。
ほとんどの銘柄が酸味の少ない「深煎りコーヒー豆」なので、オーソドックスな飲みやすいコーヒーを求める人に一番おすすめの定期便です。
ますは、定期便のコース内容や料金を紹介しながら、実際に飲んだレビューもお伝えしていきます。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
土居珈琲とは?
理想の「甘いコーヒー」を40年以上追求した焙煎人「土居博司」氏
レクサス、ヤナセの会員誌では「伝説の珈琲」として紹介される
大阪にある土居珈琲は、1971年創業のコーヒー豆専門店です。店舗は持たず、自家焙煎したコーヒー豆をネット通販でのみ販売しています。
土居珈琲の特徴を5つにまとめました。
1.小さな焙煎機で丁寧に焙煎 | 大型マシンでは出しにくい豆の個性を引き出しやすい |
2.甘みに対するこだわり | 焙煎で甘味を最大限引き出す(甘みのピークを見極める)ための目視確認を徹底している |
3.世界最高峰の焙煎機を使用 | コーヒー豆を最高の風味にできると言われ、世界中の焙煎士が愛用するドイツ製プロバット(PROBAT)を使用 |
4.注文を受けてから焙煎する | 一般的には、あらかじめ焙煎したコーヒー豆を販売するが土居珈琲では焙煎豆のストックを一切せず、すべて注文を受けてから焙煎する。24時間以内の新鮮な状態で届く |
5.世に出回っていない生豆を買い付け | さまざまな理由から、流通ルートの確保が難しい小規模農家の高品質コーヒー豆を買い付ける。あまり世に出回っていないが100年以上続く農園の豆など、希少価値の高い美味しいコーヒーが多い |
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」とは?
小規模コーヒー農家を守るための仕組み
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」は、コーヒー豆を栽培する小規模農家を守るための仕組みです。
「手作業で高品質なコーヒー豆を育てる」という小さな農家の技術は、機械化による効率至上主義によって破壊されつつあります。
機械化が進むデメリットの例として、収穫の際に欠点豆、未熟豆も混じってしまうこと。これらの豆は風味が欠損しているため、結果的に美味しいコーヒー豆になりません。
小規模農家が今後も高品質なコーヒー豆を生産できるよう、土居珈琲は創業時から農家と価格交渉をしていません。
これに加え、一定量以上のコーヒー豆を農家から買い続けることを約束する取り組みが、「手と手ConnectionPlan」です。※のべ5万人以上が定期購入しています。
コーヒー農家と価格交渉するデメリット
結論から言うと、僕たちが飲むコーヒー全体の品質が下がる可能性が出てきます。
コーヒーは主に発展途上国で生産されていますが、農家の交渉力は弱く、コーヒー豆の取引は先進国の買い手が有利なため、農家の収入は極めて不安定です。
そのため、「高品質なコーヒー豆を作ろう」というモチベーションにつながらないことが問題視されています。
※価格交渉の末、機械が導入できるような大規模農園だけが生き残ると、コーヒー豆の品質が全体的に下がる可能性がある。
毎回3〜5種類のコーヒー豆が届く
「手と手ConnectionPlan」では、一般的に出回らない小規模農家のコーヒー豆が毎回3〜5種類届きます。
希望にあわせて毎月・2ヶ月毎・3ヶ月毎に届けてもらうことが可能です。
レビューの前ですが、結論から言うと「すべての手と手200g×5銘柄」が最もコスパが良く、一番おすすめです。
1回の料金 | 100gあたり | 1ヶ月あたり | |
3つの手と手 200g×3 |
6,092円 | 1,053円 | 3,046円 |
小さな手と手 100g×5 |
5,940円 | 1,188円 | 3,546円 |
すべての手と手 200g×5 |
9,072円 | 907円 | 2,721円 |
※1ヶ月あたり=月に300g消費する計算(1杯10g×30日)
上記のとおり、「すべての手と手」は一回の料金が最も高いですが、1ヶ月あたりに換算すると2,721円です。
参考までに、有名チェーンの「ブルーボトルコーヒー」が約1ヶ月分で4,158円なので、かなりコスパが良いことがわかります。
1回でコーヒー豆が1kg届くので、3ヶ月は購入する必要がありません。
つまり、「すべての手と手」を3ヶ月ごとに届けてもらうのが一番コスパが良いです。
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」の評判・口コミ
「手と手ConnectionPlan」は2023年3月に始まったばかりの定期便サービスなので、Twitterなどで探しても評判や口コミは見当たりませんでした。
なので、これから僕が注文した「すべての手と手」を本音でレビューします。
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」を本音レビュー
手と手ConnectionPlan「すべての手と手」の内容は以下のとおりです。
銘柄 | 焙煎度合い |
グァテマラ アティトラン マヤプロダクト | 深煎り/フルシティロースト |
エルサルバドル マラカラ農園 | 深煎り/フルシティロースト |
ルワンダ カレンゲラカブガ | 深煎り/フルシティロースト |
メキシコ クステペック農園 | 中煎り/シティロースト |
ケニア ムウェルワ生産者組合 | 中煎り/シティロースト |
上から順番にレビューします。
グァテマラ アティトラン マヤプロダクト
このコーヒー豆は、栄養をたっぷり含んだ「火山灰性土壌」で栽培され、マヤ族の末裔が昔ながらの伝統的な農法で作ったものです。
ドリップすると、チョコレートとキャラメルのような香ばしく甘い香りが部屋中に広がります。
お湯に軽く触れただけで、粉がドーム上に大きく膨らむ
ドリップすると甘い香りが広がる
実際に飲むと、ビターチョコレートのような、ほろ苦さを含んだ甘みが感じられ、キャラメルのような甘い風味が追随します。
酸味は少なく、ほどよい苦味と甘みが中心の味わいで、重厚なコクが印象的です。
本当にチョコレートのような「滑らかな口当たり」が感じられて美味しいです。
エルサルバドル マラカラ農園
このコーヒー豆を生産する農園では、「どれかひとつでも欠ければ良いコーヒーはできない」という考えのもと、完熟したコーヒーチェリーを傷つけないよう、機械を使わずに手摘みで収穫します。
実際に飲むと、ベリー系と柑橘系フルーツが合わさったような香りと、チョコレートの香りがハッキリと感じられます。
完熟した豆だけを使っているので、黒糖のような甘みがかなり強く、1杯で満足できる美味しさがあります。
ルワンダ カレンゲラカブガ
ルワンダのコーヒー豆は、「カレンゲラカブガ」という場所で、小農家たちが天日乾燥(ナチュラル製法)で仕上げています。
水洗処理をしていないので、ほんのりと野生的な風味が残っていて、大地を感じるような「ワイルドな風味」があります。
しかし、味全体としては穏やかで、苦味と酸味のバランスがよく、非常に飲みやすいです。
今までの2銘柄は重厚な味でしたが、このルワンダは比較的さっぱりしていて万人受けするコーヒーという印象です。
メキシコ クステペック農園
メキシコのクステペック農園は100年以上の歴史があり、シェードツリーを使って完熟度合いをコントロールするのが特徴です。
さらに、メキシココーヒーの最高峰「SHG」というグレードなので、雑味がなくすっきりとした味わいの中に、チョコレートのような濃厚な甘みを感じます。
コーヒーが冷めてくると、ストロベリーのような風味がほんのりと感じられ、時間の経過とともに異なる美味しさが楽しめます。
ゆっくりと味わいたい美味しさが印象的でした。
ケニア ムウェルワ生産者組合
ケニアのコーヒー豆は世界トップレベルの品質の高さと言われますが、本品はこの地特有の「赤土」で育てられた完熟コーヒー豆です。
さらに、手間ひまのかかる天日乾燥で仕上げていて、チョコレート、オレンジ、アップルなど様々なフレーバーが複雑に絡み合っています。
ほどよく柑橘系の酸味が残っているので、後味が爽やかで、何度も口をつけてしまう美味しさがあります。
今回飲んだ5種類、本当に全部美味しかったですが、中でもケニアはリピート購入したい一品でした。
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」を公式サイトで見る
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」おすすめな人・おすすめしない人
おすすめな人
- 高品質なコーヒー豆をお得に飲みたい
- 酸味の少ないコーヒー豆が好きな人
- 新鮮なコーヒー豆を買いたい人
- 甘いコーヒーが好きな人
- ミルクを入れて美味しいカフェオレを楽しみたい人
おすすめしない人
- 酸味のあるコーヒーが好きな人
- 浅煎り、中煎り、深煎りの間で色々と冒険したい人
土居珈琲は酸味が強くないので、オーソドックスな飲みやすいコーヒーが好きな人に向いています。
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」とほかのコーヒー豆サブスクを比較
参考までに、土居珈琲の「手と手ConnectionPlan」と、ほかのコーヒー豆サブスクを比較してみました。
画像 | 店名 | 1回の料金 内容量 |
100gあたり | 美味しさ |
ニフコーヒー | 949円 160g |
593円 | ★★☆☆☆ | |
ブルーボトルコーヒー | 4,158円 200g×2 |
1,040円 | ★★★☆☆ | |
ミカフェート | 8,000円 160g×4 |
1,250円 | ★★★★★ | |
土居珈琲 すべての手と手 |
9,072円 200g×5 |
907円 | ★★★★★ |
例えば、ニフコーヒーなどの格安店では、160gで949円というリーズナブルなコーヒー豆サブスクですが、忖度なしでいうと味も値段に比例していました。
ミカフェートのサブスクも契約していましたが、正直そこまで割安感はないですし、全体的に味が軽い印象です。(人によっては物足りない可能性がある)
ちなみに100gあたり756円のコーヒー豆で有名なものだと、スターバックスの「サンドライド エチオピア シダモ」や、Amazonの品だと東京コーヒーの「オーガニックブレンド」などが挙げられます。
これらのコーヒー豆も実際に飲みましたが、正直にいうと土居珈琲とはかなり品質の差があると感じました。
画像 | 値段 100gあたり |
美味しさ | 特徴 |
スターバックス サンドライド エチオピア シダモ |
1,960円 250g 784円 |
★★☆☆☆ | エチオピアらしい華やかさは控えめでスモーキー。 |
東京コーヒーオーガニックブレンド | 1,490円 200g 745円 |
★★★☆☆ | バランスが良い。Amazonの豆の中では高品質 |
土居珈琲すべての手と手 | 7,560円 200g×5 756円 |
★★★★★ | 濃厚な甘み・コク。チョコレートのような味が強い |
土居珈琲の豆がスタバよりリーズナブルなのには素直に驚いています。
味の好みはそれぞれなので、好みのコーヒーを選べば良いと思いますが、土居珈琲はレクサス、ヤナセの会員誌で紹介されているだけあって、来客用に出してもほとんどの人に喜んでもらえる品質だと感じました。
これが100gで数千円なら躊躇しますが、スタバやAmazonの豆と変わらないなら非常にリーズナブルです。
関連→【徹底比較】コーヒー豆サブスク定期便おすすめランキング13選
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」で届いたコーヒー豆の保存方法
手と手ConnectionPlanで、お得にまとめ買いしたコーヒー豆の保存方法を紹介します。
先ほど、「すべての手と手」が一番おすすめと言いましたが、1kgのコーヒー豆が届くので、そのまま放置すれば確実に劣化します。※コーヒーの香り成分は焙煎後から徐々に揮発する。
これを解決する方法は「アルミバッグに入れて冷凍保存」です。
中の空気を出す「アルミバッグ」に入れると、キャニスター保存よりも劣化を防げます
アルミバッグ代がもったいなければ、他店のコーヒー豆の袋を再利用すればOK
空気を抜いて平べったくして冷凍保管
焙煎後1ヵ月の豆を比較しました
焙煎直後のコーヒー豆を常温保存したものと、冷凍保存したものを1ヶ月後にドリップしました。
蒸らすために少量のお湯を注ぐと、コーヒーの粉がモコモコと大きく膨らみます。焙煎してから1ヵ月経過しているにもかかわらず、まるで焙煎直後にドリップしたような光景です。
このとおり、冷凍保存すれば鮮度をキープできるので、コーヒー豆をまとめ買いしても保存方法で悩む事はありません。ちなみに冷凍庫から出して飲む際は解凍不要です。味を検証しましたが、どちらも変わらないです。
関連→コーヒー豆の冷凍におすすめの保存容器はこれ|解凍は必要なし
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」は非常にコスパが良い(100gあたり972円)
土居珈琲の定期便「手と手ConnectionPlan」を、同価格帯のスタバやAmazonのコーヒー豆と比較しましたが、やはり鮮度の面でも勝りますし、豆の品質、焙煎技術なども土居珈琲に軍配が上がります。
僕が注文した定期便「すべての手と手」は、1ヶ月あたりに換算すると2,721円です。
1回の料金 | 100gあたり | 1ヶ月あたり | |
3つの手と手 200g×3 |
6,092円 | 1,053円 | 3,046円 |
小さな手と手 100g×5 |
5,940円 | 1,188円 | 3,546円 |
すべての手と手 200g×5 |
9,072円 | 907円 | 2,721円 |
「すべての手と手」なら、コーヒー豆が一度に1kg届くので、3ヶ月は購入する必要がありません。
結論として、「すべての手と手」を3ヶ月ごとに届けてもらうのが一番コスパが良いです。
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