ネルドリップとは「フランネル」という布でできたフィルターを使ったコーヒー抽出の方法です。
一般的に伝えられている味の特徴として、ペーパーフィルターよりも目が粗く、コーヒーオイルを通しやすいため、まろやかな味になると言われています。
しかし実際は、使うフィルターによって仕上がりの味に大きな差があるため、一概に「まろやかになる」とは言えません。
結論から言うと
一番有名なハリオのネルフィルターは、ペーパードリップとフレンチプレスの中間のような味で、比較的さっぱりした味になります。
もっとコクのある味が好きな人は丸太衣料のネルドリップセットがおすすめです。
今回は、これからネルドリップする方に向けて、必要な器具と各フィルターの特徴を紹介します。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
ネルドリップの器具は4種類
ネルドリップをする場合、次のような専用の器具が必要です。
- ネルドリップ一式セット
- ネルフィルター(ろ過器)
- スタンド(やぐら)
- コーヒーサーバー
1〜4を簡単に紹介します。
1.ネルドリップ一式セット
HARIO (ハリオ) ネルドリップ ポット ウッドネック 3~4杯用 DPW-3
ずばり、これからネルドリップを始める人には、この一式セットタイプが一番おすすめです。
ネルドリップでコーヒーを淹れるためには、ネルフィルター(ろ過器)、スタンド(やぐら)、コーヒーサーバーが必要です。
セットタイプなら必要な器具が全て揃っているので、届いたその日にネルドリップコーヒーを楽しむことができます。
2.ネルフィルター(ろ過器)
HARIO (ハリオ) ネルドリップ 3~4人用 ろか器 DFN-3
ネルフィルターは、起毛状の布製フィルターです。
使い終わったら、水洗いや煮沸消毒をすることで、およそ50回〜60回ほど使うことができます。
サイズは1杯用からありますが、抽出したい量に合った大きさのものを選ぶと良いでしょう。
起毛している面を内側にして使用すると、微粉を通さないのでクリアな味になり、裏返して使用するとまろやかな味に仕上がります。
好みによって使い分けてみてください。
また、 商品によってはフィルターのみの販売で、写真のような「ろ過器」が付属していないものもあります。
▲フィルターだけで売っているものもあるので、初めて購入するなら濾過器とフィルターのセットを選んでください。
3.スタンド(やぐら)
スタンド(やぐら)は、ネルフィルターを固定する金属枠のことです。
これがあると、コーヒーを狙った味にしやすいです。
通常、ネルドリップする際はフィルターを手に持ったままケトルでお湯を注ぐので、両手が塞がれた状態になります。
▲スタンドが付属しないセットの場合、写真のように抽出する形になります。
ネルドリップに慣れないうちは、狙った場所にお湯を正確に落とすのが意外と難しく、お湯の太さもイメージ通りの太さで抽出できないこともあります。
しかし、スタンドがあればフィルターを固定できるので、ペーパードリップと同じ姿勢で抽出できるので、狙った味にしやすいメリットがあります。
4.コーヒーサーバー
▲カリタ Kalita コーヒーサーバー 電子レンジ対応 300ml 1~2人用 720円
ネルドリップをする際、抽出したコーヒーを受ける「コーヒーサーバー」も必要です。
しかし、ペーパードリップ用のサーバーや100均で買える耐熱性のある計量カップでも代用できるので、無理に買い揃える必要はありません。
ちなみに、先ほど紹介したHARIOの一式セットはコーヒーサーバーとスタンドの一体型なので、非常にドリップしやすいです。
ネルドリップ器具おすすめ4選
まずは、便利な「ネルドリップ一式セット」などを紹介します。
ハリオ (HARIO) ドリップポット・ウッドネック 3人用 DPW-3
2,364円
ここまでで何度も紹介したハリオのネルドリップ一式セットです。
これ1つあれば、すぐにネルドリップを始めることができるので、最初に購入する器具としては非常におすすめです。
▲Amazonでも1300件のレビューがある人気商品です。
冒頭でもお伝えしたように、ハリオのネルフィルターはすっきりした味になりやすく、 ペーパーフィルターとフレンチプレスの間を取ったような味になります。
ネルドリップを体験する「はじめての器具」としては非常にリーズナブルなので、まずはこちらを試すのが良いかと思います。
もし、別のネルフィルターを使ってみたくなった場合でも、 新たにスタンドやサーバーを購入する必要がないので、器具が無駄になることがありません。
セット内容 | ネルフィルター、ろ過器、スタンド&コーヒーサーバー |
スピール (soupir) 陶器製ネルドリッパーセット(1人用)
8,350円
次に紹介するのは、スピール(soupir)の陶器製ネルドリッパーセット(1人用)です。
ドリッパー(スタンド)とカップ、サーバーとネルフィルターが一式セットになっているので、届いたその日からネルドリップコーヒーを楽しむことができます。
唯一のデメリットは、カップに持ち手がないため外側が熱くて持てない時があること。
キャンプの際には手袋をして飲めば問題ないですが、自宅で使う際にはカップの上部をもつ必要があります。
ですが、次の道具がカップの中に全部コンパクトに収まるので、キャンプなどに持ち運ぶのに便利です。
▲上記のセットが全部カップの中に収納できます。
▲フィルターにワイヤーが内蔵されているので、ろ過器上は必要なく、カップの上から被せるだけでコーヒーを抽出できます。
フィルターは、冒頭で紹介した丸太衣料のフィルターで、ハリオよりも濃厚でコクのあるコーヒーが楽しめます。
使い終わったフィルターは洗剤を使わずに水洗いすれば、50回ほど繰り返し使えます。
また、使い終わったネルフィルターを煮沸洗浄すると目詰まりしにくくなるので、定期的に行うのがおすすめです。
抽出が終わったフィルターは定期的に煮沸すると目詰まりしにくくなり、同時に殺菌もできるので清潔に使えます。
煮沸が終わったら、水を入れたタッパーなどに漬けておいて冷蔵庫で保存すればOKです。
スピールの陶器製ネルドリッパーセットの使い方は、この動画に簡潔にまとめられています。
コンパクトに持ち運びできるネルドリップセットを探している人におすすめです。
セット内容 | ドリッパー、カップ、サーバー、ネルフィルター、受け皿 |
EILONGトラベルコーヒードリッパーカップセットMinimal
9,900円
次に紹介するのは、台湾のブランド「EILONG(エイロン)」のネルドリップ一式セットです。
先ほど紹介したスピールの一式セットと同じように、必要な道具を全てカップの中にコンパクトに収納できます。
▲上記のグッズが全部セットになっているので、届いたその日にネルドリップを楽しめます。
カップに持ち手はありませんが、天然レザーを使ったスリーブが付属しているので、熱々の状態でも飲むことができます。
▲高級感のある天然レザーを使用したスリーブは、使い込むごとに味が出てくるので、長く愛用したくなります。
スリーブはパチンと外せる仕様になっていて使いやすいです。
また、専用ケースも付いているので、キャンプなどのアウトドアにも最適です。
▲割れないかと心配になる「ガラス製カップ」ですが、厚手の専用ケースが付属しているので持ち運びも安心です。
これだけのコーヒー器具が250mlサイズのカップにすべて収まります。
重量は325gで、マンガ本1冊くらいの軽量さなのは素晴らしいです。
ネルドリップをする際は、上記のドリッパーに付属の布フィルターをセットして抽出します。
付属のフィルターはハリオよりも薄手で、クリアな味のコーヒーになりやすいです。
一度試してみて、「もっと濃厚な味にしたい」と感じたら、別で丸太衣料のネルフィルターも買い揃えておくのが良いかと思います。
ネルフィルターを2枚持っていれば、気分に応じて味を変えることもできます。
ネルドリップする際は、フィルターをドリッパーにかぶせるだけなので簡単です。
ちなみに、EILONGの一式セットはペーパーフィルターをセットすることもできます。
1つでいろんな楽しみ方ができるので、コンパクトに収納できる一式セットや、キャンプ用のネルドリップセットを探している人におすすめです。
セット内容 | カップ、ドリッパー、フィルター、フィルタースタンド、ドリップソーサー、専用ポーチ |
EBM 18-8 コーヒースタンド
1,932円
次に紹介するのは、ネルフィルターを固定するスタンド(やぐら)です。
デメリットとして、かなり大きいので収納スペースの確保が必要になる可能性があり、一人前のドリップには向きません。
ですが、一度にたくさんの量をドリップしたい方には便利なグッズです。
サイズの大きいネルフィルターでも使用できるので、3杯分以上のコーヒーをネルドリップで作り置きしたい時におすすめです。
サイズ | 上部径17㎝、下部径21.3㎝、高さ39.5㎝ |
ネルドリップフィルターおすすめ4選
次は、ネルドリップフィルターのおすすめを紹介します。
丸太衣料ネルドリップセット
693円
ここまでで何度か紹介した「丸太衣料」のネルドリップセットです。
ろ過器とフィルターが一つになっていて、値段もリーズナブルなのが魅力です。
このフィルターの特徴は、あえて綿80%、ポリエステル20%の混紡フィルターにすることで、内部が目詰まりしにくいようになっていること。
そのため、定期的に煮沸洗浄すれば60回ほど繰り返し使用できます。
そして、ネル生地が極厚で両面起毛になっているので蒸らし効果が高く、まったりとした濃厚なコーヒーになりやすいです。
サイズは1人用から5人用まで用意されています。
1度に入れられる杯数 | 1~2杯 |
丸太衣料ネルドリップコーヒーフィルター
604円
ペーパーフィルターと同じ台形にカットしたネルフィルターです。
ペーパー用の台形ドリッパーにセットできるので、家庭で手軽にネルドリップに挑戦してみたい方におすすめです。
こちらも水洗いと煮沸をすれば1枚で60回ほど使えるので、ドリップにかかるコストを抑えたい方におすすめです。
1度に入れられる杯数 | 2〜4杯 |
東屋ネルフィルター小 AZMB00003
2,640円
表参道で長年愛され続けてきた「大坊珈琲店」が監修した極厚のネルフィルターです。
このフィルターは非常に濃厚なコーヒーを抽出したい人におすすめですが、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。
というのも、フィルターは円形ですが、生地は底に向かうほど縦長の円形になっています。
そのため、コーヒーの量が少ないとフィルターの底で粉が縦に広がってしまい、 円を描くようにドリップすることが難しくなります。
少量の粉で狙った場所にお湯を落とすには、ある程度の練習が必要です。
粉の量が多い場合は、リングの周りに粉が円形に広がるので狙った場所にお湯を落としやすくなりますが、それには最低でも30gのコーヒーが必要です。
それを踏まえると、毎回2〜3杯分のコーヒーを入れる方や、一度にたくさんの粉を使って味を濃厚にしたい方に向いています。
1度に入れられる杯数 | 4杯 |
ハリオ ネルドリップ ウッドネック DFN-1
745円
先ほど紹介した「一式セット」に含まれるフィルターとろ過器のセットです。
味については既に紹介したので割愛しますが、やはりグリップの握りやすさと安定感が抜群に良いです。
初心者でも使いやすく、見た目も本格的でおしゃれなので、ネルドリップの入門におすすめです。
1度に入れられる杯数 | 1~2杯 |
ネルドリップ器具とフィルター8商品の一覧表
ここまで紹介したネルドリップ器具とフィルター8商品を一覧表にまとめました。
商品名 | 商品画像 | 購入先 | 値段 |
ハリオ (HARIO) ドリップポット ウッドネック 3人用 DPW-3 |
Amazon 楽天 |
2,364円 セット内容:ネルフィルター、ドリップポット |
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スピール (soupir) 陶器製 1人用ネルドリッパーセット |
Amazon 楽天 |
8,350円 セット内容:ドリッパー、カップ、 受け皿、ネルフィルター |
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EILONGトラベルコーヒードリッパー カップセットMinimal |
Amazon 楽天 |
9,900円 セット内容:カップ、ドリッパー、 フィルター、フィルタースタンド、 ドリップソーサー |
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EBM 18-8 コーヒースタンド |
Amazon 楽天 |
1,932円 サイズ:上部径17㎝、下部径21.3㎝、高さ39.5㎝ |
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丸太衣料 ネルドリップセット |
Amazon 楽天 |
693円 杯数:1~2杯 |
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丸太衣料 ネルドリップコーヒーフィルター |
Amazon 楽天 |
604円 杯数:4杯 |
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東屋・あづまや AZMB00003 ネルフィルター小 |
Amazon 楽天 |
2,640円 杯数:4杯 |
|
ハリオ ネルドリップ ウッドネック DFN-1 |
Amazon 楽天 |
745円 杯数:1~2杯 |
ネルドリップ器具の使い方や手入れ方法
ネルフィルターは適した粒度のコーヒー粉を使い、こまめに手入れをしないと早く目詰まりして、50回使えるところが30回しか使えなくなったりします。
ネルドリップ器具の使い方や手入れ方法、適したコーヒー粉の挽き目などを次の記事にまとめたので、あわせてご覧ください。
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ネルドリップとは?おすすめの器具と入れ方やお手入れの方法を紹介
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