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コーヒーの豆知識

コナコーヒーとは?特徴や美味しい入れ方・等級・歴史を解説

2021年6月12日

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コナコーヒーとは?特徴や美味しい入れ方・等級・歴史を解説

2021年6月12日

コナコーヒーは、最高品質のコーヒーとして世界に認められています。

地元の人々にも愛される一方で、ハワイ土産としても人気が高いコーヒーです。

コーヒーにあまり詳しくない人でも、一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

今回はコナコーヒーの特徴や美味しい入れ方、等級、歴史などについて詳しくご紹介します。

ブログ管理人:山口 誠一郎

コーヒーの専門家としてTV出演文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。

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参考文献:hdoa.hawaii.govkoacoffeecoffeebeancorralespressocoffeeguide

コナコーヒーとは

コナコーヒーとは

コナコーヒー農園

コナコーヒーとは、ハワイ島西部の「コナ地区」で栽培されるアラビカ種のコーヒー豆を指します。

コーヒー栽培に理想的な微気候に恵まれた場所で生産され、その味わいは最高品質とも言われています。

ここで生産されるコーヒーは「キラウエア火山」の火山灰の影響を受けた肥沃な土壌で栽培されます。

コナコーヒーの特徴

コーヒー栽培に適した環境を有する

また、コーヒーのおいしさに関わる昼夜の寒暖差や降雨量、日照時間など、コナコーヒーは恵まれた環境で栽培されます。

ここで生産されたコーヒーの中で、ハワイ農務省の規格に合ったものが「コナコーヒー」として販売されます

コナコーヒーの特徴

コナコーヒーベルトと呼ばれるエリアでコーヒーが栽培される

1800年代から小規模農家によって栽培されてきたコナコーヒーは、甘い香りと爽やかな風味が評価され、高品質なコーヒーとして世界的に有名です。

コナコーヒーの基本情報を簡単にまとめました。

地域 アメリカ合衆国 ハワイ島コナ地区
味わい・香り ナッツ・チョコレートなど
コーヒー生産量 世界第51位(2,270トン)
※2021年のデータ
栽培品種 アラビカ種100%
・ティピカ、レッドカトゥーラ、ブルボン、パカマラなど
精製方法 ウォッシュド(水洗式)

世界三大コーヒーの1つとして数えられる

コナコーヒーの特徴

コナコーヒーはブルーマウンテン・キリマンジャロと並ぶ「世界三大コーヒー」と言われています。

風味が優れた高級コーヒーとして有名で、ホワイトハウスの晩餐会でもコナコーヒーが提供されることは有名です。

関連→キリマンジャロのコーヒー豆おすすめランキング7選!

生産量が世界比率で0.03%以下と希少

コナコーヒーの特徴

ハワイ州農務省の資料によると、2021年に生産されたコーヒー豆は約2,270トンでした。

これは、世界に流通するアラビカ種の約0.03%と非常に少ない量です。

このような希少性から、コナコーヒーはブルーマウンテンに次ぐ高級コーヒーとされています。

関連→実際に飲んだブルーマウンテンコーヒーおすすめランキング23選

コナコーヒーの特徴と味わい

アメリカで唯一生産されるコーヒー

コナコーヒーの特徴

世界のコーヒー生産は、コーヒーベルトというエリアの中で行われています。

アメリカ合衆国の中で、コーヒーベルトの中に入るのはハワイだけです。

ハワイでは他に、マウイ島、オアフ島、カウアイ島でもコーヒーが生産されていますが、コナ地区のコーヒー生産量だけで全体の約9割を占めています

関連→コーヒーベルトとは?属する国とそれぞれの特徴をバリスタが解説

苦味が少なくマイルドな酸味と甘み

コナコーヒーの特徴

コナコーヒーには、他のコーヒーにはない滑らかさがあり、コナコーヒー特有のジューシーな甘い酸味が特徴です。

深煎りにすると蜂蜜、チョコレートのような甘い風味が感じられます。

浅煎り、中煎りでは果実のような爽やかな酸味と、甘い香りが際立ちます。

フレーバー付きのコナコーヒーは別物

コナコーヒーの特徴

ハワイのコーヒーといえば、甘い香りの「フレーバーコーヒー」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

しかし、これらはコーヒーは、コナコーヒーを10%以上含む「コナブレンド」です。

残りの90%は外国産のコーヒー豆を使っているため、100%コナコーヒーとは別物です。

コナコーヒーの等級

コナコーヒーの等級(グレード)

コーヒー豆には等級がつけられ、値段も変わってくる

コナコーヒーの等級はまず、コーヒー豆の形で「タイプ Ⅰ」「タイプ II」の2つに分けられます。

さらに、豆の大きさや欠点豆の数などで等級が決まります。

タイプ Ⅰ
(平豆:普通の形の豆)
タイプ II
(ピーベリー)
コナ エクストラファンシー コナ ピーベリー No.1
コナファンシー コナ ピーベリー プライム
No.1
コナセレクト
コナプライム

コナプライムの下に、さらに2つの等級がありますが、それぞれ「ハワイアンコーヒー」という名称で販売されます。

また、タイプ II のピーベリーはコナコーヒー全体の3~5%しか収穫できないため、希少価値が高いです。

コナコーヒーの種類

ストレートのコナコーヒー

コナコーヒー100%

コナ100% 24キャラット

ストレートのコナコーヒーは、コナコーヒーだけを100%使ったコーヒー豆です。

厳しい等級付けをクリアした、コナコーヒーだけを味わうことができるので、コナコーヒー本来の美味しさを楽しむのにおすすめです。

ブレンドのコナコーヒー

ブレンドのコナコーヒー

ブレンドのコナコーヒー

先述の通り、コナコーヒーには、コナ100%の「ストレートコーヒー」と、コナコーヒーに他の豆を混ぜた「コナブレンド」があります。

ハワイの法律では、「コナブレンド」として販売するには、10%以上のコナコーヒーを含むことが条件です。

コナコーヒーの風味からは程遠いものもありますが、ストレートに比べてリーズナブルなのが特徴です。

ちなみに日本では、コナコーヒーが30%以上入っていないと「コナブレンド」として販売できません。

そのため、日本でコナブレンドを購入すれば、コナコーヒーならではの味わいも期待できます。

ピーベリーのコナコーヒー

ピーベリーのコナコーヒー

ピーベリーのコナコーヒー

最高級のコナコーヒーを味わいたい方におすすめなのが「ピーベリー」です。

もともとコーヒー豆は、1つの実に2粒の生豆が向かい合う楕円形をしていることから「平豆」と呼ばれていました。

しかし、1つの実の中に種が1つだけ入った「丸い形のコーヒー豆」があります。これがピーベリーです。

ピーベリーのコナコーヒーは、極めて入手が難しいため非常に高価ですが、大切な方へのコーヒーギフトなどにおすすめです。

関連→ピーベリーおすすめランキング4選!実際に飲んだ味や普通の豆との違いも解説

コナコーヒーの歴史

ブラジルからティピカ種を持ち込んだのがコーヒーが栽培の始まり

ブラジルからティピカ種を持ち込んだのがコナコーヒー栽培の始まり

諸説ありますが、ハワイ諸島にコーヒーが伝わったのは1825年、オアフ島のボキ酋長がブラジルのリオデジャネイロからティピカ種のコーヒーを持ち込んだのが最初とされています。

コナコーヒーは、1828年に宣教師サミュエル・ラグルスが持ち込み、コナのキャプテンクック地区で栽培したのが起源とされています。

もともとハワイ島ではサトウキビ栽培が主な作物でしたが、コナはサトウキビ栽培に適さなかったため、19世紀後半からコーヒー栽培に切り替わりました。

その後、コナはハワイのコーヒー産業の中心地となりました。

1901年にコーヒー生産者が農地を放棄

1901年にコーヒー生産者がコナコーヒーの農地を放棄

その後、害虫の発生や精製工程の未熟さなどにより、コーヒーの普及が思うように進まない時期が続きました。

そして1901年、コーヒーの市場価格が暴落すると白人農家はコーヒー栽培を放棄。

放棄された農地は日本人移民に引き継がれました。

1957年にコナコーヒーの名が世界に広まる

1957年にコナコーヒーの名が世界に広まる

その後も苦難は続きましたが、1912年にはコーヒー市場は好転し、生産量は飛躍的に増加。

この頃に生き残っていたコーヒー農園の8割近くは、日本人が経営していました。

その後、第二次世界大戦の影響で紆余曲折はありましたが、1957年に生産量はピークを迎え、コナコーヒーの名は世界中に広まりました。

日系移民がコナコーヒー発展の礎を築く

日系移民がコナコーヒー発展の礎を築く

引用:konacoffeefest

コナコーヒー産業に大きく貢献した日本人移民。

最初の日本人移民は日本政府の斡旋により、1894年までに約29,000人が移住。

移住当初、日系移民の多くはサトウキビ畑で農業に従事していました。

しかし、彼らは持ち前の勤勉さで働き続け、土地を買ったり借りたりすることになりました。

そこでコーヒー農園を始め、コナコーヒー発展の礎を築いたのです。

コナコーヒーの美味しい淹れ方と飲み方

焙煎度合いは浅煎り〜中煎りがおすすめ

コーヒー豆の焙煎度合い

コナコーヒーの生豆を焙煎する場合、浅煎りから中煎りをおすすめします

浅めに焙煎することで、コナコーヒー独自の甘味と軽やかな酸味を楽しむことができます。

焙煎度が深くなるにつれて酸味が少なくなり、コクが出ますが、コナコーヒー特有の香りは失われます。

最初は、苦味と酸味のバランスが良い「ハイロースト」に焙煎し、好みを探っていくのがおすすめです。

コナコーヒーの美味しい淹れ方

コナコーヒーの特徴

コナコーヒーの繊細な味わいを楽しむなら、すっきりした味になりやすいペーパードリップがおすすめです。

いつものコーヒーと同じように、蒸らしを30秒ほど行い、1分ほどでカップ1杯分(150ml)を抽出すると良いでしょう。

また、豆本来の味わいをダイレクトに感じられる「フレンチプレス」での抽出もおすすめです。

ペーパードリップよりもこってりした味になり、異なる美味しさが楽しめます。

関連→フレンチプレスの入れ方・分量・挽き方・抽出時間・洗い方まとめ

コナコーヒーの保存方法

コナコーヒーの特徴

コナコーヒーの豊かな香りを長く楽しみたいなら、適切な環境で保存することが大切です。

コーヒー豆の場合、1ヶ月以内に飲みきれる量であれば常温保存で構いません。

粉の場合、1週間で香り成分のほとんどが揮発するため、1週間で飲みきれない分は冷凍保存しましょう。

コーヒーは空気や光、温度・湿度に弱く、冷凍保存の場合は庫内の匂いが移ることがあるため、アルミバッグなどの密閉容器に入れて保存しましょう。

関連→コーヒー豆の冷凍におすすめの保存容器はこれ!解凍は必要なし

コナコーヒーが飲める店は?

コナズ珈琲

コナコーヒーの特徴

毎日自家焙煎しているコナズコーヒーは、100%コナコーヒーからスペシャルブレンド、アレンジコーヒーまで、ハワイの味を楽しめるコーヒーショップです。

また、コナズコーヒーはコーヒーの淹れ方にこだわっているのもポイント。

ハンドドリップ抽出とフレンチプレス抽出から選ぶことができ、どちらもコーヒー豆本来の味を楽しむことができます。

全国に41店舗を構えています。店舗、オンラインストアで100%コナコーヒーを豆の状態で購入することもできます。

また、ギフト用のドリップコーヒーセットも用意されています。

アイランドヴィンテージコーヒー

コナコーヒーの特徴

1996年に誕生したスペシャルティコーヒー専門店「アイランド・ヴィンテージ・コーヒー」。

最高級の「100%コナエクストラファンシー」「コナコーヒーピーベリー」「コナコーヒーNo.1」などを取り扱い、厳選されたコーヒーを一杯ずつハンドドリップで提供します。

そのため、クリアな味わいのコナコーヒーを楽しむことができます。

日本での店舗は、表参道、お台場、横浜の3店舗です。オンラインストアでもコーヒー豆を購入できます。

マウカメドウズ

コナコーヒーの特徴

ドトールが所有するハワイの自社農園「マウカメドウズ」で収穫された100%コナコーヒーが楽しめます。

また、ひとつずつ手作りして焼き上げるワッフルも人気です。

マウカメドウズの店舗は品川、横浜、神奈川県の相模大野の3つです。

ホノルルコーヒー(閉店)

コナコーヒーの特徴

「ホノルルコーヒー」は1991年にハワイ・ホノルルの屋台から始まったコーヒーショップです。

熟練のローストマスターが焙煎した100%コナコーヒーを飲むことができます。

また、鮮度の良いコーヒー豆を買えるのも特徴です。

ホノルルコーヒーは関東を中心に関西、九州に25店舗を展開していましたが、2022年1月をもって日本全国の店舗が閉店となりました。

コナコーヒーが高い理由

コナコーヒーの特徴

コナコーヒーが高価な理由のひとつは、その品質や希少性に加え、先進国であるアメリカで栽培されているコーヒーの産地が、世界でハワイコナだけであること。

人件費、光熱費などの経費が他のコーヒー生産国に比べて非常に高く、それがコナコーヒーの価格に反映されているのです。

コナコーヒーはどこで買える?

コナコーヒーの特徴

100%コナコーヒーは、先述したコナズ珈琲、アイランドヴィンテージコーヒーの他に、カルディの実店舗で取り扱いがあります。

また、一部のデパ地下でも100%コナコーヒーを置いているショップもあります。

全国チェーンのドトールでも「ハワイコナブレンド」が手に入ります。

コナコーヒーの特徴

ただし、こちらは極深煎り、かつブレンドということもあり、100%コナコーヒーとは程遠い風味です。

関連→ドトールのコーヒー豆「ハワイコナブレンド」の感想を正直にレビュー

その他スーパーなどでは、ストレート、ブレンドいずれのコナコーヒーもあまり見かけません。

なるべく安い値段で100%コナコーヒーを買うなら、ネット通販がお得です。

コナコーヒーの特徴

▲ハワイコナ エクストラファンシー コーヒー豆 

詳しいレビューは、以下にまとめています。

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