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今回は世界一高価なコーヒー豆「コピルアク」の正直な感想をレビューします。
結論から言うと、値段に見合ったおいしさはありません。
※記事中の値段は全て税込です。
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コピルアクの基本情報
コーヒー豆の基本情報
ジャコウネコ
コピルアクとは、インドネシアのスマトラで採取されるコーヒー豆です。
スマトラ島に生息する「ジャコウネコ」は熟したコーヒーチェリーを餌として食べます。
※熟していない「美味しくないコーヒーチェリー」は食べない。
種子にあたるコーヒー豆は消化されずに排泄され、それを洗浄したものがコピルアクです。
つまり、コピルアクはジャコウネコの糞から採取したコーヒー豆です。
1匹から1日3g程度しか採取できない希少な品です。
コピルアクの歴史を簡単に紹介
オランダがインドネシアを植民地支配していた当時、栽培した全てのコーヒーをオランダ人が取り上げたためインドネシア人はコーヒーを飲めませんでした。
ある時、ジャコウネコの排泄物に混じっているコーヒー豆をインドネシア人の農民がきれいに洗って乾かして脱穀し、生豆の状態にしたものを焙煎して飲みました。
すると普通のコーヒーとは異なる複雑な香味があり、このコーヒーを希少な珍重とするようになった歴史があります。
汚い?衛生面での心配は?
衛生面での問題はありません。
コーヒー生豆など、加熱加工されておらず乾燥させただけの輸入品は検疫の対象となります。
コピルアクも輸入時には必ず農林水産省植物防疫所の検査を通過する必要があります。
検査の結果、病害虫などの付着が判明した場合は消毒、駆除、廃棄等の措置が命じられます。
さらに、検査を通過したコピルアクの生豆は100度以上の高温で15分以上焙煎されます。
ここでの加熱処理によって雑菌も死滅します。
どんな味?
チョコレートのような甘みと奥行きのある風味、まろやかな口当たりが楽しめると言われています。
インドネシアを代表する「マンデリン」と共通する味にも思えますが、コピルアクでしか感じられない特別な香味があるとされています。
その理由は、ジャコウネコの腸内の消化酵素の働きや腸内細菌による発酵によって、複雑な香味が生まれるといわれます。
ヨーロッパではこの珍品が高級コーヒーとして人気で、高額で取引されています。
値段、豆の量、焙煎度合い
価格 | 4900円/100g |
送料 | 無料 |
豆の産地 | インドネシア |
品種 | アラビカ種(スマトラ種) |
精製 | スマトラ式 |
焙煎度合い | 中煎り |
今回レビューするのは金澤屋珈琲のコピルアクです。
コピルアクは優れた香味をもつアラビカ種に属します。
焙煎度合いは、甘味が強くなる中煎りです。
金澤屋珈琲ではコピルアクを次の状態で購入できます。
- 豆のまま
- 粉(中挽き)
豆、粉いずれも値段は変わりません。
レビュー
抽出環境・条件
豆の量:16g
豆の挽き具合:中挽き
お湯の量:160cc
お湯の温度:85℃
蒸らし時間:30秒
パッケージを開封してもうんちの香りはしませんが、コーヒーの香りもそれほど強く感じられません。
独特な香味を持つと言われますが、特筆すべき香りは正直なにも感じません。
ペーパードリップすると、ナッツのような香りがほのかに感じられます。
実際に飲むと、やや酸味が強くコク、苦味、甘みの全てが一般的なマンデリンと比較して控えめです。
出涸らしのコーヒーという印象で、味が薄いです。
Konoの名門ドリッパーで抽出すると、苦味や甘み、コクがわずかにアップします。
フレンチプレスで抽出すると、酸味が強くなります。
豆本来の味はそこまで強く感じられません。
ネルドリップすると、深いコクとなめらかな口当たりが楽しめます。
酸味が少なくなるので、味のバランスが整って飲みやすくなります。
総評
今回飲んだコピルアクには特別なおいしさを感じませんでした。
しかし、コピルアクは値段に見合ったおいしさに価値があるのではなく、辛い歴史の中で農民の知恵により生まれたコーヒーとして、当時は大変な価値があったのだと思われます。
一度試してみたい方は、こちらから購入できます。
ギフト用のコピルアクとしてはお手頃価格で、焙煎元の金澤屋珈琲店も1980年創業の老舗です。