ピーベリーという小さな丸いコーヒー豆は、収穫の約5～20%しか採れないため、希少な豆とされていてファンも多いことで知られています。
この記事ではピーベリーコーヒーについて解説し、実際に飲んだピーベリーの感想とおすすめを紹介します。
タップできる目次
ピーベリーとは？
種子が1つしかないコーヒー豆のこと
ピーベリーは平たいところがなく、小ぶりで丸っこい形をしたコーヒー豆です。
コーヒー豆は、コーヒーチェリーの中にある種子ですが、普通は平らな面を向かい合わせにして2つ入っています。
しかし、何らかの要因で片方の種子が形成されないと、もう1つの種子が2つ分の空間に成長して丸い形になり、ピーベリーになります。
ピーベリーができる仕組みは、まだ全てが解明されていませんが、種子が形成されないのは受精がうまくいかず種子自体が形成されなかった場合と、種子がきちんと育たなかった場合があることがわかっています。
収穫量の5〜20%しか採れない
▲ポストコーヒー タンザニアピーベリー1,480円 225g
丸い形をしたピーベリーは丸豆とも呼ばれますが、それに対して普通の豆は平豆やフラットビーンと呼ばれます。
ピーベリーは、精製後に生豆のスクリーン選別を行う段階で、ピーベリー専用のふるいで分けられます。
さらに、ピーベリーのみを集めて出荷する生産者もあり、1粒ずつ目視で選り分ける作業を行います。
ピーベリーは収穫の5〜20%しか採れないため、同じ種類の平豆よりも高値で取引されています。
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ピーベリーができる理由
上記で述べたように、2つできるはずの種子の片方が受精や種子の発育がうまくいかず形成できないと、もう片方の種子が丸く成長してピーベリーになります。
エチオピアのジンマ農業研究センター（Jimma Agricultural Research Center）の研究によると、受精や種子の発育がうまくいかない原因は以下のようなことが挙げられます。*1
- 天候不順により開花がうまくいかなかった
- ハチや蝶、アリなど、花から花へ移動して受粉を助ける昆虫が少なかったことや、花粉を飛ばす風が足りなかったことから受粉が不十分
- アラビカ種とロブスタ種をかけ合わせたハイブリッド種などは受粉が上手くいかない確率が大きくなる
- 遺伝的な欠陥
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ピーベリーの特徴
ピーベリーの豆は平豆と比べて小さく、丸い形をしているため焙煎のときに熱が均一に伝わりやすい特徴があり、普通の豆より甘みや香りが強いとよく言われます。
ピーベリーは、豆2つ分の養分を1つの豆で受け取っているため、きっと栄養が豊富だろうと期待する人も少なくありませんが、ピーベリーと普通の豆の成分の違いはまだはっきりわかっていません。
実際にピーベリーを飲んでみた
ポストコーヒーから届いたタンザニアピーベリー「ンゴロンゴロ ガイア」を飲みました。
オレンジのような果実味のあるフレーバーと、ジャスミンのような爽やかな香りを感じます。
中煎り寄りの浅煎りですが酸っぱさを感じず、非常に飲みやすいです。甘みやうま味が凝縮されたような印象で、ふくよかな味わいです。
黒糖のような濃厚な甘さがかなり強いため、酸味がマイルドになっているように感じます。（味覚の抑制効果）
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普通のコーヒー豆とピーベリーの違い
ピーベリーの方が美味しい？
ピーベリーは普通の豆と比べて美味しいのでしょうか。ピーベリーは甘みが強い、味が濃いとよく言われています。
中国雲南省にあるコーヒー産地の豆を使った研究では、ピーベリーと普通の平豆の遺伝子を比べたところ、コーヒーの風味に影響する脂質やタンパク質などの合成に関する遺伝子に違いが見られたという報告もされています。*2
焙煎後の豆については、熱が加わりやすく焼きムラができにくいことが美味しさに影響を与えているのでしょう。
また、5～20％という希少性と選別の手間による高価格が、ピーベリーをさらにおいしく感じさせているのかもしれません。
焙煎度合によって味わいが変わる
一般的に、甘みが強いと言われるピーベリーですが、焙煎度合いによって大きく味が変わるのは普通の平豆と同様です。
焼きムラが少なく火が通りやすいピーベリーは、浅煎りでは産地の風味特性がはっきり出やすく、中煎りではマイルドで軽やかな口当たり、深煎りでは濃縮された風味や旨味が楽しめます。
焙煎度合いは苦味と酸味のバランスを決める重要なファクターなので、各人の好みで楽しめば良いと思います。
酸味が苦手な人は「深煎り」と記載されたコーヒー豆を選ぶと良いでしょう。
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値段が高い理由
ピーベリーは同じ種類の平豆に比べて、高い値段で販売されています。
理由は、コーヒー豆全体の収穫量の5～20％という希少性に加え、ピーベリーだけを集めて出荷するためには、ハンドピックで1粒1粒選別しなければならず、非常に手間とコストがかかるためです。
ピーベリーおすすめランキング4選
1.ポストコーヒー初回お試しBOX
1,480円 225g（75g×3種）
| 価格 | 2回目以降 1,980円 |
| 鮮度 | ★★★★★（焙煎後7日以内） |
| 焙煎度合い | 深煎り |
実際に先ほどレビューしたポストコーヒーでは、ピーベリーの取り扱いがあります。
ずばり、「コーヒーに詳しくないけど、好みの範囲内で色んな産地のピーベリーを飲みたい」という人には、ポストコーヒーが一番おすすめです。（会員数6万人超）
ポスト投函されるので受け取る必要がなく、不在票のやり取りがないのが楽です。
また、今なら初回限定500円割引され、100gあたり657円で買える計算です。（Amazonで買える豆と同じくらいの金額）
個人的にここで1年以上、コーヒー豆を購入していますが、豆の鮮度がよく、パッケージを開けた瞬間に甘い香りが広がります。
ここで扱うコーヒー豆は冷めても美味しくて、淹れたてより甘みが強く感じられるのが印象的です。
また、デカフェも非常にクオリティが高く、コーヒーの風味が損なわれていないことに驚きました。
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レガロ ニカラグア サンタマウラ農園 パカマラ ピーベリー
1300円 200g
レガロでは常時100種類以上のコーヒー豆が用意されていますが、希少なニカラグア産のピーベリーも用意されています。
実際に飲むと、ハチミツをかけたリンゴのようなフルーティーさと超濃厚な甘みがあります。
パカマラ種の風味の良さは世界随一とも言われますが、個人的にかなり印象に残ったコーヒー豆です。
| 鮮度 | ★★★★☆ |
| 焙煎度合い | 中煎り |
銀河コーヒー ショコラピーベリー ブラジル
1,280円 150g
カカオのようなほろ苦さとナッツ系のフレーバーがあり、ほんのりとチョコレートのような味わいが感じられるブラジルのピーベリーです。
4つの中では一番中庸的な味なので、あまりクセがないコーヒーが好きな人におすすめです。
| 鮮度 | ★★★★★（焙煎後7日以内） |
| 焙煎度合い | 中煎り |
wabisukeブラジル ブルボン ピーベリー クラシコ
700円 100g
wabisukeは栃木に店舗があり、買い付けたコーヒー生豆をお店で水洗いし（プレウォッシュド）、乾燥させてから焙煎するという業界でもかなり珍しいお店です。
実際に飲むと、リンゴをかじった時のような甘く爽やかな酸が感じられて、かなり美味しいです。
ブラジルの豆ではあまり感じられない、ほんのりしたフルーティーな味があるのが印象的です。もちろん、ナッツ系の香ばしさもありますが、このコーヒー豆はフルーティーさの方が強いです。
苦味はほとんどなく、非常にクリアな味わいの中に濃厚な甘みを感じます。
| 鮮度 | ★★★★☆ |
| 焙煎度合い | 中煎り |
ピーベリーが楽しめる代表的なコーヒー豆
ピーベリーは品種に関係なく、世界のどこの産地に植えられたコーヒーの木でも一定の割合で見つかります。
また、平豆より品種や産地による味わいの特性が、はっきり出るといわれています。
ここからピーベリーのコーヒー豆のおすすめ産地・ブランドを4つ紹介します。
ブラジルピーベリー
ブラジルは世界一のコーヒー豆生産国です。
希少なピーベリーですが、ブラジル産のピーベリーは取り扱う業者も多く、比較的手に入れやすいので、初めてピーベリーを試してみたい人におすすめです。
ブレンドに使われることも多いブラジルの豆ですが、ピーベリーは当然ストレートで販売されています。
ブラジルの豆は苦味がソフトでバランスが取れた風味が特徴ですが、ピーベリーではバランスの取れた中にもナッツの香ばしさやコクが豊かに感じられます。
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タンザニアピーベリー
キリマンジャロの銘柄で有名なタンザニアのコーヒーですが、タンザニアピーベリーはフルーティーな酸味が特徴です。
焙煎時間が長くても、オレンジのような明るい酸味やフルーティーな香りが失われず、力強く大胆なフレーバーを味わえるものが多いです。
そのため高級なエスプレッソコーヒーに最適とされてきた歴史があります。
力強く飲みごたえのあるコーヒーが好きな方におすすめです。
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ブルーマウンテンピーベリー
高級コーヒーのブルーマウンテンは、カリブ海の小国ジャマイカの中で栽培されています。
ジャマイカの中でも国が指定したブルーマウンテン山麓の地域内で、基準をクリアしたコーヒーのみが許可された銘柄です。
希少なブルーマウンテンコーヒーの中でもピーベリーだけを集めたブルーマウンテンピーベリーはさらに希少で非常に高価です。
しかし品質は間違いなく、香り高く上品な酸味と甘みは、贈答用に最適です。
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ハワイコナピーベリー
ハワイコナはハワイのコナ地区で生産されたコーヒー豆の中で、ハワイ農務省の規格を満たしたコーヒー豆につけられる銘柄です。
ハワイコナピーベリーは、コナコーヒーのピーベリーのみを集めたもので非常に希少で高価です。
ハワイコナの品種は主にティピカですが、ピーベリーでもその爽やかな風味が特徴で、さらに甘い香りが際立っています。
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参考文献
*1 Coffee Peaberry as a Potential Seed Source for Productiontion
