今回は、奈良県にある創業1974年の自家焙煎スペシャルティコーヒー専門店「ロクメイコーヒー」の「スペシャルティコーヒー お試し飲み比べセット」を飲んだ正直な感想を述べます。
タップできる目次
ロクメイコーヒーとは
ロクメイコーヒーの40年の歴史
ロクメイコーヒーは1974年の創業時【ROCOCO】という名前でした。
ROCOCOの店名の由来は「ロココ様式(18世紀のヨーロッパで発展した美術様式。繊細で柔らかいフェミニンさが特徴)を取り入れたような雰囲気を目指し、ロココと名付けました。
その後、初代オーナーから息子さんの井田 浩司氏に引き継ぐ際に、新たなブランドを立ち上げることになります。
「ROCOCO」が持ついくつかの価値の中に「40年の歴史」と「立地」があり、そのどちらの価値も高められるようなブランド名、そして「ROCOCO」の想いを繋げることのできるブランド名に進化させようと考えます。
そこで、ある言葉に出会います。鹿が鳴くと書いて「鹿鳴(ろくめい) 」。
中国の故事に伝わる詩のひとつで、群れの鹿が互いに鳴いて仲間を呼び合い、楽しそうに野に生えたよもぎを食べる様子を描いており、鹿たちの穏やかな暮らしがうかがえる言葉です。
奈良の鹿もまた、人々に愛されながらのんびりと暮らし、訪れる人を安らかな気持ちにしてくれます。
そんな鹿鳴という言葉の意味にちなんで、人が人を呼ぶ珈琲店になるようにと願いを込め「ROKUMEI COFFEE CO.(ロクメイコーヒーカンパニー)」を立ち上げます。
この店名には仕掛けがあり、頭文字をつなげると以前の店名「ROCOCO 」になります。
日本一の焙煎士が手掛けるスペシャルティコーヒー
ロクメイコーヒーの豆は、焙煎技術の日本一を決める「ジャパン コーヒー ロースティング チャンピオンシップ(JCRC)」2018年の大会で優勝した井田 浩司氏が手掛けています。
井田氏は、喫茶店の2代目として生まれ、奈良で長らく主流だった深煎りコーヒーや・ブレンドコーヒーの良さを理解した上で、柔軟な解釈に基づく焙煎と幅広い品揃えで、家庭にもスペシャルティコーヒーを根付かせることを目指して活躍する実力派です。
ロクメイコーヒーで現在使用している焙煎機は、東京の丸山珈琲などでも使用しているローリング社のスマートロースター。
※2019年までは自身でカスタマイズしたフジローヤル製の半熱風式焙煎機を使用。
▲Loring Smart Roaster(ローリング社 スマートロースター)
この焙煎機は、世界中のトップロースターから絶大な支持を得ているアメリカ製の完全熱風式マシンです。
コーヒー豆本来の甘味や、透明感のあるおいしさを生み出すことに特化し、最新技術を搭載した焙煎機。
そして、スペシャルティコーヒーの第一人者として知られ、コーヒー界の巨匠といわれるジョージ・ハウエル氏も使用している焙煎機です。
▲コーヒー界の巨匠 ジョージ・ハウエル氏
ではここから、スマートロースターと日本一の焙煎技術の融合ともいえる、ロクメイコーヒーのお試し飲み比べセットをレビューしていきます。
コーヒー豆通販レビュー|ロクメイコーヒー「お試し飲み比べセット」
セット内容
▲ロクメイコーヒー「スペシャルティコーヒー お試し飲み比べセット」
ロクメイコーヒーの「スペシャルティコーヒー お試し飲み比べセット」は、味の違いがわかりやすい3種類のコーヒー豆がセットになっています。
どのコーヒー豆も「苦い」「酸っぱい」と感じることがなく、花のような香りやフルーツを思わせる甘味と旨味が感じられます。
ロクメイコーヒーではコーヒー豆を焙煎後に届けてくれるので、1ヶ月は新鮮な状態のコーヒーを味わうことができます。
公式ホームページでも次のように記されています。
焙煎後のコーヒーをおいしく飲むことができる期間はおよそ1ヵ月ほどです。
コーヒー豆は古くなると、えぐ味に似たような酸味が強くなり、後味も悪いものになってしまいます。コーヒーのおいしさ=鮮度といっても過言ではありません。
そこで私たちは、より新鮮な状態でコーヒーを提供するために焙煎所を作りました。
必要最小限のコーヒー豆を丁寧に自家焙煎し、できるだけおいしさのピークを味わっていただけるよう、発送のタイミングを調整してお届けしています。引用:ロクメイコーヒー
値段・容量
300g 2,160円(税+送料込)
ロクメイブレンドをレビュー
コーヒー豆の状態
ロクメイブレンドは、焼きムラもほとんど見られず、割れたり欠けたりの欠点豆がありません。
コーヒー豆からは花のような良い香りが感じられます。
焙煎度合い
焙煎度合いについてはこちらををご覧ください。
コーヒー豆のローストや焙煎度合い・焙煎方式ごとの味の違いを解説
コーヒー豆の種類
ブラジル南ミナスエリア バルジニア山間部で生産されたコーヒー豆
▼コーヒー豆の種類ごとの味の違いは、こちらで紹介しています。
【一覧表あり】コーヒー豆の産地ごとの特徴を知って好みの種類を見つけよう!
実際に飲んだ感想
中挽きにしたロクメイブレンドにお湯を静かに落としていきます。
するとブクブクとガスを放出し、コーヒー粉がドーム状に膨らみます。
これは、コーヒー豆が新鮮であることを示しています。
ロクメイブレンドをペーパードリップして飲むと、ストロベリーの果汁を口にしているような「ジューシーな甘味」が感じられます。
豊かな甘みが、コーヒーの酸味を柔らかく包み込んでおり、味全体がマイルドに感じられます。
ここ最近レビューしたコーヒーの中でも特にクオリティが高いコーヒー豆という印象を素直に抱きました。
次はフレンチプレスで抽出して飲んでみます。
ロクメイブレンドをフレンチプレスで飲むと、オレンジの果汁を絞ったようなジューシーなおいしさが感じられ、苦味をほとんど感じません。
まるでフレーバーティーを口にしているような感覚で、コーヒーと言うよりは紅茶を飲んでいるような味わいです。
フレンチプレスで抽出すると、透明感のあるクリアな酸味が広がり、果実のような優しい甘みがじんわりと体に染み込んでいく様子がスローモーションで体験できます。
最後にネルドリップして飲んでみます。
ロクメイブレンドをネルドリップで飲むと、再びストロベリーのような味わいが感じられますが、ペーパードリップよりも苦味や酸味がマイルドになり、奥に潜んでいた「梨を思わせる優しい甘み」が感じられます。
また味全体がぎゅっと濃縮された印象で、旨味やコクもペーパードリップより強く感じられます。
ロクメイブレンドは淹れ方によって、様々なフルーティーな味わいが表情を見せる様が秀逸で、飲んでいて非常に楽しいコーヒーです。
サルサワブレンドをレビュー
コーヒー豆の状態
サルサワブレンドは、焼きムラもほとんど見られず、割れたり欠けたりの欠点豆がありません。コーヒー豆の状態は良好です。
パッケージを開封すると、キャラメルのような甘い香りが感じられるのが特徴的です。
焙煎度合い
コーヒー豆の種類
ブラジル・エルサルバドル・インドネシア産のコーヒー豆がブレンドされています。
実際に飲んだ感想
中挽きにしたサルサワブレンドにお湯を静かに落としていくと、コーヒー粉がふわっと大きくドーム状に膨らみます。
これは、コーヒー豆の鮮度が良いことを示しており、焙煎したての鮮度が良いコーヒーだけで見ることができる光景です。
サルサワブレンドをペーパードリップして飲むと、雑味が一切なく非常にクリアな苦味と、苦味の少し後ろで感じられる「オレンジのような甘味と酸味」が特徴的です。
飲んだ瞬間に「上品なコーヒー」という印象を抱きます。
このサルサワブレンドは、コーヒーが舌に乗った瞬間に酸味の花が開くように、じんわりとフルーティーさが感じられるのですが、この感覚は飲んでいて面白いです。
コーヒーの熱が冷めてくると、オレンジを思わせる甘味が際立ちます。飲み進めていくうちに異なる表情を楽しむことができる点も面白いです。
次はフレンチプレスで抽出して飲んでみます。
まず、カップに顔を近づけると、ベルガモットのような柑橘系の爽やかな香りが感じられます。
ペーパードリップで感じられたオレンジのような味わいがより1層際立った「フルーティーなおいしさ」が口いっぱいに広がり、コーヒーの熱が少し落ち着いてくるとストロベリーのような優しい甘みが体に染み渡ります。
僕が使用しているフレンチプレスは値段も安価で、機能的にもESPRO(エスプロ)のコーヒープレスのように優れた器具ではありません。
このような安価なフレンチプレスで飲んでも雑味が一切なく、非常にクリアな味わいが感じられます。
深煎りのコーヒー豆であるにも関わらず透明感のある苦味で、また一口、もう一口とついつい飲み進めてしまう美味しさがあります。
最後にネルドリップして飲んでみます。
サルサワブレンドをネルドリップして飲むと、苦味と酸味がマイルドに感じられ、オレンジのような味わいが際立っています。
苦味はほんの微かに感じられる程度で、甘みと酸味のバランスが絶妙です。
サルサワブレンドは、このネルドリップしたコーヒーが最もフルーティーな味わいが楽しめるように感じました。
エチオピア イルガチェフェ アリーチャ ナチュラルをレビュー
コーヒー豆の状態
エチオピア イルガチェフェは、焼きムラもほとんど見られず、割れたり欠けたりの欠点豆もありません。
パッケージを開封すると感じられる「ブルーベリーのようなふんわりとした甘い香り」が印象的です。
焙煎度合い
コーヒー豆の種類
エチオピア コチャレ地区アリーチャで生産されたコーヒー豆
実際に飲んだ感想
中挽きにしたエチオピア イルガチェフェにお湯を静かに落としていくと、コーヒー粉がふわっとドーム状に膨らみ、こちらもコーヒー豆の鮮度が良いことが分かります。
ペーパードリップして飲むと、ブルーベリーやストロベリーのようなフルーティーな甘みと、マイルドな酸味が口に広がります。
コーヒーが喉を通った瞬間にフルーティーな風味が鼻から抜けていき、イチゴを思わせる甘い余韻が長く続きます。
エチオピア イルガチェフェは香りの良さに定評があるコーヒー豆ですが、甘味と酸味の絶妙なバランス具合も個人的には評価したい。
コーヒーが少し冷めてくると、今度は黒ぶどうのようなコクも感じられるようになります。
時間が経ってコーヒーが冷めても嫌な酸味が一切なく、むしろ甘みとコクが強調され、酸味のあるコーヒーが苦手な僕でもこれは素直においしいと感じました。
次はフレンチプレスで抽出して飲んでみます。
フレンチプレスで抽出して飲むと、オレンジのような甘く爽やかな味わいが感じられます。
もはやコーヒーを飲んでいるとは思えず、まさに紅茶のようなフルーティーな口当たり。
コーヒーが好きな人にとっては、好みが分かれる味わいとも言えますが、透明感のある甘く明るい酸味で飲みやすいです。
最後にネルドリップして飲んでみます。
ネルドリップして飲むと、オレンジの果汁を絞ったようなジューシーで甘い味わいが口に広がります。
苦味はほとんどなく、ほどよいコクと淀みのないクリアな甘み、キレの良い後味が何度も飲み進めたくなります。
まとめ
さて今回は、コーヒー豆通販レビュー|ロクメイコーヒーのお試し飲み比べセットの感想というテーマでした。
それぞれのコーヒー豆の特徴をまとめます。
ロクメイブレンド
ストロベリーのようなジューシーな甘味と酸味のバランスが絶妙。ひとくち飲んだ瞬間に「感動のおいしさ」を体験させてくれるコーヒー豆だと感じました。
サルサワブレンド
クリアな苦味と、かすかに感じられるオレンジのような酸味が特徴的。飲んだ瞬間に「上質なコーヒー」という印象を抱きます。
コーヒーが舌に乗った瞬間に、酸味の花が開くように、じんわりと感じられるフルーティーな味わいが飲んでいて面白いです。
エチオピア イルガチェフェ アリーチャ ナチュラル
ブルーベリーやストロベリーのような甘みと柔らかい酸味が感じられます。
コーヒーが喉を通った瞬間に鼻腔を抜ける感じられるフルーティーな風味と、イチゴを思わせる甘い余韻が秀逸。
コーヒーが冷めてくると、黒ぶどうのようなコクも感じられます。
総評
バランスの良い味わいのコーヒー、やや苦味がメインのコーヒー、フルーティーさが特徴的なコーヒーと、それぞれの個性が楽しめるセット内容です。
気分によって異なる味わいが楽しめるため、飽きがこない。
コーヒー豆3種類入って税込、送料込み2160円(100gあたり720円)なので、決してお手頃価格のコーヒーとは言えませんが、ワンランク上の上質な味わいのコーヒーを飲んでみたい、あるいはコーヒーギフトとして贈りたい方にもおすすめです。