酸味が特徴的なアフリカ産コーヒーの中において、ウガンダコーヒーは控えめな酸味でマイルドな風味が楽しめるコーヒーです。
ウガンダコーヒーの多くはロブスタ種ながら品質の良さに定評があり、エスプレッソに最適だとヨーロッパでは人気があります。
この記事ではウガンダコーヒーの産地や歴史、特徴に加えて、おすすめコーヒー豆も紹介します。
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ウガンダ産コーヒーの特徴
ウガンダ産コーヒーはチョコレート、ナッツ、ベリー系の風味
「アフリカンムーン ドンキー」「ブルーナイル」などの銘柄が有名なウガンダ産コーヒーは、全体的にチョコレートやナッツ系の風味のものが多い傾向にあります。
同じアフリカの「エチオピア」「キリマンジャロ」などはオレンジの風味が特徴ですが、ウガンダのコーヒー豆は熟したベリーのようなフルーティーさがほのかに感じられます。
また、ロブスタ種の銘柄「ウガンダ ロブスタ カウェリエステート ナチュラル」などは、深煎りにするとチョコレートの風味が現れ、浅煎り〜中煎りにすると青リンゴのジューシーさが現れます。
ロブスタというと一般的には麦のような香味であまり美味しくないと言われますが、ウガンダのロブスタは本場イタリアでも評価されているように、日本のロブスタよりも品質が高いことが大きな特徴となっています。
ウガンダ産コーヒーの精製方法
ウガンダ産コーヒーの精製方法は、水を使った「ウォッシュド」と、水を使わない「ナチュラルドライ」の両方で行われています。
精製とは、コーヒーチェリーから豆を取り出す工程のことです。精製には水を使った「ウォッシュド」と水を使わない「ナチュラルドライ」がありますが、ナチュラルドライはチェリーの風味が豆に移りやすく、フレーバーの強いコーヒー豆になりやすい特徴があります。
そもそもウガンダの小規模農家は、コーヒー生産のために必要なインフラがなく、基本的にはただ地面にコーヒーチェリーを並べて天日で乾かすという、ナチュラル製法が主流でした。
しかし、これではコーヒーチェリーがしっかり乾燥できず腐ってしまうことから、品質の悪いコーヒー豆しかできませんでした。
そこで、「アフリカンベッド」と呼ばれる写真の台を設置することで腐敗リスクを減らし、ナチュラル製法の品質を上げることに成功しています。
コーヒーの産地ウガンダとは
アフリカ大陸の東アフリカ高原に位置するウガンダ共和国は、赤道直下に位置し、日本の本州とほぼ同じ大きさです。
標高が平均して1200mと高く、夏は比較的過ごしやすいものの、東アフリカで一番降雨量が多いという特徴があります。
ウガンダのジャングルの中には、野生のロブスタ種が自生しており、ロブスタ種発祥の地と考えられています。
実際にウガンダのコーヒー豆の輸出量は、約8割以上がロブスタ種です。
ケニアやタンザニア、ルワンダなどアフリカでもコーヒーの名産地として知られる国々に囲まれていますが、ウガンダの高品質なロブスタ種も世界的に需要が高まっています。
ウガンダにおけるコーヒー栽培の歴史
ウガンダにおけるコーヒー栽培は、100年以上の長い歴史があります。
ウガンダには元々野生のロブスタ種が自生していましたが、このコーヒーを発見したのはイギリスの探検家スピークで、ナイル川の源流を探していた際に発見したと言われています。
そして、アラビカ種が1900年にマラウイとエチオピアから導入された頃には、ロブスタ種のコーヒーはすでに小規模農家によって栽培されていました。
1920年代ごろは、ウガンダコーヒーは輸出品目のわずか1%程度のものでしたが、徐々に生産量は増え、1940年代に協同組合が組織されるとコーヒーの栽培が普及し、それまで輸出品として主力だった綿花の栽培を超えるようになりました。
やがて、コーヒーの品質への意識が高まり、コーヒー産業機構やコーヒーマーケティング機構の設立、そしてロブスタ種の栽培推進を目的とする機関が農業省に設立されました。
その結果、ウガンダ産コーヒーは1970年代には世界の生産量の4%を占めるほどになりましたが、1987年に国際コーヒー協定が締結されると、取引価格が半分以下となる大暴落が起こり、生産量は大幅に減少せざるを得なくなりました。
一時は生産量が回復してきたものの、1962年に独立をすると今度は軍事クーデターなどが度重なり、政情不安からウガンダの経済の衰退とともに、コーヒー生産も後退していきました。
しかし現在は、政府機関であるUCDA(Uganda Coffee Development Authority:コーヒー開発局)によって、販売や品質、価格管理などが行われ、エチオピアに次ぐ2番目に多い輸出量となっています。
ウガンダ産コーヒー豆の生産状況
ウガンダ産コーヒー豆の生産状況は、2019年で254,088トンの生産量で、世界第9位です。
ウガンダ産コーヒーは350万世帯以上の、基本的に2ヘクタール未満の小規模農家によって、手作業による有機栽培が行われています。
関連→【最新】世界のコーヒー豆生産量ランキング(2023年1月発表)
ウガンダ産コーヒー豆の等級・グレード
ウガンダ産コーヒーは、コーヒー豆の大きさと欠点豆の割合で決定されます。
最高グレードのコーヒー豆が「AA」で、次が「A」になります。
また、「ブギス」というエリアで生産されたコーヒー豆で、品質の高いものは「Bugisu AA」、これに次ぐのが「Bugisu A」となります。
他にも、精製方法がウォッシュドのコーヒー豆ならWugar(ウガール)、ナチュラルドライで精製されたコーヒー豆はDrugar(ドゥルガール)と格付けされます。
そして、ウガンダ産コーヒーで最高ランクであるQグレードの格付け評価されるのが、ブギス地区でとれる「ブルーナイル」です。苦みや酸味が少なく、クセのない味わいで、ブルーマウンテンにも引けを取らないと高い評価を受けています。
ウガンダ産コーヒーの品種・種類
ウガンダでは主にロブスタ種が栽培され多く輸出されていますが、アラビカ種も栽培され、その品質の良さに注目が集まっています。
アラビカ種
ウガンダで栽培されているアラビカ種はティピカやSL 14、SL 28、ケントで、大粒でやや細長い形をしています。
柔らかい酸味とそこそこボディもあるコーヒーが楽しめます。
多くはロブスタ種が栽培されていますが、ウガンダのブギシュや西ナイル川周辺を中心に、高品質なアラビカ種が無農薬・無化学肥料で栽培されています。
関連→アラビカ種とは?有名な16種類の品種の特徴を解説|味や香りが分かる
ロブスタ種
一般的にロブスタ種は低地で栽培されますが、ウガンダのロブスタ種は標高1000m~1500mと高地で生産されています。
そのため、他国のロブスタ種よりも豆が固くて酸味が強く、軽いボディと甘みがあることから、エスプレッソに最適なコーヒー豆として人気があります。
関連→ロブスタ種とは?アラビカ種との違いと見分け方をバリスタが解説
ウガンダのおすすめコーヒー豆3選
Amazonや楽天で気軽に購入できるウガンダ産のコーヒー豆を3つ紹介します。
odeオーガニックコーヒー シングルオリジン ウガンダ
1,710円 200g
odeはAmazonでオーガニックコーヒーを扱う専門店です。
有機JAS認証を取得し、「Sipi Falls」という場所で栽培されたウガンダコーヒー豆は、ほどよい酸味とビターチョコレートのようなコクのある味わいが特徴です。
Amazonでも「味に深みがある」と高評価のコメントがあり、コスパの良さも評価されています。
BLACK CAT MAPLE ウガンダ ロブスタ カウェリエステート ナチュラル
2,020円 400g
ウガンダなどの自家焙煎コーヒー豆を販売する「BLACK CAT MAPLE」は、焙煎したばかりの新鮮なコーヒー豆を届けてくれる大阪の専門店です。
本品は、ヨーロッパなどで品質の高さが評価されている「ロブスタ種」になります。ロブスタならではの力強いコクとチョコレートのような苦味があり、酸味は少ないです。
本品を手がける「カウェリ農園」は、ウガンダで唯一の大規模コーヒー農園です。ここで生産されるナチュラルプロセスのロブスタコーヒーは、エスプレッソにすると美味しいので、全自動エスプレッソマシンをお使いの方におすすめです。
ウガンダ アフリカンムーン ルウェンゾリ ナチュラル
1,350円 160g
「ウガンダ アフリカンムーン ルウェンゾリ ナチュラル」は、全体的な味のバランスがよく、とくに甘味、コクが強く感じられます。
香りはややマンデリンを思わせるアーシーさ(ハーブっぽい、土っぽい)があり、独特のフレーバーですが好きな人はどハマりする香味です。
焙煎度合いも浅煎り〜中深煎りまで選べます。酸味が苦手なら中深煎りがおすすめです。