黄色い身を持つブルボン種「アマレロ」はイエローブルボンとも呼ばれます。ブルボン種の特徴のなめらかでまろやかなコクに加えて、その独特の甘みが魅力的な品種です。
世界中に愛飲家の多いコーヒーのひとつで、希少なコーヒー品種でもあります。
今回はファンの多い「アマレロ」の特徴や味わいなどアマレロの情報とおすすめのコーヒー豆も紹介します。
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イエローブルボンと呼ばれるコーヒーの品種「アマレロ」の特徴
アマレロとは
アマレロはブルボン種の変異種で、コーヒーの実が黄色い「イエローブルボン」です。
コーヒー豆は3つの種類に分類されます。アラビカ種、カネフォラ種、リベリカ種の3大原種です。
この品種の中にはさらに細かく種類があり、アラビカ種は200種類以上もの品種があります。
アラビカ種の原種に最も近い品種にティピカ種があり、ティピカが変異したブルボン種があります。
この2つの品種は突然変異や品種改良を繰り返し、現在、世界中で栽培されているコーヒーの原種になっています。
アマレロはそのブルボン種が変異してできた品種です。
通常のブルボン種は熟すとコーヒーチェリーが赤く色づきます。
しかし、このアマレロは南国の鳥のように鮮やかに黄色く色づく品種で、通常のレッドブルボンよりも熟成が早く、甘さが際立つ品種です。
ちなみに「アマレロ」とは黄色という意味のポルトガル語です。
ベリーのような果実感と、ナッツの香ばしさが特徴
アマレロ種のコーヒーの最大の特徴は芳醇な甘さです。
ブラジルコーヒーの特徴であるナッツのような香ばしさに、ナチュラルやパルプドナチュラルと言われる精製方法の特徴にみられる、華やかなベリーやワインのような果実感があります。
そして、ブルボン種の特徴である「なめらかで、まろやかなコクとチョコレートのような舌触り」が感じられます。
これらの特徴が上手く混ざり合い、アマレロ種は素晴らしい味のコーヒーになります。
アマレロに適した焙煎度合いは?
アマレロには「シティロースト」がおすすめです。
浅煎りのライトローストから深煎りのイタリアンローストまで、焙煎は8段階に分かれています。
そのうち上から5番目の「シティーロースト」は深煎りの最初の段階で、酸味が柔らかくなり、コクと苦味が出てくる中深煎りの焙煎度合いです。
シティローストは酸味とコクのバランスが良く、日本人好みでとても飲みやすいローストです。
アマレロの特徴である精製方法による「華やかなベリーやワインの果実感」や、ブルボン特有の「なめらかでまろやかなコク」そしてアマレロの「芳醇な甘さ」、これらの特徴をしっかりと出せる焙煎度合いが中深煎りのシティローストです。
しかし、焙煎度合いは好みもあるので、 フルーティーなコーヒーが好みな方は中煎りのハイロースト、なめらかなコクを楽しみたい方は深煎りのフルシティローストがおすすめです。
あまり浅煎り過ぎたり深煎り過ぎたりするとアマレロの良さが損なわれてしまうので、「ハイロースト」「シティロースト」「フルシティロースト」が良いでしょう。
アマレロの基本情報
アマレロの精製方法
アマレロの精製方法はほとんどが「ナチュラル」もしくは「パルプドナチュラル」です。
ナチュラルとは収穫した果実を洗浄し、果実を残してそのまま乾燥させる精製方法です。
充分に乾燥させた後、中の生豆を取り出します。この精製方法では果実が生豆のまわりで発酵するので、果実の甘さが存分に残ったコーヒー豆が出来上がります。
華やかなベリーやワインのような果実味を感じられるコーヒー豆になります。
もうひとつの精製方法、パルプドナチュラルとはハニープロセスとも呼ばれている精製方法です。
精製される前のコーヒー豆の周りはミューシレージと呼ばれる粘着質の甘い膜が覆っています。
パルプドナチュラルはこのミューシレージを残して乾燥させる方法です。乾燥させる過程でこの甘い膜が発酵するため、こちらもコーヒー豆に独特の甘さが残ります。
しかし、ミューシレージが残っている度合いにもよりますが、果実は除去されているため、ナチュラルよりはスッキリした味わいになります。
アマレロは特有の甘さを引き出すために「ナチュラル」もしくは「パルプドナチュラル」で精製されています。
アマレロの栽培環境
アマレロの主な生産地は中南米のブラジルとコロンビアです。特にブラジルのミナスジェライス州での栽培が盛んです。
標高1000m以上の高地で、朝晩の寒暖差によりゆっくり成長したアマレロは、果実が凝縮されて、元々持っている特有の甘さがさらに増します。
ブラジルやコロンビアの高地は良質なアマレロを栽培するうえで、環境や天候がとても理想的です。
アマレロの栽培の歴史
アマレロは通常のブルボン種(レッドブルボン)と黄色い身をつけるティピカ種(アマレロ・デ・ボッカツ)の交配種です。
アマレロ・デ・ボッカツは黄色い実を持つティピカ種です。1870年代にサンパウロ州ボツカツ地方で見つかりました。
このティピカ種と通常のレッドブルボンとの自然な交配でアマレロは誕生しました。
ブルボン種やティピカ種は病気に弱い品種です。収穫量も多くない品種なのでその特徴を引き継いでいるアマレロも最初は広まりませんでした。
しかし、スペシャルティコーヒーが広まった影響で、今やアマレロはブラジルコーヒーの主力商品になりました。
アマレロのおすすめコーヒー豆3選
1.【UTZ認証スペシャルティ】ブラジル ブルボンアマレロ アルコイリス農園
価格 | 1,240円 |
内容量 | 200g |
100gあたり | 620円 |
1杯あたり | 62円 |
豆の産地 | ブラジル アルコイリス農園 |
精製方法 | 乾燥式(ナチュラル) |
豆の品種 | ブルボン |
焙煎度合い | ミディアムロースト |
200g1,240円と分量も値段も手軽にアマレロを試したい方におすすめのコーヒー豆です。ナチュラル特有の甘みとコクのある豊かな味わいが感じられます。
焙煎度合いはミディアムローストとなっていますが、穏やかな酸味と軽い苦み、しっかりしたコクと香りが感じられるコーヒーです。
こちらの農園はUTZ認証をうけています。UTZ認証とは労働基準を守り、丁寧に管理、栽培されたものをそれに見合う適正の価格で購入します。持続可能な環境を維持するための国際基準認証です。
2.ブラジル アマレロブルボン カーニバル
価格 | 1,263円 |
内容量 | 200g |
100gあたり | 632円 |
1杯あたり | 63円 |
豆の産地 | ブラジルサンパウロ州 カショエイラ・ダ・グラマ農園 |
精製方法 | ナチュラル |
豆の品種 | ブルボン |
焙煎度合い | 浅煎り |
中深煎り程度がおすすめのアマレロですが、こちらは浅煎りで焙煎されたアマレロ。オレンジのような柑橘、洋梨、りんご、白葡萄など爽やかなフルーツジュースの様な味わいです。
通常のナチュラルの精製方法は1週間かけて天日干しされますが、こちらの農園では2〜3週間日陰でゆっくり乾燥させます。陰干しにすることで甘さやコクが通常のナチュラル製法よりも強くなります。
香りは申し分ないですが、焙煎が軽いため酸味がとても強く、甘みとコクは控えめです。アマレロ特有の甘みとまろやかなコクを求めている方には物足りなかもしれません。同じ店舗から深煎りのアマレロも購入できます。
3.ブラジルアマレロ(ボンジャルディン農園)
価格 | 2,422円 |
内容量 | 200g |
100gあたり | 1211円 |
1杯あたり | 121円 |
豆の産地 | ブラジル ボンジャルディン農園 |
精製方法 | ナチュラル |
豆の品種 | ブルボン |
焙煎度合い | 深煎り(フルシティ) |
老舗珈琲店「土居珈琲」が焙煎した名門コーヒー農園のアマレロです。少し値段が高めにも思えますが、それだけの価値はあります。同店ではコーヒー豆を注文後に焙煎し、2日ほどで届きます。
精製方法はアマレロの甘さを引き出せるナチュラル。焙煎はフルシティローストで芳醇な香りと柔らかでまろやかなコクを楽しめます。冷めても際立つ甘さが特徴。酸味が抑えられているので舌触りがなめらかに感じます。
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