本記事では、ベトナムコーヒーの入れ方、練乳やインスタントを使った飲み方を紹介します。
ベトナムコーヒーの入れ方は、専用のドリッパー「カフェ・フィン」を使う方法が一般的ですが、ペーパーフィルター用のドリッパーでも代用できます。
今回は、ベトナムコーヒーの入れ方を器具別で紹介し、練乳や牛乳、ヨーグルトなどを使ったベトナムコーヒーの飲み方も動画付きで紹介します。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
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ベトナムコーヒーとは
ベトナムコーヒーとは、苦味の強いロブスタ種のコーヒーと練乳(コンデンスミルク)を合わせた濃厚なコーヒーです。
実は、ベトナムはブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー生産国です。
世界に流通するロブスタ種の約4割はベトナムで生産され、ホーチミンのカフェなどでもロブスタ種100%のコーヒーが提供されます。
そんなベトナムコーヒーは苦味が非常に強く、ブラックだと飲みにくいので練乳を入れて飲むようになりました。
ちなみに現地のカフェでは、コーヒーを注文する前に、水の代わりに蓮茶が提供されます。
ベトナムコーヒーはかなり濃いので、ベトナム人はコーヒーが少なくなってくると、蓮茶をコーヒーに入れてかさを増やすことがあります。
ベトナムの伝統的なお茶文化と、フランスのコーヒー文化の融合を感じ取ることができますね。
ベトナムコーヒーの特徴
一般的なコーヒーとベトナムコーヒーには大きな違いが2つあります。
- 苦味が強い「ロブスタ種」のコーヒー豆を使う
- 「カフェ・フィン」というベトナムコーヒー専用ドリッパーを使う
1つずつ順番に解説します。
1.ロブスタ種のコーヒー豆を使う
一般的なコーヒーを抽出する際は「アラビカ種」という豆を使います。
ベトナムコーヒーを入れる場合、国内で栽培される「ロブスタ種」というコーヒー豆を使うのが特徴です。
ロブスタ種のコーヒー豆は苦味が強いため、ベトナムでは練乳を入れて飲んだり、氷を入れてアイスコーヒーにするのが一般的です。
2.カフェフィンという専用ドリッパーを使う
ベトナムコーヒーを入れる際には、「カフェ・フィン」という専用ドリッパー(フィルター)を使います。
この器具は、一般的なドリッパーと比較して穴が小さいため、コーヒー液が落ちるのに時間がかかります。
お湯とコーヒーが接触する時間が長いため、通常のコーヒーより味が濃厚になるのが特徴です。
カフェ・フィンはカルディなどでも買えますが、「KIM HANG ベトナムコーヒードリッパー(1,050円)」が使いやすいです。
ベトナムコーヒーを入れるためのドリッパーですが、通常のステンレスフィルター(ドリッパー)として使うこともできます。
ベトナムコーヒーの入れ方
ベトナムコーヒーを入れる時は、専用のコーヒードリッパー「カフェ・フィン」を使うと、本場のコーヒーの味を再現しやすいです。
今回は、カフェフィンを持っていない方のことも考えて、普通のコーヒードリッパーで代用する方法も紹介します。
ペーパーフィルターで入れることもできますが、本場ベトナムのコーヒーを再現するなら金属製のコーヒードリッパーがおすすめです。
E-PRANCE コーヒードリッパーでもベトナムコーヒーを入れることが可能
(メッシュ素材のコーヒーフィルターや、フレンチプレスで代用することもできます。)
ペーパーフィルターで入れる場合、紙がコーヒーオイルを吸収するため、本場のベトナムコーヒーよりあっさりした味になります。
また、カフェフィンと違って、ペーパーフィルターだと微粉が混じらないので、すっきりした口当たりになります。
ここから、ベトナムコーヒーの入れ方と練乳を使った方法、アイスのベトナムコーヒーの作り方などを紹介します。
用意するもの
用意するもの
- 中挽き、または細挽きにしたロブスタ種のコーヒー(20g)
- 練乳(コンデンスミルク)、はちみつ、砂糖など
- お湯(温度は95~100℃。量は80~90ml)
- 普通のコーヒードリッパー or カフェ・フィン
- 細口のドリップポット
(お湯を細く少しずつ注げれば急須などでも代用できます)
ロブスタ種のコーヒーは「KUKU ベトナムブレンド250g」が安いのでコスパが良いです。
練乳は筑波乳業のコンデンスミルクが雪印、森永よりも美味しいと評判で人気です。
味に関しては好みがありますが、チューブタイプでコスパが良いので個人的に好きな練乳です。
カフェフィンを使ったベトナムコーヒーの入れ方
まずは、カフェフィンを使ったベトナムコーヒーの入れ方を紹介します。
【カフェフィン】ベトナムコーヒーの入れ方
- 温めたカップ(またはグラス)に練乳を入れる
- カフェフィンの中蓋を外す
- 中挽きにしたコーヒー粉を入れる
- コーヒー粉を平らにする
- 中蓋を締めてコーヒーを上から抑える。
- お湯30mlを全体に回すように注ぎ、上蓋をして蒸らす。
※蒸らし時間は注ぐ時間を含めて2~3分。 - お湯50~60mlを注ぎ、上蓋をしてコーヒーが落ちきるまで5分ほど待つ。
- スプーンで練乳とコーヒーを混ぜ合わせて完成
ベトナムコーヒーの入れ方は、以下の動画も参考になります。
ペーパーフィルター用のドリッパーで代用する入れ方
ペーパーフィルターで代用する入れ方
- 温めたカップ(またはグラス)に練乳を入れる
- 一番細挽きにしたコーヒー粉をペーパーフィルターに入れる
- なるべく熱いお湯30mlをゆっくり注いで蒸らす。
※蒸らし時間は、お湯を注ぐ時間を含めて2~3分。 - お湯50~60mlをできるだけ細くゆっくり注ぐ。抽出量は50ml。
※抽出時間は5分前後 - スプーンで練乳とコーヒーを混ぜ合わせて完成
ペーパーフィルターでベトナムコーヒーを美味しく入れるコツは以下の3つ。
- コーヒー粉をできるだけ細挽きにする
- 熱いお湯を使う
- 時間をかけて抽出する
コーヒー粉を細挽きにして、沸騰直後の熱いお湯で抽出すると、コーヒーの苦味成分が溶けやすくなり、ベトナムのカフェで飲むコーヒーに近い味わいになります。
もし、お湯を細く注ぐのが難しくても、コーヒー粉を細挽きにすることで、お湯がコーヒーサーバーに落ちるのに時間がかかります。
結果的に、ゆっくり抽出することになるので、ベトナムらしい濃い目のコーヒーに仕上がります。
フィルターが粗いカフェ・フィンで入れたコーヒーと比較して、ペーパーフィルターは微粉が混ざらないので、口当たりがザラザラせず飲みやすいです。
フレンチプレスで代用する入れ方
【フレンチプレス】ベトナムコーヒーの入れ方
- 温めたカップ(またはグラス)に練乳を入れる
- 中挽きにしたコーヒー粉をフレンチプレスに入れる
- お湯30mlを全体に回すように注ぎ、上蓋をして蒸らす。
※蒸らし時間は注ぐ時間を含めて2~3分。 - お湯50~60mlを注ぎ、上蓋をして5分ほど待つ。
- コーヒーをカップに移す
- スプーンで練乳とコーヒーを混ぜ合わせて完成
先述の通り、ベトナムコーヒーは植民地時代にフランスから伝わったもの。
カフェ・フィンは、フレンチプレスを簡略化したコーヒー器具なので、仕上がりの味に違いはほとんどありません。
カフェ・フィンと同じく、フレンチプレスもペーパーフィルターを使わないので、コーヒーの油分(コーヒーオイル)がそのまま抽出され、コッテリしたコーヒーになります。
なお、フィルターの目が細かいbodum(ボダム)を使うと、微粉が少なくなり、口当たりの滑らかな美味しいコーヒーになります。
ベトナムコーヒーをインスタントで作る方法
インスタントコーヒーを使った作り方
- カップにチュングエンG7を入れる
- お湯70ml〜120mlを注ぐ
- 完成
ベトナムコーヒーを入れるのには時間がかかりますが、インスタントならお湯だけで簡単に入れることができます。
Amazonで買えるベトナムコーヒー「チュングエンG7」が美味しいと、口コミや評価が良いです。
チュングエンはベトナムに2000店舗以上のカフェを展開していて、本場のコーヒーの味わいを忠実に再現しています。
アイスのベトナムコーヒーを作る方法
冷たいベトナムコーヒーを入れる際は、氷を入れたグラスに直接コーヒーをドリップします。
砂糖や練乳を入れる場合は、ドリップしたコーヒーに溶かして、氷をふちまで入れたグラスに注げばOKです。
練乳とコーヒーを2層にしたい場合は、グラスに練乳を入れておいて、その上に氷、コーヒー液の順番で注ぐと2層に分かれて綺麗です。
ベトナムコーヒーで作るアイスカフェオレも美味しい
ベトナムコーヒーは牛乳との相性も抜群です。
コーヒーと牛乳の配分は、1:2を目安に好みで調整してください。
牛乳は練乳のように甘くないので、砂糖や蜂蜜で甘みを加えるのがおすすめです。
砂糖で甘くしても良いですが「ハチミツ」を入れると、コクが強くなって本場のコーヒーの味わいに近くなります。
ベトナムコーヒーを使ったヨーグルトコーヒーもおすすめ
ヨーグルトとコーヒーは意外な組み合わせですが、練乳がつなぎ役となって、爽やかなデザートに変身します。
このコーヒーの飲み方は、ベトナムの首都ハノイで始まり、今は全土に広がっています。
用意するもの
- ベトナムコーヒー40ml
- 無糖ヨーグルト(100g)
- 練乳(40g)
- 砂糖 or はちみつ(入れなくても可)
- 氷(グラスの半分ほど)
ヨーグルトコーヒーの作り方
- ヨーグルトに練乳と砂糖を入れ、ダマがなくなるまでかき混ぜる
- ヨーグルトをカップに入れる
- 氷を入れて抽出したコーヒーを注ぐ
- 完成
飲むときはヨーグルトとコーヒーをかき混ぜながら飲みましょう。
ミキサーなどで氷を細かく砕くと、ヨーグルトと絡んで一層おいしくなります。
ベトナムコーヒーの飲み方
ベトナムコーヒーは、小さなグラスに練乳の白とコーヒーの黒の二層が分かれています。
トロっとした液体は一度に飲もうとすると、むせかえるほど濃厚なので、飲むときによくかき混ぜましょう。
濃厚なので、少しずつ時間をかけて楽しむのがベトナムコーヒーの飲み方です。
ベトナムコーヒーの飲み方の由来
ベトナムで生産されるコーヒーの90%以上は、日本で缶コーヒーなどに使われる「ロブスタ種」という豆です。
先ほどもお伝えしたように、ロブスタ種は強い苦味と渋みがありますが、ミルクを加えることで飲みやすくなります。
しかし、牛乳はベトナム国内でほとんど生産されていなかった上に、暑い気候では腐りやすく輸入も困難でした。
そこで保存のきく「練乳」で代用することになったのが、ベトナムコーヒーの飲み方の由来です。
関連→ロブスタ種とは?アラビカ種との違いと見分け方をバリスタが解説
ベトナムコーヒーを楽しもう!
ベトナムコーヒーは、苦味の強いロブスタ種のコーヒー豆を使った、練乳と合わせる濃厚なコーヒーです。
「カフェ・フィン」という専用のドリッパーを使うのが特徴ですが、ペーパーフィルターを使った普通のドリッパーでも代用可能です。
なお、ベトナム産のロブスタコーヒーはカルディなどのお店に売っていないので、Amazonで買える「KUKUベトナムブレンド」がおすすめです。
ベトナムコーヒーをインスタントで作る場合は「ベトナムG7コーヒー 3in1 」がおすすめです。