本記事では、微粉がコーヒーに与える影響と微粉を効率的に除去できる「おすすめのセパレーター」を3つ紹介します。
結論から言うと、微粉はコーヒーの味にかなりの影響を及ぼします。
「微粉があるからコーヒーの味は複雑になる」という考え方もありますが、やはり微粉はないほうが後味がすっきりして舌に蓄積されるような「雑味」がなくなり確実に飲みやすくなります。
どんなに良いミルでも微粉は必ず発生する
微粉はコーヒー豆をミルやグラインダーで挽いた際に発生します。
嚙み砕いて説明すると、おせんべいを砕いた際、大きな破片と一緒に出てくる粉が微粉です。
コーヒー豆を挽く作業は、コーヒーを抽出するためには必要な作業であり、微粉は必ず発生します。
微粉の量は使用するミルやグラインダーの性能で大きく変わりますが、高性能なミルを使用した場合でも微粉は必ず発生します。
みるっこは発生した微粉が落ちないよう本体に付着する構造
筆者が使っている「みるっこ」も1回でこれだけの微粉が発生します。
カップには落ちない構造になっていますが、それでもふるいにかけると挽いた粉の3〜5%は微粉が出ます。
微粉による味への影響
挽いたコーヒー粉の表面積と微粉の表面積は異なります。
それらが異なることで、雑味などを含む成分の溶け出し方も変わってきます。
狙い通りの挽き方でうまく抽出できた場合でも、微粉から本来抽出されない成分を抽出してしまう可能性が高く、結果として思い通りの味にならない場合があります。
コーヒーの微粉を取る3つの理由
1.雑味のもと
微粉が大量に混じった状態でコーヒーを抽出すると、刺さるような苦味と渋み、エグみを含んだコーヒーになります。
微粉の粒子は細かく、コーヒー粉の粒子と比較すると、微粉の方が表面積は大きいです。
表面積が大きくなると必要以上に成分を抽出してしまうため、結果としてコーヒーを飲み進めると舌に雑味が蓄積されます。
微粉による雑味もコーヒーの風味や深みの一部なので取り除く必要はないという人もいます。
しかし、後味の爽やかさや飲みやすさを重視する方は微粉を除去することをおすすめします。
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2.舌触りに影響する
微粉がコーヒーに与える影響は味だけでなく、ステンレスフィルターで抽出した際の舌触りにも影響を与えます。
ステンレスフィルターの多くは目が粗く、粒子が細かい微粉を簡単に通してしまいます。
そのため、抽出したコーヒーの中に微粉が混ざった状態となります。
微粉が混ざったコーヒーを飲むと、口の中に粉っぽさを感じ、ざらつきのある口あたりとなります。
このことから、ステンレスフィルターを用いてコーヒーを淹れる際は、極力微粉を取り除いた方が飲みやすいです。
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3.フィルターが目詰まりしやすくなる
フィルターの目詰まりはペーパーフィルター、ステンレスフィルター問わず抽出時に発生します。
目詰まりの主な原因は、微粉がフィルター内に詰まってしまうことが挙げられます。
微粉がフィルター内に詰まってしまうとお湯の落ちる速度が低下して「過抽出」という状態になります。
コーヒーの抽出に時間をかけすぎると、ティーバッグを浸しすぎた時のように渋みとエグみが強くなります。
実際にどれくらい微粉が取れる?
コーヒー粉の中には、どのくらいの微粉が含まれているのか?
中粗挽きにした20gのコーヒーを微粉セパレーターに投入し、蓋をして30秒間ふるいにかけます。
微粉を出してみると約1gあったため、20gのコーヒー粉に対して5%の微粉が含まれていることが分かりました。
実際に微粉を取り除いたコーヒーと、取り除いていないコーヒーを飲み比べますが、同じコーヒー粉で抽出したとは思えない仕上がりです。
微粉を除去したコーヒーは雑味がなくスッキリした味わいで、口に残る嫌味が一切ありません。
今回は、微粉セパレーターを用いて30秒間ほどシェイクしましたが、シェイクする時間を長くすればもっとクリアな味になります。
逆に、シェイクする時間が短ければ、ほどよく微粉が混じった味わいを楽しむことができます。
コーヒー微粉取りセパレーターおすすめ3選
サザコーヒーパウダーコントロールストッカーメッシュ3種付き
3,380円
茨城発のコーヒーチェーン「サザコーヒー」が開発した微粉セパレーターです。
本体のサイズ感がやや大きく、中に溜まった微粉を取り出すのが少々苦戦する構造なのですが、3種類のメッシュが付属していて好みの味に仕上げやすいのが特徴です。
ほどよく微粉を混じらせたいなど、味づくりを楽しめるメリットがあります。
サイズ | 16.7 x 16.6 x 10.7 cm |
素材 | アルミニウム(本体)とステンレス(メッシュ) |
ステンレスコーヒーふるい 粉ふり缶
1,524円
本品はリーズナブルですが、コーヒー粉を入れる投入口がやや小さめの構造です。
気をつけていれば大丈夫ですが、ぼーっとした状態で粉を入れるとこぼしてしまう可能性があり、そこだけは注意が必要です。
それを除けば、細かい微粉をしっかり取り除いてくれるため、雑味が少なくおいしいコーヒーになります。
値段的にも買い求めやすいので、個人的に一番おすすめです。
サイズ | 12.1 x 7.7 x 7.5 cm |
素材 | ステンレス鋼 |
Largesoyコーヒーふるい ステンレス 粉ふり缶 粉ふるい
1,484円
微粉がほどよく残るタイプのセパレーターで、すっきりしながらも深みのあるコーヒーになります。
こちらもリーズナブルなので、最初の1台におすすめのセパレーターです。
サイズ | 底径7cm 高さ10cm ふるい直径5.5cm 高さ8cm |
素材 | ステンレス鋼 |
コーヒー微粉取りセパレーターおすすめ一覧表
商品名 | 商品画像 | 値段 購入先 |
サザコーヒー パウダーコントロール ストッカー メッシュ3種付き |
3,380円 Amazon |
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ステンレスコーヒー ふるい粉ふり缶 |
1,524円 Amazon |
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Largesoyコーヒーふるい ステンレス粉ふり缶 粉ふるい |
1,484円 Amazon |
コーヒーの微粉と同じくらい味を左右すること
お湯の温度もコーヒーの味に影響する
お湯の温度をコントロールすることで苦味と酸味のバランスを調節できます。
湯温が高いと苦み成分が溶けやすく、酸味成分は温度に関係なく溶けます。
つまり、お湯の温度が低いと苦味が少なく、酸味が強調された味になりやすいです。
粉の挽き目もコーヒーの味に影響する
コーヒーの味は、粉の挽き目が粗いほど酸味が増し、挽き目が細かいほど苦みが増します。
ミルクを入れて飲む場合やアイスコーヒーを作る場合は、ミルクに負けない苦味があった方が美味しいため、細かめに挽くことをおすすめします。
後味を爽やかにしたい場合は、ちょっと粗めに挽くことをおすすめします。
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抽出時間もコーヒーの味に影響する
コーヒーを抽出する際は、まず酸味成分が先に溶け出して、その次に苦み成分が溶け出します。
このことから、短時間で抽出すると酸味が強調され、時間をかけてゆっくり抽出すると苦みが強調されます。
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