カフェインレスコーヒーの効果とメリットを解説【管理栄養士監修】

これまでカフェインレスコーヒーは、妊娠中や授乳中の女性、子どもなど、コーヒーが飲めない人が我慢するための代替品というイメージがありましたが、健康な大人でも「あえてカフェインレスを選ぶ」ことが一般的になりつつあります。

カフェインレスコーヒーの需要が高まっている理由は、カフェイン以外の健康効果があるためです。
この記事では、注目が高まっているカフェインレスコーヒーの具体的な効果やメリットについて解説します。

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カフェインレスコーヒーとは？

カフェインレスコーヒーとは、カフェインの少ないコーヒーのことです。
「レス（less）」は「より少ない」という意味なので、完全なノンカフェインではありませんが、全日本コーヒー公正取引協議会の定義によると、日本で販売されているカフェインレスコーヒーは必ず90％以上のカフェインが除去されています。

カフェインだけを除去しているので、そのほかのコーヒーの健康成分はそのまま残されているのが特徴です。

コーヒーには、眠気覚ましや集中力を高める効果のあるカフェインしか含まれていないと思われがちですが、その他にもさまざまな効能があります。カフェインレスコーヒーは、その味や香りを楽しむためだけのものではなく、カフェインの過剰摂取を避けつつ健康成分の恩恵を受けることができるコーヒーなのです。

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カフェインレスコーヒーの効果・メリット

では、具体的にカフェインレスコーヒーにはどのような効果があるのでしょうか。
主な効果やメリットは以下の4つです。

アンチエイジング・美肌効果

浅煎りのコーヒーに含まれるポリフェノール「クロロゲン酸」には、シミ・シワ・たるみを防ぐ抗酸化作用があるといわれています。
また、抗酸化作用だけでなく、カフェインの刺激を受けず良質な睡眠をとることができるため、肌のターンオーバーが促進され、美肌効果を期待することもできます。

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健康寿命を延ばす

深煎りのコーヒーには、ビタミンB3のひとつ「ニコチン酸」が豊富に含まれており、健康寿命を延ばす効果に期待されています。

ニコチン酸は加齢による筋力の低下などで運動機能が衰え、寝たきりになるリスクが高い「ロコモティブシンドローム（運動器症候群）」、身体機能や認知機能が低下する「フレイル（要介護一歩手前の虚弱状態）」のリスクを軽減する効果に期待できるといわれています。*1

ダイエット

コーヒーのダイエット効果のうち、脂肪燃焼効果や基礎代謝アップはカフェインによるものですが、クロロゲン酸には脂肪の吸収を抑える効果があるといわれています。朝や日中にはカフェイン入りのコーヒーを、夕食後や就寝前には浅煎りのカフェインレスコーヒーを飲むことをおすすめします。

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リラックス効果

コーヒー豆を焙煎するとメイラード反応が起こり、コーヒー独特の香りと色（褐色色素）が生まれます。
リラックスしているときに多く出現する脳波「α波（アルファ波）」が、コーヒーの香りによって増加するという研究結果も報告されており、コーヒーの優れた効果のひとつと言えます。

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カフェインレスコーヒーのデメリット

カフェインレスコーヒーのデメリットとしては、以下の2つが挙げられます。

カフェインのメリットが受けられない

カフェインレスコーヒーからはカフェインが除去されているため、その効能を享受することはできません。
カフェインの覚醒効果、疲労感の軽減といった効果や、脂肪燃焼、基礎代謝の向上といったダイエット効果を期待するのであれば、カフェインの入ったコーヒーを飲むようにしてください。

カフェインの影響を受けたくない時間帯や過剰摂取を避けるためにカフェインレスコーヒーを活用するのがおすすめです。

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値段が高い・取扱店舗が少ない

カフェインレスコーヒーは、カフェインを取り除く工程にコストがかかりコーヒー豆自体の価格が高くなります。
そのため、提供される値段も高くなり、スターバックスなどのコーヒーチェーン店でも追加料金がかかります。

また、カフェインレスコーヒーを置いていない店舗もあるので、妊娠中の女性や健康上の理由でカフェインを避けている人は、カフェインレスコーヒーがあるかどうかを事前に確認した方がよいでしょう。

カフェインレスコーヒーに含まれる「クロロゲン酸」の効果・メリット

次に、カフェインレスコーヒーのメリットのうち、メディアでもよく取り上げられている「クロロゲン酸」について詳しく説明します。

クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、別名「コーヒーポリフェノール」とも呼ばれます。
ポリフェノールは植物が作り出す抗酸化物質で、赤ワインにアントシアニン、レスベラトロール、タンニンなどのポリフェノールが含まれているように、コーヒーにも多種多様なポリフェノールが含まれています。
なかでも、浅煎りのコーヒー豆に含まれるクロロゲン酸には、多くの優れた効能があるとして注目を集めています。

糖尿病や肝疾患のリスクを抑える

クロロゲン酸は、生活習慣病や肝疾患の発症リスクを低下させるといわれています。
脂肪肝は進行するとメタボリックシンドロームや動脈硬化を引き起こし、2型糖尿病などの生活習慣病になりやすくなりますが、クロロゲン酸は肝臓に蓄積された中性脂肪を燃焼させ、脂肪肝を予防する効果に期待されています。*2

血液をサラサラにする

クロロゲン酸は、体内に入ると肝臓で代謝され、半分以上がフェルラ酸に変化します。
血液がドロドロになると血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞など突然死を引き起こすと言われていますが、フェルラ酸は血小板が血管内で固まるのを防ぎ、血液をサラサラにするといわれています。*3

抗酸化作用によるがん予防の効果

前述したように、クロロゲン酸には抗酸化作用があり、肌のシミ・シワ・たるみを防ぐとされています。
抗酸化作用とは、活性酸素によって体が酸化されるのを抑制する作用のことです。
過剰な活性酸素は、がんや動脈硬化、老化の促進などのリスクを高めることから、抗酸化作用は美容だけでなく、がんや動脈硬化の予防にもつながるのではないでしょうか。

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カフェインレスコーヒーに含まれる「クロロゲン酸」のデメリット

メリットの多いクロロゲン酸ですが、摂取方法には注意が必要です。

深煎りのコーヒーには含まれていない

クロロゲン酸は、焙煎する前のコーヒー（生豆）に豊富に含まれており、熱に弱いという性質があります。
中煎りのコーヒーにはごく少量が残る程度で、深煎りのコーヒーにはほとんど残っていません。*4

クロロゲン酸の効果を期待するのであれば、浅煎りのカフェインレスコーヒーを選ぶのがおすすめです。

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過剰に摂取するとミネラルの吸収を阻害する

クロロゲン酸は、鉄分や亜鉛などのミネラルの吸収を阻害するといわれているため、貧血の人がコーヒーを飲み過ぎると鉄分不足に陥りやすくなる可能性があります。
安全性について明確な研究結果は出ておらず、1日あたりの摂取量についての厳密な基準はありませんが、カフェインレスコーヒーであっても過剰な摂取は避けるよう心がけることが必要です。

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カフェインレスコーヒーを選ぶポイント

クロロゲン酸は熱に弱いため浅煎りのコーヒー豆に多く含まれます。一方で、深く焙煎すると健康寿命を延ばす効果に期待できそうなニコチン酸が多く生成されます。
焙煎度合いによって、カフェイン以外のさまざまな成分が期待できるのがカフェインレスコーヒーの魅力でもあります。

ただし、コーヒーは「薬ではない」と認識することも大切です。
カフェイン摂取量をコントロールをしながら、楽しみつつ健康効果を期待できるものとしてカフェインレスコーヒーを日常に取り入れてみてください。

実際に飲んで美味しかったおすすめのカフェインレスコーヒー

どのカフェインレスコーヒーを選べばいいか迷っている方に役立つレーダーチャートを作成しました。
毎日続けられるカフェインレスコーヒーを見つけることが、健康習慣の第一歩となります。

実際に飲んだカフェインレスコーヒーの香り、コク、酸味などの特徴に加え、コスパなどもわかりやすく表示していますので、レビューと合わせて参考にしてみてください。

ポストコーヒー デカフェ チルブレンド

1,480円 225g（75g×3種）

ポストコーヒーは、デカフェにスペシャルティコーヒーを使っているため、濃厚な甘みとコク、非常に強い香りが特徴です。毎月3種類のデカフェ豆を届けてくれる定期便（サブスク）サービスです。無料のコーヒー診断によって、自分にマッチした豆が届くのがこのサービスの特徴です。

このお店のデカフェはほぼ全部飲みましたが、正直「デカフェ」と言われなければ気づかないくらい美味しくて、香りがとにかく強いです。「デカフェ チルブレンド」は、柑橘系フルーツのような香りが特徴で、チョコレートのようなコクと甘みがあります。本当に「普通に美味しい中煎りコーヒー」という印象で、従来のデカフェに満足できなかった人でも「これは美味しい」と感じると思います。

クーポンを使えば初回500円割引で試せる

コーヒー診断の最後に「デカフェのみ」を選べばOK

100gあたり	658円
焙煎度合い	中煎り
豆の産地	コロンビア、メキシコ
カフェイン残留率	0.1%以下
カフェイン除去方法	マウンテンウォータープロセス

公式サイトでクーポンを使う

辻本珈琲 カフェインレス ドリップコーヒー デカフェ コロンビア

4,989円 1kg（200g×5袋）

「コロンビアマイルド」と呼ばれる高品質のコーヒー豆だけを使ったデカフェで、ミルクチョコレートのような甘みと苦みが感じられます。その美味しさから、楽天では300件以上の高評価レビューがされています。100gあたり500円とデカフェの中でもお手頃なので、コスパ重視の方におすすめです。

100gあたり	499円
鮮度	★★★☆☆
豆の産地	コロンビア
焙煎度合い	深煎り
カフェイン残留率	0.1%以下
カフェイン除去方法	マウンテンウォータープロセス

スターバックス ディカフェハウスブレンド

1,940円 280g（140×2袋）

美味しさに定評があるスタバのデカフェは、ナッツやカカオのような香りが特徴です。また、お店で飲むコーヒーと同じようなスモーキーな香りが感じられて、カフェイン入りのハウスブレンドと変わらない美味しさが楽しめます。お値段もデカフェの中では比較的リーズナブルなので、コスパ重視の方にもおすすめです。

100gあたり	693円
鮮度	★★☆☆☆
豆の産地	コスタリカ
焙煎度合い	深煎り
カフェイン残留率	0.1%以下
カフェイン除去方法	二酸化炭素除去法

イリー（illy）デカフェ

1,246円 250g

イタリアのプレミアムコーヒーブランド「イリー」のデカフェです。カフェイン含有率は0.1%未満です。実際に飲むと、ナッツやカカオのような香りがあり、ミディアムボディのワインを思わせるコクがあります。苦味が中心の味わいで、酸味は少ないので、どなたにも飲みやすいコーヒーです。味の方向性はスタバのデカフェに似ていますが、本品はよりさっぱりした苦味で、スモーキーさを感じません。

100gあたり	498円
鮮度	★★★☆☆
豆の産地	ブラジル・エチオピア 他
焙煎度合い	深煎り
カフェイン残留率	0.1%以下
カフェイン除去方法	超臨界二酸化炭素抽出法

カフェインレスコーヒーの効果とメリットまとめ

カフェインレスコーヒーは、カフェインの過剰摂取を避けて味と香りを楽しむためだけのものではなく、さまざまな健康効果を得ることができるコーヒーです。
需要が高まっているのは、カフェインレスでもアンチエイジングや生活習慣病を予防する効果が期待できることが世間に浸透してきたためです。
カフェインの影響を受けたくない時間帯や、カフェイン摂取量が気になった際は、ぜひ積極的にカフェインレスコーヒーを取り入れてみてください。

参考文献

*1 日本経済新聞｜コーヒー習慣は健康寿命の援軍　注目成分のニコチン酸（2023年8月12日閲覧）
*2 わかさ生活｜わかさの秘密　クロロゲン酸（2023年8月12日閲覧）
*3 日本経済新聞｜「からだに悪いコーヒー」が「飲むべきくすり」に（2023年8月12日閲覧）
*4 医薬経済ONLINE｜市販焙煎豆にクロロゲン酸なんか入ってません！（2023年8月12日閲覧）

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