本記事では、実際に飲んだ深煎りコーヒーおすすめ9商品をランキング形式で紹介します。今回は、有名なショップの深煎りコーヒー豆や、Amazonや楽天で人気の深煎りコーヒー豆を中心に紹介します。実際には20種類以上を飲みましたが、全部紹介するとかなり長くなるので、今回は上位8商品だけに絞り込んでいます。
*スタバなどランキング外のコーヒー豆は「本当に美味しいコーヒー豆おすすめランキング」にまとめています。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
深煎りコーヒーの特徴
深煎りコーヒーは、「コクのある味わい」「コーヒー独特の苦味」を感じられることに加え、「酸味が少ない」ことも大きな特徴です。カフェオレを飲む時や、アイスコーヒーにも深煎りのコーヒー豆を使うのが一般的なので、いろんな飲み方で楽しめるのが深煎りコーヒーの魅力と言えます。
【1】コクが深い・ミルクと相性が良い
コーヒーの味わいの要素のひとつに「コク」があります。コクの正体は「グルタミルバリルグリシン」という成分で、この成分自体は無味ですが、熱を加えることで糖分や油分と結びつき、味わいに深みを感じさせる「コク」に変わります。調味料の「味の素」を使うと、料理にコクが加わって「うま味」を感じますが、この旨味の正体が「グルタミルバリルグリシン*」であり、味の素はこの成分を工業化した商品です。
カフェオレにする場合は、コーヒーコクが強いとミルクに負けない味になりやすく、ミルク感とコーヒーのバランスが良くなります。
*味の素株式会社 コク味物質「グルタミルバリルグリシン」の技術開発
【2】酸味が少ない
その豆が生産された産地にもよりますが、基本的にコーヒーの酸味は焙煎を進めるにつれて減少し、「中深煎り」と呼ばれるシティローストあたりから酸味よりも苦味が強くなる傾向にあります。苦味と酸味のバランスが良いコーヒーが好きな人は、シティローストのコーヒー豆から試してみても良いでしょう。
なるべく酸味が少ないコーヒーが良いなら、「フルシティロースト」と記載されたコーヒー豆がおすすめです。これより上の焙煎度合い「フレンチロースト」「イタリアンロースト」などでは酸味がほとんどなく、苦味がかなり強く、スモーキーさが強くなります。そのため、カフェオレやアイスコーヒーなどに適しています。
【3】スイーツと相性が良い
深煎りコーヒーの香ばしい苦味は、甘い食べ物をより一層引き立ててくれます。ケーキやビスケットなどの焼き菓子を始め、チョコレートやクリームとも相性が良く、双方をよりおいしく味わうことができます。
甘いものが好きな人にとっても深煎りはおすすめの焙煎度合いと言えます。
深煎りコーヒー2つの選び方
1.豆の産地で選ぶ
コーヒー豆の産地は「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道付近に集中しています。大きく分けると中南米、アフリカ、アジアに分けられ、産地ごとに味の特徴があります。
【中南米】 グァテマラ コスタリカ エルサルバドル ブラジル コロンビア ホンジュラス ニカラグア |
・香り、甘み、コクのバランスがいい ・突出した味がない ・飲みやすい |
【アフリカ】 エチオピア(モカ、イルガチェフェ) ケニア タンザニア(キリマンジャロ) ルワンダ |
・フルーティーな香りがある ・ほんのりと酸味を感じる(アフリカのコーヒー豆は元々酸味が強いため深煎りでも多少残る) |
【アジア・オセアニア】 インドネシア(マンデリン、トラジャ) |
・コクが強い ・ハーブのような香り |
飲みやすさを重視するなら中南米のコーヒー豆が合っていて、カフェオレにする人はインドネシア(マンデリン)が合っています。フルーティさを楽しみたい人は、エチオピアなどアフリカ産の深煎りコーヒー豆がおすすめです。
4つの焙煎度合いから選ぶ
深煎りの焙煎度合いは以下の4種類から選べます。
シティロースト | ほどよい酸味、苦み、コクのバランスが良い |
フルシティロースト | 酸味が少なく、香ばしさ、苦み、コクが際立つ |
フレンチロースト | 苦みとコクが強く、酸味はほぼない。スモーキーさがある。 |
イタリアンロースト | 濃厚な苦みとコク。近年ではここまで深煎りにすることは少ない |
【マニアが選ぶ】深煎りコーヒーおすすめランキング8選
今回のランキングでは、コーヒーのおいしさに関わる甘味、コク、香りの強さの合計点数で順位をつけています。
順位 | 商品画像 |
商品名 | 味わい・香り ※タップで拡大 |
値段 内容量 100gあたり |
最安値 | 焙煎度合い 鮮度 香り+甘み+コクの合計 |
1位 | 土居珈琲 小さな焙煎おためしセット |
2,376円 200g 1,188円 |
公式 | フルシティロースト ★★★★★(最高評価:注文後焙煎) 14.4点 |
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2位 | コフィノワ グァテマラ |
1,150円 100g |
公式 | シティロースト ★★★★☆ 12.8点 |
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3位 | パロットコーヒー タナトラジャ |
1,396円 200g 698円 |
Amazon | フレンチロースト ★★★★★(注文後焙煎) 11.1点 |
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4位 | 東京コーヒー オーガニックブレンド |
2,770円 400g 693円 |
Amazon |
フルシティロースト ★★★☆☆ 10.5点 |
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5位 | 成城石井 マンデリンブレンド |
2,411円 500g 482円 |
Amazon | フルシティロースト ★★★☆☆ 10.2点 |
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6位 | カカシコーヒー キリマンジャロ |
990円 150g 660円 |
Amazon |
シティロースト ★★★★☆ 10.2点 |
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7位 | 南薫堂珈琲謹製 マンデリン |
1,380円 200g 690円 |
Amazon |
フレンチロースト ★★★★☆ 9.2点 |
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8位 | サザコーヒー 徳川将軍珈琲 |
1,800円 200g 900円 |
Amazon |
フレンチロースト ★★☆☆☆ 8.3点 |
1位.土居珈琲 小さな焙煎おためしセット
2,376円 200g(100g×2種)
第1位は、1971年創業の土居珈琲が手がける「小さな焙煎」おためしセットです。ずばり、本当に美味しい深煎りコーヒー豆を探している本格派の方に一番おすすめです。注文後に焙煎された新鮮なコーヒー豆はドリップ時から「甘い香り」が強く感じられ、本当にチョコレートのような味わいが広がります。国際品評会で3度にわたり優勝したグァテマラと、カップ・オブ・エクセレンス受賞農園が手がけるエルサルバドルのセットです。
「伝説の珈琲」として紹介される
レクサス会員誌で「伝説の珈琲」として紹介
高級自動車メーカーのLEXUS、ヤナセの会員誌にて「伝説の珈琲」として紹介され、その上質な味わいが高く評価されています。また、料理王国100選にも選ばれるなど、数々の賞を受賞しています。
優れた焙煎技術によって生まれる「甘み」
甘みの強さはコーヒー豆の品質に加え、焙煎も大きく影響します。もし、コーヒー豆を煎りすぎて甘みのピークを過ぎると、苦味やスモーキーさが強くなり、甘みは失われます。甘みのピークを見極めるうえで、同店が重要視しているのが、その豆をよく「見る」ことです。
焙煎の間におこる豆の変化をよく見ることで、そのコーヒー豆の甘みを生かすために、どのタイミングで仕上げるべきなのかを見極めます。近年はデータ(パソコン)を使って自動焙煎することも多いですが、土居珈琲では職人が昔ながらの方法で焙煎しているのも大きな特徴です。
これまで通販で1000種類以上のコーヒー豆を買っていますが、土居珈琲はトップレベルの美味しさだと感じました。
100gあたり | 1,188円 |
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | グァテマラ・エルサルバドル |
焙煎度合い | 深煎り |
2位.:コフィノワ グァテマラ
1,150円 100g
コフィノワは東京の蔵前にあるロースターで、Googleでは300件声の高評価を得ている人気店です。ここでは海外のテイスティング評価で87点以上を獲得したスペシャルティコーヒーだけを扱い、中でも本当に美味しいのが「グァテマラ エルインヘルト」です。実際に飲むと、赤ワインやビターチョコレート、ダージリン、オレンジなどの風味がはっきりと感じられます。値段は安くないですが、一口でこれだけ多彩なフレーバーを感じられる深煎りコーヒーはあまりないように感じました。(この店でしか味わえない特別感がある)深煎りらしいコク深さと、フルーティーなフレーバーも味わいたい人におすすめのコーヒー豆です。
鮮度 | ★★★★☆ |
豆の産地 | グァテマラ ウエウエテナンゴ県リベルタ地区 エル・インヘルト農園 |
焙煎度合い | 中深煎り(シティロースト) |
関連→蔵前カフェ「コフィノワ」おすすめコーヒー豆3選!本当に美味しいのはこれ
3位.パロットコーヒー タナトラジャ
1,396円 200g
パロットコーヒーはAmazonで人気の自家焙煎コーヒー専門店です。インドネシア産の「タナトラジャ」は、すっきりとした苦味とシナモンを思わせる「スパイス感」が特徴。どこか「野生味」を感じるフレーバーで、特に男性に好まれそうな味わいだと感じました。ブラックでも美味しいですし、カフェオレ用のコーヒー豆としてもおすすめです。値段は400gで購入した方が割安ですが、200gでも購入できます。
100gあたり | 698円 |
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | インドネシア |
焙煎度合い | 深煎り(フレンチロースト) |
4位.東京コーヒー オーガニックブレンド
2,770円 400g
東京コーヒーは、Amazonで1000件以上のレビューがあり、星4つ以上を獲得する超人気店です。ここでは、「何杯飲んでも気持ち悪くならないコーヒー」だけを厳選して取り扱いますが、そのほとんどが有機栽培された「オーガニックコーヒー」です。お店の一番人気の深煎りコーヒー「オーガニックブレンド」は、ハチミツのような甘みと深いコクが特徴です。ほどよく酸味もあるため、バランスの良い味わいが楽しめます。コーヒー豆は400gで購入した方がお得ですが、200gで購入することも可能です。
100gあたり | 693円 |
鮮度 | ★★★☆☆ |
豆の産地 | ペルー |
焙煎度合い | 深煎り(フルシティロースト) |
関連→東京コーヒーの豆「オーガニックブレンド」を飲んだ正直な感想
5位.成城石井マンデリンブレンド
2,411円 500g
成城石井のマンデリンブレンドは、Amazonで買える深煎りコーヒー豆の中ではコスパ最強レベルです。マンデリンといえば、ハーブや草、土、タバコのような香りが特徴と言われますが、そのような風味はほとんどありません。つまり、マンデリンらしさは無いのですが、ほんのりチョコレートのような味がして美味しいです。コーヒーが冷めても不味くならない(雑味をあまり感じない)ので、Amazonで買える300円台のコーヒー豆なら「これ一択」といっても過言ではありません。(澤井珈琲、加藤珈琲店と美味しさを比較しましたが、本品に軍配が上がります。)
100gあたり | 482円 |
鮮度 | ★★★☆☆ |
豆の産地 | インドネシア、コロンビア、他 |
焙煎度合い | 深煎り(フルシティロースト) |
6位.カカシコーヒー キリマンジャロ
990円 150g
カカシコーヒーは、Amazonで自家焙煎コーヒー豆を販売する人気ショップです。深煎り仕上げのキリマンジャロは、カカオのような苦味とはちみつのような甘みが感じられます。苦すぎることもなく、全体的にバランスが良いので、どなたにも飲みやすい深煎りコーヒー豆です。
100gあたり | 660円 |
鮮度 | ★★★★☆ |
豆の産地 | タンザニア |
焙煎度合い | 中深煎り(シティロースト) |
7位.南薫堂珈琲謹製マンデリン
1,380円 200g
南薫堂珈琲は、世田谷に実店舗があり、Amazonでもコーヒーを販売しているショップです。お店で一番人気のマンデリンは、重厚な苦味、チョコレートのような香り、クルミのような風味があります。テイストはスタバのコーヒー豆に似ていますが、本品のほうが甘みがあって飲みやすいと感じました。(ブラック、カフェオレどちらにしても美味しいです。)100g600円台なので、比較的コスパが良く、酸味がほとんどないので万人受けする深煎りコーヒー豆です。
100gあたり | 690円 |
鮮度 | ★★★★☆ |
豆の産地 | インドネシア |
焙煎度合い | 深煎り(フレンチロースト) |
8位.サザコーヒー徳川将軍珈琲
1,800円 200g
徳川将軍珈琲は、茨城のコーヒーチェーン「サザコーヒー」で一番人気がある深煎りコーヒー豆です。トラジャと同じインドネシア産のコーヒー豆と、華やかな「エチオピア」をブレンドしていて、重厚な苦味とほどよい酸味が特徴です。豆の鮮度はあまり高くないため、膨らみや香りは強くありません。また以前より大幅に値上げしたことでコスパも悪くなりました。
100gあたり | 900円 |
鮮度 | ★★☆☆☆ |
豆の産地 | インドネシア、エチオピア |
焙煎度合い | 深煎り(フレンチロースト) |
コクや苦味を生かす深煎りコーヒーの飲み方
深煎りコーヒーはエスプレッソマシン、ハンドドリップ、フレンチプレスなど様々な方法で淹れることができます。深煎りコーヒーは長い焙煎時間によって豆の細胞膜がもろくなっているため、コーヒーオイルが溶け出しやすいです。コーヒーオイルは甘みや香りのもとなので、フレンチプレスで抽出すると、ペーパードリップとは異なるコクと濃厚な味が楽しめます。
ハンドドリップなら金属製のフィルターや目の粗いペーパーフィルターで抽出すると、いつもとは違った甘みとコクを引き出せます。ここから、ハンドドリップで美味しい深煎りコーヒーを楽しむ方法を紹介します。
深煎りコーヒーの抽出に必要な道具
必須
- ペーパーフィルター
- ドリッパー
あったほうがいいもの
- スケール(コーヒー豆の量を測るため)
- ストップウォッチ(抽出時間を測るため。スマホで代用可)
- ミル(挽きたてのコーヒー豆で淹れるため)
飲む直前に豆を挽くと、より一層香ばしさが感じられます。ミルを持っておらず粉の状態で購入した方は、購入後に密閉容器に移し替えて空気に触れないように保存すると香ばしさを保つことができます。
-
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美味しい深煎りコーヒーを淹れるコツ(150ml抽出する場合)
- 白いフィルターを用意(紙の匂いがコーヒーに移らない)
- コーヒー豆(粉)15gを用意
- 30秒〜1分間、コーヒー粉を蒸らす(成分を抽出しやすくする)
- 75mlだけ抽出(コーヒーの旨味だけを取り出す)
- 残り75mlはお湯を注ぐ(濃いめのコーヒーをお湯で割る)
ドリップコーヒーで作る「アメリカーノ」のようなイメージです。
このレシピで淹れると、非常にクリアな深煎りコーヒーになり、雑味がなくなります。雑味がない分、豆本来の甘みが引き立ち、より一層美味しく感じます。