実際に飲んだフレンチプレス用のコーヒー豆おすすめランキング9選

フレンチプレスの特徴は、 抽出に技術を必要とせず、お湯を注ぐだけで誰でも手軽においしいコーヒーが楽しめることです。

お湯とフレンチプレスさえあれば、外出先やキャンプでもお気に入りのコーヒーを楽しめることも魅力です。

本記事では、1000種類以上の通販コーヒーを飲む筆者が、フレンチプレス（コーヒープレス）用のおすすめコーヒー豆をランキング形式で紹介します。

フレンチプレスで味わうコーヒーの魅力

豆本来の風味をもっとも味わえる抽出方法

僕はコーヒーの奥深さに触れ始めてから、わりとすぐにフレンチプレスの魅力に引き込まれました。

以前から、布で濾す「ネルドリップ」の持つ濃厚なコクを好んでいましたが、フレンチプレス特有のコーヒーオイルが持つ芳醇な味わいに格別の美味しさを感じたのです。

僕はコーヒー豆をレビューする際、一つの豆に対してペーパードリップ、ネルドリップ、フレンチプレス、エアロプレスなど3～4種類の器具を使い、それぞれの味を記録するのですが、特にスペシャルティコーヒーのレビューを行う際、フレンチプレスで抽出すると、その豆が持つ本来の繊細な風味が、ペーパードリップで淹れたときよりも格段に顕著に表れることがほとんどでした。

それからは、フレンチプレスこそが素材の個性をストレートに楽しむベストな方法だと感じています。

フレンチプレスは、コーヒー粉とお湯を直接接触させて浸漬し、金属フィルターで粉を濾す「浸漬式（しんししき）」の抽出器具です。この方式は、ペーパーフィルターのようにコーヒーオイルや微粉がほとんど吸着されないため、豆本来の豊かな油脂分（コーヒーオイル）や微細な成分をそのままカップに注ぎ込むことができます。そのため、スペシャルティコーヒーが持つ、複雑なフレーバーや甘さ、コクを余すところなく味わうのに適しているのです。

品質鑑定（カッピング）に近い味わい

コーヒー業界で豆の品質や風味を評価する際に行われるカッピング（テイスティング）は、フレンチプレスと原理的に近い浸漬抽出の方式を用います。

フレンチプレスで淹れると、カッピングに近いテクスチャー（質感）とダイレクトな風味を感じられるため、焙煎士が意図した豆の個性を、最も正確に味わうことができます。

安定した味わいを簡単に再現できる

フレンチプレスは、抽出時にお湯の注ぎ方やスピードといった技術的な要素がほとんど必要なく、「お湯の温度」「浸漬時間」「豆の挽き目」というシンプルな要素さえ守れば、誰でも安定して美味しいコーヒーを再現できます。

ですので、コーヒーを淹れることに慣れていない初心者の方でも、コーヒー豆が持つポテンシャルを最大限に引き出しやすいという点も大きなメリットと言えます。

これらの理由から、個人的にはスペシャルティコーヒーを飲む際には、コーヒー豆が持つ品質と風味を、最も手軽に楽しむためにフレンチプレスで抽出することをおすすめします。

フレンチプレスに適していないコーヒー豆もある

焙煎後の虫食い豆、カビ豆など

前述のとおり、フレンチプレスは良くも悪くも豆本来の味わいを余すことなく楽しむ抽出器具です。そのため、安価な豆や品質の低い豆を使うと、その欠点も隠さずに表に出てしまいます。

一概にはいえませんが、僕の経験上、100g400円以下のコーヒー豆には、古い豆が混ざっていたり、雑味の原因となる「欠点豆」が含まれていることがあります。ペーパーフィルターを使うドリップ式では、微粉や油分の一部がフィルターに吸着されるため、これらの雑味が多少緩和されますが、フレンチプレスではフィルターを通さずにすべての成分がカップに抽出されます。

そのため、フレンチプレスは高品質なスペシャルティコーヒーの豊かな風味を最大限に引き出す一方で、品質が優れない豆を使うと、「泥臭さ」「不快な渋み」といったネガティブな要素が強調されやすく、美味しく感じられない、という結果になりがちです。

ですので、フレンチプレスを最大限に活かすには、豆の品質が高いスペシャルティコーヒーを選ぶことをおすすめします。

フレンチプレス用コーヒー豆の選び方

フレンチプレス用のコーヒー豆は浅煎りから深煎りまで比較的自由に決めることができますが、それぞれで味に違いがあります。

焙煎度合いで選ぶ

フレンチプレスで飲む場合、高品質な深煎りコーヒー豆を使うと、チョコレートやキャラメルのようなコクのある甘みが強く出ます。（酸味は少ない）

同じく、高品質な浅煎り〜中煎りのコーヒー豆を使うと、オレンジやリンゴ、ストロベリーといったフルーティーな味わいが強く出ます。（酸味あり）

酸味が苦手な方は深煎りが適していて、爽やかさやフルーティーさを求める人には浅煎り〜中煎りの豆をおすすめします。

豆の挽き目は粗挽きが基本

▲細くてもこれくらいの挽き目がおすすめです

フレンチプレスには中挽き〜粗挽きの豆が適していますが、基本は粗挽きです。

コーヒーは豆の挽き具合によってコク、苦味の強さが変わります。

• 粗挽き：コクや苦味が少なく、さっぱりした飲み心地に
• 中挽き：コクや苦味が増して、コッテリとした味に

ただし、中挽きにすると微粉がフィルターを通ってコーヒーに混ざりがちなので、若干粉っぽくなりやすい側面があります。そのため、フレンチプレスでは粗挽きで飲まれるのが一般的なのです。

もし、中挽きにして味をしっかりさせつつ、微粉も取り除くなら「微粉セパレーター」を使うのがおすすめです。

一度に使うコーヒー豆の量

フレンチプレスのサイズは家庭用の場合だと350ml、もしくは500mlの2種類が一般的です。

味わいの好みもありますが、350mlの器具で抽出するなら24g〜35gの豆を使い、500mlなら30g〜41gの豆を使うことを目安にして、自分がおいしいと感じる豆の量を探すのがおすすめです。

参考までに、日本ではカップ1杯180mlのコーヒーを抽出するのに豆12g〜18gを使うのが一般的です。

フレンチプレス用のコーヒー豆おすすめランキング9選

このランキングでは、香り、コク、甘み、苦味、酸味をそれぞれ0.1〜5.0までの50段階でスコアリングしています。

その中でも、美味しさを決めるうえで重要な「香りの強さ」「甘みの強さ」「コクの深さ」の合計点数で順位を決定しています。（最高15点）

今回選んだお店のほとんどはフレンチプレス用に挽いてくれるので、ミルを持っていない人でも購入できます。

1位:土居珈琲「小さな焙煎」おためしセット

※鮮度がわかりやすいようにペーパードリップの写真を掲載しています

2,545円 200g

世界一の品評会で選ばれた2つのコーヒー豆

ずばり、本当に美味しい深煎りコーヒー豆を飲みたい本格派の方に一番おすすめのコーヒー豆セットです。

僕自身もこの店で20種類以上飲んでいますが、土居珈琲は日本国内でも屈指の美味しさだと思います。特に深煎りのレベルは非常に高く、チョコレート、キャラメル系の甘味がかなり強いです。

フレンチプレス用の粗挽きにも対応しているので、ミルがなくても大丈夫です。

土居珈琲は1971年創業の老舗ロースターで、「甘み」を引き出す焙煎を40年以上にわたって研究してきました。

現在は高級自動車メーカーの「LEXUS」や「ヤナセ」の会員誌にて「伝説の珈琲」として紹介され、上質なおいしさが高く評価されています。

レクサス会員誌で「伝説の珈琲」として紹介

公式ページに「チョコレートの甘さ」と書かれていますが、本当にチョコレートのような味がはっきりと感じられて、濃厚な甘みとコクが味わえます。

酸味が少なくて飲みやすく、スタンダードな味わいを好む方におすすめのコーヒー豆です。

また、この店ではコーヒー豆を注文後に焙煎するため、最高の鮮度で手元に届きます。そのため香りが非常に強く、フレンチプレスにお湯を注ぐ最中も、チョコレートのような甘みをともなう、香ばしいフレーバーが広がります。

ただ、値段はかなり高いので、世界で一番おいしいコーヒーを飲んでみたい、という人におすすめします。

100gあたり	1,273円
鮮度	★★★★★（注文後焙煎）
豆の産地	グァテマラ・エルサルバドル
焙煎度合い	深煎り

公式サイトで詳細を見る

関連→土居珈琲の初めてのセットを本音レビュー

2位.ポストコーヒー3種お試しBOX【初回限定500円OFF】

※豆の鮮度が分かりやすいドリップの写真を掲載しています。

1,480円 225g（75g×3種）

ポストコーヒーは、全国の専門店（提携している国内外のロースター）から、好みにマッチしたコーヒーが3つ届くのが特徴です。

僕自身、2年以上契約していて150種類以上のコーヒー豆を飲んでいますが、ハズレが一切ありません。

豆のまま届けてもらうこともでき、フレンチプレス用の挽き目にして届けてもらうことも可能です。

ずばり、好みの範囲内（苦すぎない、酸っぱくない）でフルーティーなコーヒーを飲みたい人に一番おすすめのサービスです。（会員数7万人超）

フルーティーなコーヒーというと、酸っぱくて飲みにくいものもありますが、この店には品質を管理する有資格者（コーヒーカッパー）を中心に複数人でカッピングを行い、顧客に提供できる味かどうかを確認しているため、酸っぱくて飲めないような豆は基本的にありません。

この店では、産地に直接訪れて品質をチェックし、厳格な基準を満たした豆だけを買い付けています。このような豆は「スペシャルティコーヒー」と呼ばれ、100g1000円以上で販売されることも多いですが、ポストコーヒーでは600円台と比較的リーズナブルに販売しています。

実際に飲んでみると、パッケージを開けた瞬間にフルーティーな甘い香りを強く感じられます。

クーポンを使えば500円割引になる

なお、ポストコーヒーでは初月だけお試しすることが可能で、解約はいつでも自由にできます。

100gあたり	初回：657円 2か月目以降：880円
鮮度	★★★★★（焙煎後7日以内）
豆の産地	グァテマラ、エチオピア、コスタリカ、パナマ エルサルバドル、ケニア、ルワンダ、ルワンダなど
焙煎度合い	浅煎り・中煎り・深煎りお好みで

公式サイトでクーポンを使う

関連→ポストコーヒーの正直なレビュー。口コミや評判どおり美味しい？

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3位:自家焙煎コーヒー専門店きゃろっと 初回お試しセット

2,138円 600g（200g×3種）

北海道恵庭市に本店を構える「きゃろっと」は、焙煎の日本大会で優勝する実績を持ち、トップクラスのスペシャルティコーヒーのみを厳選して買い付けているロースターです。

この商品はチョコレート系のやさしい甘味とコクがあり、酸味が少ないので「万人受けするタイプ」のコーヒー豆セットです。もちろんフレンチプレス用の粗挽きにも対応しています。

このセットには、グアテマラ国内でも品質が評価されている「グアテマラ クプラ農園」などが60杯分入っているにもかかわらず、値段は100g単価356円と、値上げ前のカルディ並みの値段で購入できます。

ほかにも、苦みと酸味のバランスが良いコスタリカ（中深煎り）や、日本でも人気の「マンデリン（深煎り）」などが含まれています。

セット内容
グアテマラ	味のバランスが良い
コスタリカ	はちみつのような甘み
マンデリン  ※特典として同梱される	チョコレートのような甘み カフェオレとも相性が良い

特典をあわせると計600gになり、100gあたりに換算すると356円なので、カルディのマイルドブレンドより安いです。

楽天やAmazonで有名な高コスパ商品と比較しても甘みの強さやコクの深さなど、すべての点で優れているコスパ最強のコーヒーです。

公式サイトで詳細を見る

関連→珈琲きゃろっと「お試しセット」本音レビュー

4位:丸山珈琲 丸山珈琲のブレンド

2,450円 200g

丸山珈琲は、長野県・軽井沢発のスペシャルティコーヒー専門店です。創業者は国際的なコーヒー品質審査の舞台に立つほどの鑑定眼を持ち、世界各地の農園を自ら訪ねて、品質の高い豆だけを買い付けています。店頭に並ぶ豆は、世界基準で評価された高品質なものばかりです。

丸山珈琲は創業時からフレンチプレスでの抽出を推奨していて、その主な理由は、彼らが買い付けるスペシャルティコーヒー本来の風味を最もピュアな形で引き出すことができるからだと言います。

そんな同店の「丸山珈琲ブレンド」は、1991年の創業当初から 人気の深煎りブレンドで、チョコレートのような風味を目指して作られています。使用される豆は時期により変わりますが、主にコロンビア、ブルンジ、ペルー産が中心です。

開封時には果実感のある香りが立ち、抽出するとカラメルのような甘い香りが広がります。口に含むと、苦味と酸味のバランスが良く、すっきりした苦味の中にしっかりとした甘みを感じます。後味にはやわらかな酸味が残り、深煎りながら重すぎず、何杯でも飲みたくなる仕上がりです。

100gあたり	1,225円
鮮度	★★★★☆
豆の産地	コロンビア、ブルンディ、他
焙煎度合い	深煎り（シティロースト）

5位:27 COFFEE ROASTERS ホンジュラスお試しセット

5,000円 480g（160×3種）

27 COFFEE ROASTERSは、中米ホンジュラスの豆だけを取り扱う神奈川のスペシャルティコーヒー専門店です。ホンジュラスのコーヒー農園とダイレクトトレードでつながり、コーヒー豆をコンテナ単位で輸入するなど、単なる仕入れ以上の関係を築いている日本でもかなり珍しいロースターです。

実際に飲むと、チョコレートやライチのような甘みが強く、これの代わりはない、といえる美味しさがあります。コーヒーが冷めるとチョコレートのような甘みと美味しさが強くなるので、ゆっくりと飲みたい1杯です。

なお、先ほど紹介した「ポストコーヒー」の提携ショップなので、あちらで試してから本品を購入しても良いかと思います。

100gあたり	1,042円
鮮度	★★★★★
豆の産地	ホンジュラス
焙煎度合い	中深煎り

6位.ロクメイコーヒー お試し飲み比べセット

2,980円 300g（100×3種）

ロクメイコーヒーは、焙煎の大会で優勝した奈良県のロースターです。

初めて購入する人に向けた「お試し飲み比べセット」には、フルーティーな浅煎りコーヒー豆などが3つ入っています。

1. ロクメイブレンド：ストロベリーの風味
2. エチオピア イルガチェフェ：ブルーベリー、ストロベリーの甘酸っぱさ
3. サルサワブレンド：マイルドな苦味、オレンジの味

気分に応じて味を変えることができますし、この美味しさで100g720円なのでかなりコスパが良いです。

100gあたり	993円
鮮度	★★★★☆
焙煎度合い	浅煎り、中浅煎り、中深煎り

公式サイトで詳細を見る

関連→ロクメイコーヒーの豆「お試し飲み比べセット」を飲んだ正直な感想を述べる

7位:森彦 No.2マイルドブレンド

1,836円 200g

森彦は、札幌で自家焙煎をするショップで、ネルドリップコーヒーを提供するなど、かなりこだわりが強いお店です。

独自にカスタマイズした直火焙煎機を使って豆を焼いていて、すっきりとした苦味と、深いコクが味わえます。

この「No.2マイルドブレンド」は、オレンジの香りのワインのような味が感じられて、フレンチプレスとの相性もかなり良いです。

商品名のとおり、味が全体的にマイルドなので、どなたにも飲みやすい優しいコーヒーです。

100gあたり	918円
鮮度	★★★★☆
豆の産地	タンザニア・エチオピア
焙煎度合い	中煎り

公式サイトで詳細を見る

8位.バレルエイジド ベトナムカウダット村農園

2,140円 150g

こちらは、ウィスキーの香りがするコーヒーとして、業界に衝撃が走った超新星コーヒー豆です。

スターバックスリザーブロースタリーで発売された際には、高額にも関わらず瞬く間に完売したことでも有名です。

このバレルエイジドコーヒーは、ウィスキーのオーク樽で熟成させるという特殊製法で風味づけしているため、非常に強いウィスキーの香味が感じられます。

数あるウイスキーコーヒーの中で一番おいしいと評価されるのも納得できるおいしさで、フレンチプレスとの相性も抜群です。

100gあたり	1,427円
鮮度	★★★★★（注文後焙煎）
豆の産地	ベトナム
焙煎度合い	中煎り

9位.自家焙煎コーヒーマウンテン エチオピア フレンチプレス用

820円 100g

Amazonで販売されているフレンチプレス用のコーヒー豆です。

エチオピアのコーヒーは、柑橘系のフルーツを思わせる爽やかなフレーバーが特徴ですが、本品はエチオピア特有の香りがあまり感じられませんでした。

また、ちょっと酸味をキツく感じるので、好みがはっきり分かれそうなコーヒー豆です。

人によっては酸っぱいと感じる可能性が高いので、この順位となりました。

鮮度	★★★★☆
豆の産地	エチオピア
焙煎度合い	浅煎り

フレンチプレスで美味しいコーヒーを淹れるコツ

フレンチプレスは簡単に美味しいコーヒーを淹れることができる抽出方法です。

お湯をコーヒーに注いで3～4分待つだけですが、より美味しく淹れるコツがあるので紹介します。

1:抽出時間は3分半～4分で

抽出時間の目安はお湯を注いでから4分がおすすめです。中挽きの場合は3分半が目安です。

2:抽出後はすぐに移す

コーヒーの抽出が完了したら、カップやサーバーに移しましょう。コーヒー粉を漬けたまま放置するとコーヒーの成分が溶け出しすぎて雑味が出ます。

すぐに飲まないコーヒーは別の容器に移し替えるのがおすすめです。

3:コーヒーは注ぎ切らない

コーヒーの微粉が入らないようにするために、カップに注ぐときはすべて注ぎきらないのがコツです。これだけで口当たりが良くなります。

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