コーヒー豆の福袋などを買うと、大量のコーヒー豆をどう保存するか?
結論からいうと、まとめ買いした大量のコーヒー豆はアルミバッグに入れて冷凍保存するのが一番おすすめです。
今回、検証で使ったアイテムはこちらですが、冷凍庫の匂いが豆に移ることが一切なく、焙煎直後とほぼ同じ鮮度をキープしていました。
1袋で250gまでのコーヒー豆がそのまま全部入ります。
10袋入って税込999円なので、1袋あたり99円。
ダイソーなどでコーヒー豆の保存容器を検討されている方にもおすすめできるコスパの良さ。
洗って繰り返し使うのには向きませんが、そもそも豆が劣化しにくいので内部が汚れず、1袋を何度も使い回せます。
コーヒー豆を買うお店によっては、すでにアルミバッグに入った状態で届くので、飲まない分はそのまま冷凍庫に保存しておいても良いです。
▲こういう袋に入ったコーヒー豆なら、飲まない分は袋のまま冷凍庫に入れてOK。
ジップロックのようにチャック(ジッパー)がついている袋なら取り扱いも楽ですし、鮮度もほぼ落ちません。
▲こういう袋に入ったコーヒー豆も、飲まない分は袋のまま冷凍庫に入れてOK。
袋の内側がアルミになっていて、直射日光や蛍光灯の光を通しません。
このタイプの袋なら冷凍庫の匂いもコーヒー豆に移らないです。
▲小さな穴がついている袋なら、中の空気を外に出せるので、コーヒー豆が空気に触れて酸化することを防げます。
ここから実際に、焙煎から1ヶ月経過したコーヒー豆をキャニスター(100均で買えるガラス製の保存容器)で保存したものと、アルミバックに移し替えて冷凍保存したものを飲み比べます。
また、ネットでよくみる「冷凍保存したコーヒー豆は常温に戻す?「解凍しなきゃダメ?」というテーマについても検証しました。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
焙煎後1ヶ月後のコーヒー豆の鮮度を比較
今回は、100均で購入したガラス製のキャニスター(常温保存)と、冒頭で紹介したジッパー付きのアルミバッグ(冷凍保存)で比較、検証を行います。
【比較、検証の条件など】
- どちらも焙煎してから1ヵ月経過したコーヒー豆
- どちらも焙煎後、容器は一切開封していない
- 冷凍庫の開け閉めは、ほぼ毎日行なっていた
- 冷凍したコーヒー豆は解凍せずに使う
まず、2つの豆の状態を見ていきましょう。
まずはキャニスターに移し替えて常温保存したコーヒー豆。所々、豆がテカテカしています。
コーヒー豆に含まれる油分(コーヒーオイルと呼ばれる)が表面に浮き出ています。
焙煎してから時間が経過した深煎りコーヒーによく見られる光景です。
こちらはアルミバックに移し替えて冷凍保存したコーヒー豆。
豆の表面がほとんどテカテカしておらず、コーヒーオイルが滲み出ていません。
コーヒー豆の見た目は焙煎直後とほぼ変わらないです。
驚いたのは、アルミバッグに移し替えて冷凍保存したコーヒー豆は、香りの強さが全然違うこと。
冷凍保存したコーヒー豆は、常温よりも香りが強い。
コーヒーらしい「香ばしさ」が強く感じられます。
今度は、2つのコーヒー豆をペーパードリップします。
この写真で既にお気づきかもしれませんが、蒸らしの段階で冷凍保存したコーヒー豆の方が大きく膨らんでいます。
こちらは冷凍保存したコーヒー豆。
蒸らすために少量のお湯を注ぐと、コーヒーの粉がモコモコと大きく膨らみます。
焙煎してから1ヵ月経過しているにもかかわらず、まるで焙煎直後にドリップしたような見た目です。
こちらは常温保存したコーヒー豆です。
焙煎直後にキャニスターに移し替えて、そのキャニスターを一切開封することなく直射日光の当たらない日陰で1ヵ月間保存しました。
保存状態は決して悪くないですが、冷凍保存したコーヒー豆と比較して、膨らみが小さいことがわかるかと思います。
冷凍保存したコーヒー豆をドリップします。
お湯を注いだ瞬間、コーヒーの粉が大きく膨らみます。
常温保存したコーヒー豆も、わずかに膨らみますが、冷凍保存したコーヒー豆と比較すると、ドームが小さいことが分かるかと思います。
冷凍・常温のコーヒー豆の味と香りを比較
最も気になるポイントは、コーヒーの味がどう違うか?だと思います。
どんなに鮮度が良く、豆が膨らんでも美味しくなければ意味がないです。
常温と冷凍、保存状態が異なる2つのコーヒーを同時に抽出して、飲み比べた感想をレビューします。
常温保存したコーヒー豆の味と香り
常温保存したコーヒーは、さっぱりした味わい。「フラットな味のコーヒー」という印象を受けます。
やや酸味が強いですが、飲めなくはないです。
常温保存したコーヒーを約23度まで温度を下げて飲んでみます。
特に酸味が目立つなどもなく、淹れたてと同じく「あっさりした味わい」です。
冷凍保存したコーヒー豆の味と香り
こちらもすっきりしたコーヒーという印象ですが、常温で保存したコーヒー豆と比較して、明らかにコクと甘みが強いです。
また、アルミバッグに入れたコーヒー豆は、香ばしい風味とエチオピア特有の柑橘系の香りが強く感じられます。
冷凍保存したコーヒーも、同じように約23度まで温度を下げて飲んでみます。
常温+キャニスター保存のコーヒー豆よりも、苦味、甘味、旨味などの輪郭がはっきりと感じられます。
つまり、コーヒーが冷めても、ちゃんと「おいしい」と感じます。
結論として、冷凍保存したコーヒーのほうが濃厚な美味しさと香りがあって美味しいです。
冷凍庫の匂いはコーヒー豆に移る?
結論から言うと、アルミバックに入れて保存すれば冷蔵庫の匂いは全く移りません。
以前、別の記事でコーヒー豆の保存方法による味や香りの違いを検証した際に ジップロックに入れて保存しましたが、冷凍庫の匂いがしっかりと移るのでお勧めしません。
ジップロックは匂いを通すため、冷凍庫内の匂いがコーヒー豆に移ります
コーヒー豆には優れた脱臭効果がありますが、これが仇となって、冷凍庫の中の臭いをコーヒー豆が吸ってしまうのです。
スターバックスの化粧室にも、脱臭剤としてコーヒー豆のカスが置いてあります
そのため、ジップロックに入れたコーヒー豆からは、別の食品の匂いや、冷凍庫そのものの臭いが豆に移ります。
これは、冷蔵庫に保存した場合も同じです。
別の検証記事で検証しましたが、ジップロックは確実に匂いを通します。
そのため、冷凍庫や冷蔵庫でのコーヒー豆保存には向きません。
そこまでやらないにしても、臭いを発する食品を入れないなどの配慮は必要です。
ですが、今回使用したアルミバッグは冷凍庫の中の香りが一切混じっておらず、純粋にコーヒーの香ばしい香りだけが感じられます。
これには感動しました。もっと早く出会いたかった。
結論として、大量にまとめ買いしたコーヒー豆はアルミバッグに入れて冷凍保存するのがベストです。
検証で使ったアルミバッグは最大250gのコーヒー豆が保存可能
今回の検証で使ったアルミバッグは、200gのコーヒー豆が一度に全部入ります。
スターバックスのコーヒー豆は1袋で250グラム入っていますが、これも全部入ります。
豆を上手に入れるコツは、最初に袋を広げて自立させてから入れると良いです。
250gを入れてジッパーを閉じると、ちょうどいい具合に袋がパンパンになります。
このまま袋を平べったくすれば、中の空気を外に排出するバルブが効果を発揮し、真空に近い状態になります。
こうすれば空気に触れる面積を極限まで小さくできるので、冷凍保存すれば鮮度がほぼ落ちません。
また、平べったくすれば冷凍庫を圧迫することもなく、コンパクトに収納できるので一石二鳥です。
▲空気を抜いて平べったくすると、省スペースで保管できる
外側は紙素材なので洗って繰り返し使うのには向きませんが、豆の鮮度が落ちにくいので、コーヒーオイルが内部に付着しないのもポイントです。
試しに、何度か繰り返してアルミバックを使いましたが、内部が汚れません。サラサラしています。
何度か使い回したアルミバッグ。深煎りコーヒー豆を入れても油でギトギトにならない
この保存容器は1袋で2〜3回は普通に使えるので、かなりコスパが良いです。
実際に購入した方の口コミ評判
自家焙煎したコーヒー豆の保存袋に最適!
ガス抜きバルブ付きの袋を探していたところ行き着いた商品です。
丈夫そうでしっかりとした作りです。コーヒー豆200グラムは十分に保存できそうです。自家焙煎したコーヒー豆を個人で保存するために使用します。
今まではジップロックを使っていましたが、しばらくすると油が浮いてきて再利用ができなくなってしましました。
コーヒー豆から出てくるガスが抜けるので繰り返しの利用ができそうです。
冷凍保存用
250g入ります。焙煎仕立ての豆なら冷凍で1ヶ月以上保存OK です。常温保存1週間よりも冷凍保存1ヶ月以上の方がいいというか、ほとんど鮮度がおちません。
水分が無いので解凍不要です。お試しください。
口を開けて内側から中を広げて自立させてから豆を入れましょう。でないと目いっぱい入りません。
素人には、ベストといえる保管方法
最近流行りの片手ナベ焙煎をしています。焙煎した100〜200gの豆の保管する入れ物を模索していました。
洒落たびん、缶などのケースは、どれも、焙煎直後の入れ物としては、不向きです。
空気が抜ける、一方向弁が必要。売っている豆の袋にも、あるでしょ。
あと、保存の条件として、光を通さない。などいろいろありますが、この袋は一通り全ての条件を満たしています。見た目も、見ようによっては、おしゃれだと思います。
自分で焙煎する方には、凄くおすすめです。
100gずつ小分けにして冷凍保存するなら、この小さい袋がおすすめ。
ここからはコーヒー豆の冷蔵、冷凍保存にまつわる「よくある 質問」「疑問」にお答えします。
冷蔵・冷凍保存したコーヒー豆、そのまま抽出して良い?
結論、そのまま使用してOKです。解凍は不要です。
コーヒー豆を冷凍保存するデメリットとして一般的に言われている事は、おもに次の2つです。
- 解凍した際に結露が発生し、コーヒー豆が湿気ってしまう
- 冷えたコーヒー豆を使うと、お湯の温度が適温より下がって、コーヒーの成分がうまく抽出されない
1に関しては、そもそも解凍しないので結露が発生しません。
2に関しても検証した結果、味に大きな違いはないです。
結論として、冷凍したコーヒー豆は解凍しなくて大丈夫です。
ただし、冷凍したコーヒー豆は常温で放置せず、すぐに使うことをおすすめします。
放置すると、温度差で結露し、コーヒー豆が劣化する可能性があります。
抽出に使う分だけコーヒー豆を取り出して、すぐに冷凍庫にしまえば豆の劣化を防げます。
冷凍したコーヒー豆と常温のコーヒー豆、温度差はどれくらい?
実際に、冷凍したコーヒー豆と常温のコーヒー豆、温度差はどれくらいか?
温度を測ってみました。
常温のコーヒー粉の温度は26度でした。
冷凍保存したコーヒー粉の温度は17度でした。
両者には9度の温度差がありますが、実際に飲み比べた結果、味に大きな違いを感じませんでした。
冷凍庫から出したコーヒー豆、そのまま常温で保管しても良い?
冷凍庫から取り出したコーヒー豆を、再度密閉して保存するのが面倒な方は、そのまま常温で保存すると劣化する可能性があります。
そのため、使い終わったら冷凍庫に保存するのがおすすめです。
冷凍したコーヒー豆の保存期間は?
冷凍保存したコーヒー豆をどれくらいの期間、美味しく飲めるのか?
検証したところ、焙煎後3ヶ月のコーヒー豆でも美味しく飲めることが分かりました。
アルミバッグ選びですが、僕が調べた限り、Amazonではこれが一番評判が良かったです。
実際に使ってみて大満足の一品です。
コーヒー豆の冷凍保存、乾燥剤を入れた方が良い?
冷凍庫では室温の1/20程度の水蒸気しか存在しないため、乾燥剤は入れなくて良いです。
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