パプアニューギニアのコーヒー豆の概要をまとめました。
産地 | オセアニア |
味わい・香り | チョコレート、オレンジなど |
コーヒー生産量 | 世界第22位(42,480トン) ※2021年のデータ |
栽培品種 | アラビカ種94%:ロブスタ種6% ティピカ、アルシャ、ブルボンなど |
精製方法 | ウォッシュド |
パプアニューギニアのコーヒーは、透明感のあるきれいな味わいが特徴です。
クセがなく後味は爽やかですが、甘みのあるコクが感じられ、ブルーマウンテンを彷彿とさせる味わいです。
ミルクを入れて飲むよりも、ブラックで飲むのに向いているミディアムボディのコーヒーです。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
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パプアニューギニアコーヒー豆の特徴
パプアニューギニアのコーヒー栽培は、もともとジャマイカのブルーマウンテンが持ち込まれたことからスタートしたため、非常によく似たクリアな美味しさが楽しめます。
酸味はそれほど多くないので、浅煎りから深煎りまでどんな焙煎度合いでも飲みやすいです。
近隣国のインドネシアコーヒーと比較して、パプアニューギニアのコーヒーは味が大きく異なります。
インドネシアのコーヒーはハーブのような香りとスパイシーさが特徴ですが、パプアニューギニアのコーヒーはクリアな味の中にチョコレートのような風味が感じられます。
通常よりも発酵させる時間が長い
パプアニューギニアでは、コーヒーチェリーを収穫した後、通常より1日多い4日間をかけて水洗発酵させます。
発酵が終わったら10日かけて天日乾燥し、ここで再び完熟豆を2度にわたって選別します。
時間と手間をかけて水洗処理しているため、クリアな味わいでもコクのある甘みがハッキリと感じられます。
パプアニューギニアのコーヒー農園
パプアニューギニアでは、おもに小規模農家がコーヒーを栽培し、完熟したコーヒー豆を手摘みで収穫しています。
有名なシグリやブヌンウーなど、生産体制がしっかり管理されている大規模農園のコーヒー豆は品質が高いですが、全体で見ると総生産のわずか5%しかありません。
ほとんどのコーヒー豆は、家族経営の小規模農園によって栽培されています。
コーヒーの味わいは栽培する農園によって変わってくるのが一般的ですが、パプアニューギニアのコーヒーは農園の規模に関わらず全体的に品質が高いと言われています。
パプアニューギニアのコーヒー品種
パプアニューギニアのコーヒー品種はほぼ全てアラビカで、世界中で人気の「ティピカ種」がおもに栽培されています。
ティピカ種のコーヒーはキレが良く、爽やかな酸味が特徴です。
コーヒー豆の等級(グレード)
パプアニューギニアのコーヒー豆は、おもにコーヒー豆の大きさと欠点豆の混入率で等級付けされます。
等級 | 豆の大きさ |
AA | 6.95ミリ以上(欠点豆がない) |
A | 6.75ミリ以上(欠点豆がない) |
B | 6.55ミリ以上(欠点数がない) |
AB | AとBの混合で、Aの混合率が50%以上 |
C | 5.95ミリ以上(欠点数が比較的少ない) |
PB | ピーベリーやそれに類する丸豆 |
E | 大粒で焙煎時にはじけて割れてしまうような豆 |
X | 欠点豆がないパーチメントコーヒー豆 |
Y | 1kg中で欠点豆70個以下のパーチメントコーヒー豆 |
パプアニューギニアコーヒーの栽培環境
パプアニューギニアは次のように、コーヒー栽培に最適な環境を有しています。
ミネラルと腐植を含んだ火山灰性の土壌でコーヒーを栽培 | コーヒーの脂質に影響を与えると考えられている |
平均気温が25℃前後 | 暑すぎず寒すぎない。コーヒー栽培に最適な気温。 |
標高1,500~2,000m付近で栽培 | 昼夜の寒暖差がある |
手摘みで収穫 | 糖度の高い完熟コーヒーだけを選別 |
雨季と乾季がある | コーヒーの成長期には雨が必要。収穫期には乾燥していることが望ましい |
シェードツリーを用いた栽培 | 直射日光による葉焼けを防ぐ。生育スピードを調整できる。シェードツリーが腐葉土となり栄養のあるコーヒーが栽培できる |
パプアニューギニアの栽培エリアは標高が高いため、「一日で一年の気候を繰り返す」といわれるほど寒暖差が大きいのが特徴です。
寒暖差がある高地で栽培されたコーヒーは、寒さから身を守るために水分を減らし、かわりに糖分を増やそうとします。
冬野菜が寒さで凍らないよう、細胞に糖を蓄積するため甘くなるのと同じ原理です。
コーヒー豆の生産量
パプアニューギニアコーヒーの生産量は42,480トンで世界第22位です。※2021年のデータ
生産年度 | 生産量(t) |
2021年 | 42,480 |
2020年 | 39,360 |
2019年 | 45,120 |
2018年 | 55,800 |
2017年 | 44,040 |
2016年 | 70,260 |
パプアニューギニアコーヒーの歴史
コーヒー栽培の歴史は、1930年代にヨーロッパの宣教師がコーヒーの苗木を持ち込んだのが始まりです。
このとき持ち込まれたのが、ジャマイカ産ブルーマウンテンの苗木でした。
また、量は少ないですがアルシャ種という品種のコーヒー豆もケニアから移植され、1950年代から本格的なコーヒー栽培が始まります。
1975年にオーストラリアから独立すると、世界で推進された大規模なコーヒー農園開発でなく、森での自然本来のコーヒー栽培が受け継がれていきます。
パプアニューギニアなど76種類のコーヒー豆を比較
次の記事では、実際に飲んだパプアニューギニアコーヒー豆など76種類のレビューをまとめています。
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