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コーヒーの豆知識

パプアニューギニアのコーヒー豆の特徴

2023年3月16日

パプアニューギニアのコーヒー豆の概要をまとめました。

産地 オセアニア
味わい・香り チョコレート、オレンジなど
コーヒー生産量 世界第22位(42,480トン)
※2021年のデータ
栽培品種 アラビカ種94%:ロブスタ種6%
ティピカ、アルシャ、ブルボンなど
精製方法 ウォッシュド

パプアニューギニアのコーヒーは、透明感のあるきれいな味わいが特徴です。

クセがなく後味は爽やかですが、甘みのあるコクが感じられ、ブルーマウンテンを彷彿とさせる味わいです。

ミルクを入れて飲むよりも、ブラックで飲むのに向いているミディアムボディのコーヒーです。

ブログ管理人:山口 誠一郎

コーヒーの専門家としてTV出演文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。

パプアニューギニアコーヒー豆の特徴

実際に飲んだ感想・レビュー

パプアニューギニアのコーヒー栽培は、もともとジャマイカのブルーマウンテンが持ち込まれたことからスタートしたため、非常によく似たクリアな美味しさが楽しめます。

酸味はそれほど多くないので、浅煎りから深煎りまでどんな焙煎度合いでも飲みやすいです。

近隣国のインドネシアコーヒーと比較して、パプアニューギニアのコーヒーは味が大きく異なります。

インドネシアのコーヒーはハーブのような香りとスパイシーさが特徴ですが、パプアニューギニアのコーヒーはクリアな味の中にチョコレートのような風味が感じられます。

通常よりも発酵させる時間が長い

パプアニューギニアでは、コーヒーチェリーを収穫した後、通常より1日多い4日間をかけて水洗発酵させます。

コーヒー専門家
発酵は、コーヒーのフルーティーな風味を形成する重要な役割を果たします。

発酵が終わったら10日かけて天日乾燥し、ここで再び完熟豆を2度にわたって選別します。

時間と手間をかけて水洗処理しているため、クリアな味わいでもコクのある甘みがハッキリと感じられます。

パプアニューギニアのコーヒー農園

土居珈琲 パプアニューギニア シグリ農園

パプアニューギニアでは、おもに小規模農家がコーヒーを栽培し、完熟したコーヒー豆を手摘みで収穫しています。

有名なシグリやブヌンウーなど、生産体制がしっかり管理されている大規模農園のコーヒー豆は品質が高いですが、全体で見ると総生産のわずか5%しかありません。

ほとんどのコーヒー豆は、家族経営の小規模農園によって栽培されています。

コーヒーの味わいは栽培する農園によって変わってくるのが一般的ですが、パプアニューギニアのコーヒーは農園の規模に関わらず全体的に品質が高いと言われています。

パプアニューギニアのコーヒー品種

パプアニューギニアのコーヒー豆の特徴

パプアニューギニアのコーヒー品種はほぼ全てアラビカで、世界中で人気の「ティピカ種」がおもに栽培されています。

ティピカ種のコーヒーはキレが良く、爽やかな酸味が特徴です。

コーヒー豆の等級(グレード)

パプアニューギニアのコーヒー豆は、おもにコーヒー豆の大きさと欠点豆の混入率で等級付けされます。

等級 豆の大きさ
AA 6.95ミリ以上(欠点豆がない)
A 6.75ミリ以上(欠点豆がない)
B 6.55ミリ以上(欠点数がない)
AB AとBの混合で、Aの混合率が50%以上
C 5.95ミリ以上(欠点数が比較的少ない)
PB ピーベリーやそれに類する丸豆
E 大粒で焙煎時にはじけて割れてしまうような豆
X 欠点豆がないパーチメントコーヒー豆
Y 1kg中で欠点豆70個以下のパーチメントコーヒー豆

パプアニューギニアコーヒーの栽培環境

パプアニューギニアは次のように、コーヒー栽培に最適な環境を有しています。

ミネラルと腐植を含んだ火山灰性の土壌でコーヒーを栽培 コーヒーの脂質に影響を与えると考えられている
平均気温が25℃前後 暑すぎず寒すぎない。コーヒー栽培に最適な気温。
標高1,500~2,000m付近で栽培 昼夜の寒暖差がある
手摘みで収穫 糖度の高い完熟コーヒーだけを選別
雨季と乾季がある コーヒーの成長期には雨が必要。収穫期には乾燥していることが望ましい
シェードツリーを用いた栽培 直射日光による葉焼けを防ぐ。生育スピードを調整できる。シェードツリーが腐葉土となり栄養のあるコーヒーが栽培できる

パプアニューギニアの栽培エリアは標高が高いため、「一日で一年の気候を繰り返す」といわれるほど寒暖差が大きいのが特徴です。

寒暖差がある高地で栽培されたコーヒーは、寒さから身を守るために水分を減らし、かわりに糖分を増やそうとします。

冬野菜が寒さで凍らないよう、細胞に糖を蓄積するため甘くなるのと同じ原理です。

コーヒー豆の生産量

パプアニューギニアコーヒーの生産量は42,480トンで世界第22位です。※2021年のデータ

生産年度 生産量(t)
2021年 42,480
2020年 39,360
2019年 45,120
2018年 55,800
2017年 44,040
2016年 70,260

出典:国際コーヒー機関(ICO)統計資料

パプアニューギニアコーヒーの歴史

コーヒー栽培の歴史は、1930年代にヨーロッパの宣教師がコーヒーの苗木を持ち込んだのが始まりです。

このとき持ち込まれたのが、ジャマイカ産ブルーマウンテンの苗木でした。

また、量は少ないですがアルシャ種という品種のコーヒー豆もケニアから移植され、1950年代から本格的なコーヒー栽培が始まります。

コーヒー専門家
パプアニューギニア最大の「シグリ農園」はこの頃に誕生しました。

1975年にオーストラリアから独立すると、世界で推進された大規模なコーヒー農園開発でなく、森での自然本来のコーヒー栽培が受け継がれていきます。

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