イエメンコーヒー豆の概要をまとめました。
産地 | 中東 ・バニーマタル、サナア、イスマイリなど |
味わい・香り | ワイン、オレンジ、チョコレートなど |
コーヒー生産量 | 世界第29位(6,000トン) ※2021年のデータ |
栽培品種 | アラビカ種100%:ロブスタ種0% |
精製方法 | ナチュラル(非水洗式) |
イエメンのコーヒーは、ワインやオレンジを思わせるフルーティな香りと酸味が特徴です。
しかし残念なことに、イエメンコーヒーの品質は近年一貫していません。
内戦や紛争の影響で高品質のイエメンコーヒー豆が手に入れづらい状況になっています。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
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イエメンコーヒー豆の特徴
イエメンのコーヒー豆は、水を使わずに独自の方法で加工されるため、香りが凝縮されたような特徴的なフレーバーがあります。
次の4種類のイエメンコーヒーが有名です。
モカマタリ | バニーマタル地方のコーヒー豆。昔ながらの製法で精製されているため欠点豆が多い。フルーティな酸味と甘みがある。 |
アールマッカ | モカマタリの中から品質の良い豆だけを選んだもの。柑橘系の酸味と甘み、深いコクが特徴。 |
サナニ | イエメンの首都「サナア」のコーヒー豆。フルーティでスパイシーな香りと深いコクが特徴。 |
イスマイリ | イスマイリ地区のコーヒー豆。甘酸っぱさとスパイシーな香りが特徴。 |
イエメンコーヒー豆の品種
イエメンのコーヒー品種は全てアラビカです。
これまでは、イエメンのコーヒー豆はエチオピア在来品種だけだと考えられていましたが、2021年に新しいコーヒー品種群「イエメニア」が発見されました。
2021年にイエメニア種が発見される
2021年に発表された研究論文では、イエメンコーヒーの遺伝子解析により、これまでのアラビカ種グループ(ティピカ・ブルボン系統など)とは異なる「イエメニア種グループ」が存在することが明らかになりました。
気になる味ですが、カップオブエクセレンスを運営する「Ace」や丸山珈琲など、世界的に有名なコーヒーの専門家35名が審査したところ、並外れた品質であることが判明しました。
イエメンでコーヒーの流通や加工を行うQima Coffeeは、「イエメニア品種は、今後数十年にわたってコーヒーの世界を再形成する可能性がある」と述べています。
イエメンコーヒー豆の等級(格付け)
イエメンには明確なコーヒー豆の格付け基準がありません。
日本では、バニーマタル地方で収穫される「モカマタリ」が最上級のコーヒー豆とされています。
イエメンコーヒー豆の栽培環境
イエメンのコーヒーは、標高1000メートル以上のミネラルを多く含む土壌が多い地域で栽培されます。
年間の降水量は1,000mmと他のコーヒー産地よりも少ないですが、温暖な気候と昼夜の寒暖差があり、コーヒー栽培に適した環境と言えます。
ただし、先にも述べたように近年は品質に一貫性がなく、生産量も多くないため現地のコーヒー農家の収入につながっていないのが現状です。
コーヒー栽培で大きな収入が得られないため、肥料などのコストや生産者に賃金を支払う余裕がないなど様々な理由から、いまのところ大幅な生産性向上が望めない状態です。
イエメンコーヒー豆の生産量
イエメンコーヒーの生産量は6,000トンで世界第29位です。※2021年のデータ
生産年度 | 生産量(t) |
2021年 | 6,000 |
2020年 | 6,000 |
2019年 | 6,300 |
2018年 | 5,160 |
2017年 | 7,920 |
2016年 | 8,580 |
イエメンコーヒー豆の歴史
イエメンは世界で初めてコーヒーを本格的に栽培した国です。
コーヒー栽培は1400年頃からスタートし、エチオピアに自生していたコーヒーがイエメンに持ち込まれたのが栽培スタートのきっかけです。
イエメンのコーヒーは、モカ港からヨーロッパへ輸出され、その後世界中で知られるようになりました。
イエメンのコーヒー栽培方式は500年前から大きな変化がなく、古くからの歴史と伝統的な栽培、精製が今でも受け継がれています。
イエメンなど76種類のコーヒー豆を比較
次の記事では、実際に飲んだイエメンコーヒー豆など76種類のレビューをまとめています。
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