ルワンダコーヒー豆の概要をまとめました。
地域 | 東アフリカ |
味わい・香り | オレンジ、ピーチ、キャラメルなど |
コーヒー生産量 | 世界第31位(18,060トン) ※2021年のデータ |
栽培品種 | アラビカ種97%:ロブスタ種3% ブルボンなど |
精製方法 | ウォッシュド |
2000年代から注目を浴び始めたルワンダコーヒーは、オレンジを思わせる華やかな香りとクリアな後味が特徴です。
焙煎度合いによって味わいは異なりますが、浅煎りから中煎りではフルーツのような甘みがあり、深煎りではキャラメルのような香ばしい甘みが感じられます。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
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ルワンダコーヒー豆の特徴
ルワンダコーヒー豆は焙煎度合いによって味わいが次のように変わります。
浅煎り | オレンジのような爽やかな酸味とクリアな後味 |
中煎り | オレンジ、ピーチのような甘みとコク |
深煎り | キャラメルのような香ばしい甘みとキレの良い後味 |
ルワンダコーヒーの味はとても繊細で、あまり深く焙煎を進めてしまうと、特徴である「フルーティ」さが失われてしまいます。
あまり深煎りにしないことで、ルワンダコーヒー本来の「爽やかな味わいと甘みのあるコク」を味わうことができます。
ルワンダのコーヒー農園
ルワンダには小さなコーヒー農園が約450,000あり、ほとんどの農家がコーヒー豆の収穫に機械を使わず、完熟したコーヒーチェリーだけを手摘みで収穫します。
収穫したコーヒーチェリーは12時間から24時間以内に果肉を除去しないと風味が劣化するため、収穫後すぐに近くのウォッシングステーション(加工場)に持ち込まれて水洗処理(精製)されます。
ちなみに、ルワンダのコーヒー豆は「ルワンダ・キヌヌ」などの名前で販売されますが、これは「キヌヌ」というウォッシングステーションの名前が付けられています。
次の動画では、ルワンダコーヒーがどのように加工されているかを見ることができます。
ルワンダではウォッシングステーションが急増している
ルワンダのコーヒーが注目され始めた2000年代から、政府の支援もあり加工方法が非水洗式(ナチュラル)から水洗式(ウォッシュド)へと徐々に移行されます。
2000年頃はたったの2ヶ所しかなかったウォッシングステーションが、2012年には215ヶ所へと急増しました。
現在では、ルワンダで生産されるコーヒー豆すべてをまかなえる、300ヶ所を超えるウォッシングステーションが設置されています。
ルワンダのコーヒー品種
ルワンダで生産されているコーヒーのほとんどがアラビカ種の中でも2大優良品種と呼ばれるうちの一つ、ブルボン種です。
ブルボン種は丸みのある小粒のコーヒー豆で、爽やかな酸味とコクのある甘みが特徴です。
ルワンダコーヒー豆の等級(グレード)
ルワンダのコーヒー豆は、カッピングテストと欠点豆の数により5つのグレードに等級付けされます。
- Super Specialtyスーパースペシャリティー(最上級)
- Specialtyスペシャリティー
- G1
- G2
- G3
ルワンダコーヒーの栽培環境
ルワンダは次のように、コーヒー栽培に最適な環境を有しています。
ミネラルと腐植を含んだ火山灰性の土壌でコーヒーを栽培 | コーヒーの脂質に影響を与えると考えられている |
平均気温が25℃前後 | 暑すぎず寒すぎない。コーヒー栽培に最適な気温。 |
国土のほとんどが高地 | 昼夜の寒暖差がある |
手摘みで収穫 | 糖度の高い完熟コーヒーだけを選別 |
雨季と乾季がある | コーヒーの成長期には雨が必要。収穫期には乾燥していることが望ましい |
寒暖差がある高地で栽培されたコーヒーは、寒さから身を守るために水分を減らし、かわりに糖分を増やそうとします。
冬野菜が寒さで凍らないよう、細胞に糖を蓄積するため甘くなるのと同じ原理です。
ルワンダコーヒー豆の生産量
ルワンダコーヒーの生産量は18,060トンで世界第31位です。※2021年のデータ
生産年度 | 生産量(t) |
2021年 | 18,060 |
2020年 | 19,500 |
2019年 | 20,880 |
2018年 | 22,800 |
2017年 | 15,840 |
2016年 | 13,860 |
ルワンダのコーヒー生産は国の経済において重要な役割を果たしており、外貨獲得と農村経済の収益化に大きく貢献しています。
2016年には13,860トンだったコーヒー生産量は、その後の5年間で平均20,000トンに増加しています。
ルワンダコーヒーの歴史
ルワンダコーヒーの歴史は、ドイツ植民地時代から始まります。
ドイツ人によって、植民地の外貨獲得目的でコーヒーノキの栽培に適したルワンダに持ち込まれたのが始まりです。
1930年頃にルワンダでは国の政策としてコーヒー栽培の義務化を行い、コーヒー栽培事業を大きく発展させます。
2000年代に入ると、量よりも品質を重視したスペシャルティコーヒーの栽培に力を入れ始め、現在ではルワンダの主な輸出品の一つになりました。
2020年時点では輸出総額の25%程度にまで成長しています。
2008年にはアフリカで初めて「Cup of Excellence(カップオブエクセレンス) 」の開催国になりました。
ルワンダコーヒーの歴史はまだ浅いものの、国や小規模農家の努力もあり、世界に認められるコーヒー生産国となりました。
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