キューバコーヒーの概要をまとめました。
地域 | 中央アメリカ |
味わい・香り | 白ワイン、ナッツなど |
コーヒー生産量 | 世界第39位(7,500トン) ※キューバ全体 2021年のデータ |
品種 | アラビカ種95%:ロブスタ種5% ティピカ、ブルボン、カトゥーラ、ビジャロボスなど |
精製方法 | ウォッシュド、ナチュラル |
キューバコーヒーは苦みが少なく、優しい甘みと酸味が特徴です。
日本では「クリスタルマウンテン」というキューバ産コーヒーが有名で、その味わいはブルーマウンテンに似ていると高く評価されています。
しかし近年は大雨や干ばつなどの影響でコーヒー収穫量が大幅に減少しているため、キューバコーヒーの価格は上昇傾向にあります。
また、コーヒー輸送を阻害する貧弱なインフラや生産エリアの過疎化など、キューバのコーヒー産業はさまざまな問題を抱えています。
ブログ管理人:山口 誠一郎
コーヒーの専門家としてTV出演。文藝春秋(文春オンライン)コラム掲載。1,000種以上のコーヒー豆をレビュー。イタリア「Caffè Arena Roma」元バリスタ。
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キューバコーヒーの特徴
キューバコーヒーは酸味と苦み、コクのバランスが取れていて、クセのない飲みやすさが特徴です。
その味わいはブルーマウンテンに似ているとも言われ、透明感のある美味しさが感じられます。
キューバでは「ウォッシュド」という水を使った精製を行うため、クリーンな味わいが楽しめます。
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キューバコーヒー豆の等級
キューバではコーヒー豆の大きさと欠点豆の混入数で等級が決まります。
- クリスタルマウンテン:スクリーンサイズ18~19/欠点豆4粒以下
- エクストラツルキーノラバド(ETL):スクリーンサイズ18以上/欠点豆12粒以下
- ツルキーノラバド(TL):スクリーンサイズ17以下/欠点豆19粒以下
- アルトゥーラ(AL):スクリーンサイズ16以上/欠点豆22粒以下
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キューバコーヒーの品種・種類
キューバでは、アラビカ種に属するティピカ種・カトゥーラ種・ブルボン種などが栽培されています。
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キューバコーヒーの栽培エリア
キューバコーヒーは以下の場所で生産されています。
- マエストラ山脈
- エスカンブライ山脈(クリスタルマウンテン)
キューバのコーヒーは標高1000m付近の寒暖差が大きい場所で栽培されます。
肥沃な土壌にも恵まれ、最適な降水量も確保されているため、コーヒー栽培にとって最適な条件が揃っている地域です。
中でもクリスタルマウンテンが栽培されるエスカンブライ山脈は昼夜の気温差が特に大きく、良質な酸味と甘みを含む美味しいコーヒーが生産されています。
ちなみに、エスカンブライ山脈では水晶が採掘されるため、そこで生産されるコーヒー豆は「クリスタルマウンテン」と呼ばれています。
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キューバコーヒーの飲み方
キューバのエスプレッソは「キューバンコーヒー」と呼ばれ、イタリアのエスプレッソマシンがキューバで登場し始めてから親しまれるようになりました。
キューバンコーヒーには4つの飲み方があります。
カフェシート(カフェクバーノ)Cafecito(Cafe Cubano) | たっぷりの砂糖を加えた濃厚なエスプレッソ。キューバンコーヒーの中で最もポピュラーな飲み方。 |
コラーダ(Colada) | カフェシートをさらに小さなカップに分けたもの。別名「ソーシャルコーヒー」とも呼ばれ、かつて働くキューバ人が仕事の合間に数人で集まって分けて飲んだのが始まりと言われています。 |
カフェ・コン・レーチェ(Cafe Con Leche) | エスプレッソにたっぷりとスチームミルクを加えたもの。ミルクの分量が多く、カフェオレに近い味で飲みやすい。スペイン発祥の飲み物。 |
コルタディート(Cortadito) | カフェシートにスチームミルクを少量加えたもの。ミルクのまろやかさがありながらもエスプレッソの強い味もしっかり感じられる。 |
カフェシート(カフェクバーノ)は、エスプレッソマシンまたはイタリア生まれのモカポット(マキネッタ)でも飲むことができます。
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キューバコーヒーの歴史
credit:carrow.ie
キューバにおけるコーヒー栽培の歴史は、18世紀の半ば頃にスペイン移民がコーヒーの木をハバナに植えたのが始まりです。
ハイチ革命から逃れてきたフランスのコーヒー農家がキューバで農業を始めたことで、キューバのコーヒー産業は大きく成長します。
1820年代にはコーヒーの販売量がキューバの砂糖の販売量を上回り、1950年代初頭までにコーヒーの輸出量は20,000トンに達しました。
しかし、1956年のキューバ革命によってコーヒー農園は国有化され、大規模農場の解体と小規模農場の生産意欲の低下により、キューバのコーヒー生産量は大幅に減少。
1960年代から1970年代にかけてコーヒー産業は低迷し続けましたが、1970年代後半〜1980年代にかけて急増しました。
当時、キューバコーヒーの主な輸出先はソ連でしたが、1990年のソ連崩壊によりキューバのコーヒー産業は再び衰退します。
その後、キューバのコーヒー価格は2倍に跳ね上がり、当時この価格で購入したのは日本とフランスだけでした。
残りの2〜3割がドイツ、イギリス、カナダ、ニュージーランドに輸出されています。
キューバコーヒー豆の生産量推移
キューバコーヒー豆の生産量は7,500トンで世界第39位です。※2021年のデータ
生産年度 | 生産量(t) |
2021年 | 7,500 |
2020年 | 7,380 |
2019年 | 7,800 |
2018年 | 7,680 |
2017年 | 6,780 |
2016年 | 6,180 |
キューバのコーヒー産業は、インフラの不足と農家のコーヒー離れ、生産エリアの過疎化などの問題によって低迷しています。
国内で消費するためのコーヒーも不足しているため、現在も一部ではコーヒー豆をひよこ豆と混ぜたものを飲んでいます。
▲カフェキュビタ/Cubita
また、気候変動により激化しているハリケーンもコーヒー栽培に影響を及ぼしています。
キューバコーヒー豆おすすめ2選
上町珈琲:クリスタルマウンテン 浅煎り
1,080円 100g
キューバコーヒー全体の3%しか採れない「クリスタルマウンテン」だけを使ったコーヒー豆です。
クリスタルという名の通り、透き通った後味で飲みやすく、ナッツのような風味が特徴です。
また、甘みと酸味、苦みのバランスが絶妙で、まさに最高級にふさわしいおすすめのキューバコーヒーです。
大山珈琲:キューバTL
1,458円 400g
キューバを代表するコーヒーの一つ「キューバTL」は、バランスの良い味わいとクリアな後味が特徴です。
味にクセがなく、どなたにも飲みやすいオーソドックスなコーヒー豆です。
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