フェアトレードコーヒーは普通のコーヒーに比べると高価なため、買ったことがない人も多いのではないでしょうか。
フェアトレードは、コーヒーの未来を考える上で欠かせない概念の一つと言えます。
今回は、フェアトレードコーヒーが何なのか?をわかりやすく解説し、実際に美味しかったコーヒー豆を6つ紹介します。
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フェアトレードコーヒーとは?
フェアトレードコーヒー産地として急成長しているメキシコの豆
コーヒーにおけるサステナブル(持続可能)な未来を考える上で、欠かせない概念のひとつが「フェアトレード」です。
フェアトレードは直訳すると「公平で公正な貿易取引」。
コーヒーは発展途上国で生産され、先進国の国際金融市場で買取価格が決定されます。
この「ねじれ」が生む不公平な取引から生産者や労働者の権利を守り、不適正な価格での取引へ是正しているのがフェアトレードなのです。
この記事では、そんな「フェアトレードコーヒー」を選ぶことの意義について詳しく解説していきます。
コーヒー豆の価格は国際金融市場で決まる
まず、コーヒー豆の買取価格はどのように決まっているのでしょうか。
世界中のコーヒー価格の基準は「ニューヨーク」と「ロンドン」の国際金融市場(農産物取引所)で決定されています。
需要と共有のバランスだけでなく、投資目的の買い占めなど多岐にわたる要素が影響することから、コーヒーの病害や気候変動、費用の高騰といった生産地の状況が価格に反映されるというわけではないのです。
買取価格の変動は、生産地にとって死活問題です。
さらに、交渉力を持たない生産者が不適正な価格で買い叩かれる状況(1kgのコーヒー豆が数十円で取引されるなど)も加わると、問題はますます悪化していきます。
それを解決するために登場した概念が「フェアトレード」というわけです。
では、どのような経緯でフェアトレードが誕生し、浸透していったかを確認していきましょう。
フェアトレードの歴史
もともとは発展途上国への支援という個人活動
フェアトレードの始まりは、第二次世界大戦後にアメリカやイギリスが行った発展途上国への支援という小さな個人活動でした。
1950年代に入るとアメリカにフェアトレード専門店が誕生し、1960年代にはヨーロッパ、そして世界へと広がっていきます。
1997年には、国際的なフェアトレードの認証制度を構築する「国際フェアトレードラベル機構(FLO)」が誕生。
慈善活動の色合いが強かったフェアトレードは、国際ビジネスの健全性確保へと目的を変えていったのです。
フェアトレードは世界中に広がるグローバルな取り組みへ
さらに、2006年にコーヒー生産者の過酷な労働条件を描いた「おいしいコーヒーの真実」というドキュメンタリー映画が制作・公開されたことが、先進国での消費者意識をより強く変えるきっかけとなりました。
このように、小さな活動から始まったフェアトレードはグローバルな取り組みへと発展。
世界71ヶ国、1,880以上の生産者組織を通じ、国際フェアトレード認証の仕組みに参加する小規模農家・労働者は190万人以上。
世界市場は約1.3兆円を超える規模となっていくのです(2020年時点)。
フェアトレードコーヒーの認証基準
フェアトレードコーヒーはどのような基準で認証されるのでしょうか。
国際フェアトレード基準
フェアトレード認証を受けるためには、コーヒー販売に関わる組織全てが「国際フェアトレード認証」を取得しなくてはなりません。
認証を受けるためには、国際フェアトレードラベル機構(FLO)によって設定された、フェアトレード全般に関する基準を満たす必要があります。
この国際フェアトレード基準には、開発途上国の小規模生産者・労働者の持続可能な開発を促進することを目指して設計された「経済」「社会」「環境」の三つの原則が設定されています。
出典:国際フェアトレード基準
経済的基準
- フェアトレード最低価格の保証
- フェアトレード・プレミアムの支払い
- 長期的な取引の促進
- 必要に応じた前払いの保証など
フェアトレードの最大の目的である最低価格の保証と、奨励金(フェアトレード・プレミアム)支給制度の基準が設定されています。
長期的な取引の継続が大前提であり、必要に応じて前払い金の保証も必要です。
フェアトレードの最低価格や奨励金の支給額は、綿密な調査と総合的な判断に基づいて、生産地の物価、経済状況、買い手の意見などを考慮して設定されています。
社会的基準
- 安全な労働環境
- 民主的な運営
- 差別の禁止
- 児童労働・強制労働の禁止など
認証を受けるには、運営が民主的で公平であること、安全性が保証されていることが必要です。
背景には、これまでの低賃金や過酷な労働条件を改善する目的があり、強制労働や児童労働が厳しく禁じられています。
環境基準
- 農薬・薬品の使用削減と適正使用
- 有機栽培の奨励
- 土壌・水源・生物多様性の保全
- 遺伝子組み換え品の禁止など
生産の環境に関しては、農薬や薬品の使用制限、土壌や水源の保護などを定めています。
廃棄物は適切に管理し、リサイクルも奨励されます。
また、遺伝子組み換え作物も禁止しています。作物の栽培規定だけでなく、健康と安全対策も環境基準の重要な要素となっています。
コーヒーの最低価格と奨励金(フェアトレード・プレミアム)
コーヒーの最低価格は、1ポンド(450g)あたり140セントです。
有機認証(オーガニック)コーヒーの場合は、さらに30セント加算されます。
コーヒーの国際市場価格がどれだけ変動しても、この最低価格は保証されなければなりません。
さらに、輸入業者から生産者組織(組合)に対して、1ポンドあたり20セントの奨励金(フェアトレード・プレミアム)が支払われます。
この奨励金は民主的に使用する義務があり、機材の購入だけでなく、地域の学校や病院などの公共施設のためにも使われます。
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フェアトレードの認証ラベル
このように厳密な認証基準を満たしたコーヒーのパッケージには、フェアトレード商品であることを示す「認証ラベル」が表示されます。
国際フェアトレード認証ラベル
ドイツに本部を置く「国際フェアトレードラベル機構」が定める基準に照らして、原料生産・輸出入・加工・製造の各工程がフェアトレードだと認められた製品であることを証明するラベルです。
WFTO参加団体認証ラベル
オランダに本部を置く「世界フェアトレード機関(WFTO)」に加盟するフェアトレード団体(企業を含む)であることを認証するラベルです。
「国際フェアトレード認証ラベル」が商品ごとの認証であるのに対し、フェアトレード活動を行っている「団体(企業)」であると認証されていることを証明するラベルです。
その他のラベル
これ以外にも、フランスのエコサートグループ「Fair For Life」など、企業や団体、国などが独自基準でフェアトレードを評価してラベル表示しているものがあります。
ラベルがついていないフェアトレードコーヒーも
また、認証ラベルが表示されていないフェアトレードコーヒーもあります。
これは、フェアトレードに取り組んでいても、機構や機関からの認定を受けていないケースがあるためです。
認証ラベルは、フェアトレード商品を見分けるための目安に過ぎないと考えることが必要です。
フェアトレードコーヒーを選ぶ意義とは
生産者に安定した生活とその維持を
フェアトレードにより、適正な価格でコーヒーが取引されることは、生産者の安定した生活につながります。
発展途上国の生産者を守る活動は、結果としてわたしたちがコーヒーを楽しめる日常にもつながっているのです。
生産者組合の設立がコーヒーの進化にもつながる
フェアトレードの導入によって、多くの生産者組織(組合)が設立されました。
これまでは、小規模農園(個人)が中心でしたが、フェアトレード認証のために生産者組合が設立されたことで、組織として成長していく可能性も広がりました。
地域全体での設備投資、情報共有による生産性の向上、互いの切磋琢磨による品質向上などが期待されています。
最新設備の購入やコーヒー栽培の研究により、ますます高品質なコーヒーが生産されることは、わたしたちに未知の美味しさのコーヒーが届けられる可能性にもつながるのです。
フェアトレードコーヒーを買うことが社会貢献になる
世界の国々への募金や支援は、日本においても大きな意義を持ちます。
こうした活動とフェアトレードコーヒーを購入することは、似ているようで少しだけ違います。
もっと日常生活の中に取り入れられる支援として、フェアトレードコーヒーを意識して選ぶだけでコーヒー生産者を守る社会貢献につながります。
どのフェアトレードコーヒーを選べばいいかわからない方は、ランキング形式でおすすめを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
フェアトレードコーヒーおすすめランキング6選
商品画像 |
商品名 | 味わい・香り ※タップで拡大 |
値段 内容量 100gあたり |
最安値 | 焙煎度合い 鮮度 |
東京コーヒー グアテマラ フェアトレード |
1,940円 200g |
Amazon | 中深煎り ★★★★★(最高評価:注文後焙煎) |
||
東京コーヒー 東ティモール フェアトレード |
1,490円 200g |
Amazon | 中煎り ★★★★★(最高評価:注文後焙煎) |
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Coffeemail フェアトレード グァテマラ |
1,301円 200g |
楽天 | 中深煎り ★★★★☆ |
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マウントハーゲンオーガニック フェアトレードロースト |
1,199円 250g |
Amazon | 中深煎り ★★★☆☆ |
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オーガニック グアテマラ フェアトレード |
1500円 200g |
楽天 | 深煎り ★★★★☆ |
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小川珈琲有機珈琲 フェアトレードモカブレンド |
1,728円 160g×3 |
Amazon | 中煎り ★★☆☆☆ |
東京コーヒーグアテマラ フェアトレード
1,940円 200g
ハチミツのようなをコクのある甘みが特徴です。
苦味はそれほど強くなく、後味がすっきりとしていて万人受けする味わいです。
こちらのコーヒー豆はAmazonの倉庫で保管されているものと、工場直送がありますが、直送品だと注文後に焙煎した新鮮な豆が届きます。
鮮度が良い方が香りも強く感じられるので、個人的には工場直送の豆をおすすめします。
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | グアテマラ |
焙煎度合い | 中深煎り |
東京コーヒー東ティモール フェアトレード
1,490円 200g
先ほどと同じ東京コーヒーが焙煎する「東ティモール」のコーヒー豆です。
コクが強めで重厚な味のコーヒーです。酸味もほどよく感じられるので後味が爽やかです。
ブラックはもちろんカフェオレとも相性が良いので、どんな飲み方でも楽しめます。
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | 東ティモール |
焙煎度合い | 中煎り |
Coffeemail フェアトレード グァテマラ
1,301円 200g
糖度の高い完熟コーヒー豆だけを手摘みで収穫していて、リンゴやチェリーのような甘みを感じます。
味のバランスがよく、後味がさっぱりしているのでブラックで飲む人におすすめです。
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | グアテマラ |
焙煎度合い | 中深煎り |
マウントハーゲンオーガニックフェアトレードローストコーヒービーンズ
1,199円 250g
マウントハーゲンは、ドイツに拠点を置くオーガニックコーヒーのトップブランドです。
バランスの良い味わいが特徴で、ナッツのようなフレーバーが感じられます。
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | パプアニューギニア、ペルー、ホンジュラス |
焙煎度合い | 中深煎り |
オーガニック グアテマラ 200g 深煎り フェアトレード
1,500円 200g
酸味が少ないグァテマラのコーヒー豆です。
どっしりした苦味とコクのある味わいで、チョコレートのような味わいが特徴です。
ミルクやアイスコーヒー用としても使えるので、いろんな楽しみ方ができます。
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | グアテマラ |
焙煎度合い | 深煎り |
小川珈琲有機珈琲フェアトレードモカブレンド
1,728円 160g×3個
オレンジのようなフレーバーが特徴のエチオピアと、チェリーのような風味があるグァテマラを50%ずつブレンドしたコーヒー豆です。
苦味は控えめで、果実味のある酸味がしっかりと感じられます。
スーパーなどでも気軽に購入できるので、手に取りやすいフェアトレードコーヒー豆です。
鮮度 | ★★★★★(注文後焙煎) |
豆の産地 | エチオピア、グアテマラ |
焙煎度合い | 中煎り |
フェアトレードコーヒーよくある質問
フェアトレードコーヒーおすすめランキングTOP3は?
- 東京コーヒーグアテマラ フェアトレード
- 東京コーヒー東ティモール フェアトレード
- Coffeemailフェアトレード グァテマラ
コスパで選ぶフェアトレードコーヒーTOP3は?
- マウントハーゲンオーガニックフェアトレードローストコーヒービーンズ
- Coffeemail フェアトレード グァテマラ
- 東京コーヒー東ティモール フェアトレード
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ちなみに、ペルーは世界一のフェアトレードコーヒー生産国です。
コーヒーを栽培するほとんどは小規模農家ですが、協同組合の設立によって品質向上と持続可能な栽培をしています。
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