デカフェ(カフェインレスコーヒー)は、夜遅くにリラックスしたい時や妊娠中でも楽しめる、コーヒー好きにとって嬉しい選択肢です。昨今では、健康面からもカフェインの摂取管理が重要視されていますが、「加工されたコーヒー」という印象もあり、安全性を心配する声もあります。
この記事では、日本で販売されているデカフェがどのように作られているのかについて、詳しく説明します。
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デカフェとは?
デカフェとは、コーヒーに含まれるカフェインを特殊な製法で除去することです。
英語の「decaffeinated」の略である「decaf(ディーキャフ)」が由来で、「ディカフェ」「カフェインレス」「カフェインフリー」とも呼ばれます。
デカフェの「カフェ」とは、コーヒーのことではなくカフェインを指すため、カフェインを多く含む紅茶やお茶などでもデカフェ商品が販売されています。
日本では、全日本コーヒー公正取引協議会が「カフェインを90%以上除去したコーヒー」をデカフェと定義していますが、EUやアメリカでは、より厳密な数値基準が設けられています。
デカフェの作り方は何種類あるの?
デカフェが世界で普及するにつれて、さまざまなデカフェ技術(脱カフェイン法)が開発されています。
デカフェの作り方には、大きく分けて3つの種類が存在します。
- 有機溶媒抽出法
- ウォーター製法
- 二酸化炭素抽出法
細かく分類すると、さらに多くの製法がありますが、日本で販売されているデカフェは「ウォーター製法」と「二酸化炭素抽出法」の2種類に限られています。この記事では、日本で販売されているデカフェの製法を中心に説明します。
有機溶媒抽出法とは
1906年にドイツで開発された世界初の脱カフェイン法です。海外では一般的な製法で、有機溶媒を利用します。
別名「ケミカル・メソッド」とも呼ばれ、塩化メチレン(ジクロロメタン)などの有機溶媒を使用して安価にカフェインを除去することができます。
蒸気によって細胞構造を開いた生豆に、有機溶媒を通してカフェインを除去した後、有機溶媒を洗い流して乾燥させます。
塩化メチレンの沸点は約40度と低いため、この乾燥工程に加えて、コーヒー豆の焙煎でも加熱処理されることから、ほぼコーヒーに有機溶媒は残存しません。
有機溶媒抽出の問題点
有機溶媒抽出は、環境負荷が高いことに加え、人体への影響(発がん性など)が懸念されています。
以前は、ベンゼン、クロロホルム、トリクロロエチレンなどの化学薬品が使用されていました。加熱処理で、ほぼ有機溶媒は残留しないと考えられているものの、残留の可能性もゼロではないため、現在では塩化メチレン(ジクロロメタン)や酢酸エチルが使用されています。
また、コストパフォーマンスには優れていますが、カフェイン以外の成分も抽出されるため風味が損なわれやすい傾向があります。
日本では販売が禁止されている
日本では、化学薬品を使用したコーヒー豆を輸入すること自体が禁止されています。
有機溶媒抽出法で作られたデカフェは、カフェやスーパー、コンビニなどでも販売されていないので安心です。
スイスウォータープロセス(製法)とは
スイスウォータープロセスとは、日本でも広く流通している「ウォーター製法」のひとつです。
ウォーター製法とは、その名の通り水だけでカフェインを除去する製法で、1941年に開発されました。
水溶性のカフェインが「成分の平衡状態」を求めてコーヒー豆から水に移動するという理論に基づいた製法で、安全性が高く、環境に優しいという特徴があります。
コーヒーの旨みや味を形成する成分を含む水溶性の成分が飽和状態まで溶け出した「飽和水」から、カフェインだけをカーボンフィルターでろ過した水に生豆を循環させ続けます。
8〜10時間かけて循環させることで、薬品を使わずに水だけでカフェインを99.9%まで除去することができます。
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スイスウォータープロセスとは?バリスタが解説
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マウンテンウォータープロセス(製法)とは
マウンテンウォータープロセスも「ウォーター製法」のひとつです。
カフェインをろ過した「コーヒー成分の飽和水」に、生豆を循環させてカフェインを除去する仕組みは同じですが、スイスウォータープロセスでは、長時間循環させることでカフェインを除去するのに対し、マウンテンウォータープロセスでは、加圧・加温されたタンクの中で撹拌することで短時間でカフェインを除去します。
メキシコの工場で作られる
スイスウォータープロセスは、カナダの「スイスウォーター社」の商標ですが、マウンテンウォータープロセスは、コーヒー生産国であるメキシコ「DESCAMEX」社の工場で天然水を使用して作られています
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メキシココーヒーの特徴
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マウンテンウォーターとスイスウォーターの違い
どちらのウォーター製法も、水だけでカフェインを除去するため、安全性が高いことが特徴です。しかし、生豆を水に浸す工程はカフェイン以外の成分にも影響を与えやすく、コーヒーの風味が損なわれやすいとも言われます。
マウンテンウォータープロセスは、タンクで加圧・加温・撹拌することで水に浸す時間を短くしています。
スイスウォータープロセスは、水に循環させる時間は長いものの、コーヒー本来の風味を残す技術が日々追求されており、現在では遜色のない味わいを実現しています。
超臨界二酸化炭素抽出とは
超臨界二酸化炭素抽出法は、1974年にデカフェ技術が実用化された比較的新しい製法です。
この方法では、二酸化炭素を「超臨界状態」にしてコーヒー豆からカフェインを除去します。
物質は温度と圧力によって、気体、液体、固体に変化しますが、二酸化炭素は常温・常圧では「気体」として存在します。
二酸化炭素を冷却すると、通常の状態では液体にならず「固体」のドライアイスになりますが、加圧すると気体から「液体」に変化します。
さらに、圧力7.38MPa、温度31.1℃の臨界点を超えると、液体と気体の境界がなくなった「超臨界流体」に変化します。
この超臨界流体の二酸化炭素は、液体のように物質を溶解させる性質と、気体のように拡散する性質を兼ね備えており、コーヒーの風味や香りの成分に影響を与えることなくカフェインを狙って除去できる特性があります。
有機溶媒抽出法やウォーター製法は、カフェイン以外の成分にも影響を及ぼすことが課題とされていますが、超臨界二酸化炭素抽出法の開発により、デカフェの品質はさらに向上しました。
味は優れているがコストがかかるデメリットも
超臨界二酸化炭素抽出法では、コーヒー豆を高圧(250bar)・高温(80〜90℃)で処理するため、豆に負担がかかります。
しかし、わずか半日という短時間で処理ができるため、負担はかなり少なく、コーヒーの味も優れています。
デメリットは、抽出装置が高価で設備コストがかさむという点です。
日本の工場で作られる
これまで、デカフェは海外からの輸入品が100%でしたが、三重県桑名市の「超臨界技術センター」で日本初のデカフェ処理設備が実用化されました。
すべてのプロセスにおいて、安全・安心で環境に優しい技術「GREEN DECAF PROCESS®(グリーンデカフェプロセス)」の技術開発を2016年から開始し、2020年には分離技術会で「技術賞」を受賞しています。
液体二酸化炭素抽出法とは
液体二酸化炭素抽出法とは、超臨界状態になる手前の「液体」二酸化炭素を使用した製法です。
この製法は、ドイツの「CR3 Coffee Hermsen社」で採用されており、ナチュラルCO2製法とも呼ばれています。
水蒸気で倍の大きさに膨張させた生豆を、超臨界状態になる手前の65気圧、23℃前後で液体化させた二酸化炭素に漬け込みカフェインを除去します。
超臨界二酸化炭素除去法と同様に、コーヒーの風味や香りの成分に影響を与えることなくカフェインを除去することができます。
超臨界二酸化炭素抽出法よりも生豆にかかる圧力が低く低温で抽出されるため、カフェイン除去には2〜3日の時間を要しますが、豆への負担も最小限です。
デカフェ前と後で比較しても味がほとんど変わらない
デカフェ処理の前後で比較しても、ほとんど味が変わりません。
CR3社が同じロットのコーヒー豆をデカフェ処理前と後で味覚分析したところ、以下のようにほとんど同じプロファイルだったという結果が出ています。
引用元:SKWイーストアジア株式会社
超臨界二酸化炭素抽出と液体二酸化炭素抽出の違い
超臨界二酸化炭素抽出法は、コーヒー豆を高圧(約250気圧)・高温(80〜90℃)で処理します。半日程度でカフェイン除去ができますが、豆には多少の負担がかかります。
一方、液体二酸化炭素抽出法は、それよりも低い65気圧、23℃前後で処理するため豆への負担が最小限ですが、カフェイン除去に2〜3日の時間がかかります。
どちらもカフェインだけを除去する精度が高く、限りなくデカフェ処理前のコーヒーの味わいを楽しむことができる革新的な製法と言えます。
デカフェは家で作れる?
カフェイン除去には、専門的な知識に基づいた特別な装置が用いられます。
処理の過程で「中毒症状」などの問題を引き起こす可能性があるため、法律でも厳しく管理されています。
家庭用の器具ではデカフェを作ることはできませんのでご注意ください。
また、自宅にあるコーヒー豆やドリップパック、粉末タイプのコーヒーからカフェインを除去して淹れることも難しいです。
カフェインは水溶性ですが、コーヒーの味や香りを形成する多くの成分も水溶性であるため、抽出する段階でカフェインだけ除去することはできません。
家庭でデカフェ(カフェインレスコーヒー)を楽しむには、デカフェとして販売されているコーヒーを購入して淹れるようにしてください。
デカフェコーヒー豆おすすめ3選
1.辻本珈琲 カフェインレスコーヒー豆 デカフェ コロンビア アイウ
4,989円 1kg(200g×5袋)
「コロンビアマイルド」と呼ばれる高品質のコーヒー豆だけを使ったデカフェで、ミルクチョコレートのような甘みと苦みが感じられます。その美味しさから、楽天では300件以上の高評価レビューがされています。100gあたり500円とデカフェの中でもお手頃なので、コスパ重視の方におすすめです。
100gあたり | 499円 |
豆の産地 | コロンビア |
鮮度 | ★★★☆☆ |
カフェイン残留率 | 0.1%以下 |
カフェイン除去方法 | マウンテンウォータープロセス |
2.ポストコーヒー デカフェ チルブレンド【初回限定500円OFF】
1,480円 225g(75g×3種)
ポストコーヒーは、デカフェにスペシャルティコーヒーを使っているため、濃厚な甘みとコク、非常に強い香りが特徴です。毎月3種類のデカフェ豆を届けてくれる定期便(サブスク)サービスです。無料のコーヒー診断によって、自分にマッチした豆が届くのがこのサービスの特徴です。
このお店のデカフェはほぼ全部飲みましたが、正直「デカフェ」と言われなければ気づかないくらい美味しくて、香りがとにかく強いです。「デカフェ チルブレンド」は、柑橘系フルーツのような香りが特徴で、チョコレートのようなコクと甘みがあります。本当に「普通に美味しい中煎りコーヒー」という印象で、従来のデカフェに満足できなかった人でも「これは美味しい」と感じると思います。
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コーヒー診断の最後に「デカフェのみ」を選べばOK
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価格 | 2回目以降 1,980円 |
100gあたり | 658円 |
焙煎度合い | 中煎り |
豆の産地 | コロンビア、メキシコ |
カフェイン残留率 | 0.1%以下 |
カフェイン除去方法 | マウンテンウォータープロセス |
3.辻本珈琲 カフェインレス ドリップコーヒー デカフェ コロンビア
2,980円 50P
カフェインレスコーヒーを専門に取り扱う辻本珈琲のドリップバッグは、コーヒーらしい香りがかなり強く感じられて、1杯で満足できる美味しさが特徴です。カフェイン残留率も0.1%以下と明記されているので、安心して購入できる点も強みです。楽天のデカフェでおそらく一番人気で、3000件近くの高評価レビューされています。
1杯あたり | 60円 |
豆の産地 | コロンビア |
鮮度 | ★☆☆☆☆ |
カフェイン残留率 | 0.1%以下 |
カフェイン除去方法 | マウンテンウォータープロセス |
デカフェコーヒー豆の売れ筋ランキング
Amazonや楽天で売れ筋のコーヒー豆ランキングを各サイトにて確認できます。
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1,480円 225g(75g×3種)
ポストコーヒーは、全国の専門店(提携している国内外の自家焙煎店)から、好みにマッチしたコーヒーが3つ届くのが特徴です。
ずばり、コスパが良くて美味しいデカフェを飲みたい人に一番おすすめのサービスです。(会員数6万人超)
このお店では、「液体二酸化炭素抽出法」という最新製法でカフェインを除去しています。
この製法は、大手コーヒー会社で導入されている「超臨界二酸化炭素抽出法」よりも豆に負担がかからない方法でカフェインを除去するため、味・香り・クロロゲン酸(ポリフェノール)が通常のコーヒーにかなり近くなる特徴があります。
実際に飲むと「これ本当にデカフェ?」と思うくらい非常に強いフレーバーが感じられ、コーヒーの風味がほとんど損なわれていないことに驚きました。
ポストコーヒー デカフェ エチオピアのレビュー
— 山口誠一郎/山口的おいしいコーヒーブログ管理人 (@ycoffee_review) April 26, 2023
・初回500円/135g
・鮮度★★★★☆
・浅煎り
・オレンジ、ピーチの香り
今まで飲んだデカフェの中で香り最強レベル。流石に時間が経つと風味薄れますが淹れたてはカフェイン入りのエチオピアと変わらない華やかさ。デカフェの進化すごい#コーヒー豆 pic.twitter.com/E4rAH3KrYe
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上記のクーポンを利用すれば、高品質なスペシャルティコーヒーを使ったデカフェ豆が100gあたり657円で購入できます。
デカフェのコーヒー豆で人気の「スターバックス ディカフェ ハウスブレンド(100g 694円)」よりも香り高く、コクと甘みが強いです。
100gあたり | 657円 |
鮮度 | ★★★★★(焙煎後7日以内) |
豆の種類 | 75g×3種類(22杯分) |
焙煎度合い | 浅煎り・中煎り・深煎りから選べる |
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