コーヒーは世界中で欠かせないものになっています。わたしたちが日本で口にするコーヒーも、ほとんどはコーヒー生産国から輸入されたものですが、どの国でどれくらい生産されているかご存知でしょうか?
この記事では、2025年春にUSDAより発表された「コーヒー生産国ランキング2024」トップ10をご紹介します。
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世界のコーヒー豆の多くはコーヒーベルトに属する国で生産される

世界の主なコーヒー生産地域は東アフリカとアラビア半島、東南アジアと太平洋、ラテンアメリカ(中南米)です。
コーヒー豆の生産地と聞いて、どの国を思い浮かべますか?
ブラジル、コロンビア、グアテマラはコーヒー豆の生産量が多いのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかし、コーヒー豆は世界中の多くの国や地域で栽培されています。
コーヒーの栽培に適した地帯は、赤道を挟んだ北回帰線と南回帰線の間にある熱帯地方で、中南米、アフリカ、アジアが主な生産地です。
北緯25度から南緯25度の間に限られており、このエリアを「コーヒーベルト」と呼びます。
世界のコーヒーの大半は、コーヒーベルトに属する生産国で生産されています。
関連→コーヒーベルトとは?属する国とそれぞれの特徴をバリスタが解説
コーヒーを生産できる地域は限られてる

コーヒーが生産できる地域は赤道付近に密集している
コーヒー豆の元となる「コーヒーノキ」は、土地や気候など生育に必要な条件があるため、栽培できる地域はある程度限られています。
上の画像のように、コーヒーの木は赤道付近に密集しています。この地域は標高が高く、年間を通して温暖な気候です。降雨量も適度で、コーヒーの木を育てるには理想的な場所です。
関連→コーヒーノキとは?1本から採れる豆の量などをバリスタが解説
コーヒーベルトに属する国の中にも生産量が突出した国がある

各コーヒー生産国では、高品質なスペシャルティコーヒーからコスパに優れたコモディティコーヒーまで、世界の多様なコーヒーニーズに応えていますが、中でもコーヒー栽培に理想的な環境を持ち、コーヒー生産量が突出した国がいくつか存在します。
スペシャルティコーヒーとは
スペシャルティコーヒーとは、味や香りなどの決められた評価基準をくぐり抜け、コーヒー豆の生産体制や工程、そして品質管理が徹底された高品質のコーヒーのこと。
コモディティコーヒーとは
コモディティコーヒーとは、スーパーマーケットなどで低価格で販売されるコーヒー豆のこと。商品先物取引によって価格が決定され、取引される。別名「コマーシャルコーヒー」とも呼ばれる。
では、具体的にコーヒー生産量が多い国はどこなのでしょうか。
世界のコーヒー豆生産量ランキング(2025年発表)

世界のコーヒー豆の約4割がブラジルで生産されている
2025年春にUSDA(アメリカ合衆国農務省(United States Department of Agriculture)の略称。アメリカの農業政策策定や食品規制を行う政府機関)から発表された「世界のコーヒー豆生産量ランキング2024/2025年」によると、コーヒー総生産量は2023年より3%増加して1億7,440万袋(1袋=60kg)となっています。
世界のコーヒー生産量ランキングTOP10の国について、前年とコーヒー生産量との比較を交えながら、コーヒー生産量の推移についても見ていきましょう。
ランキングの順位は以下の通りです。
| 生産国 | 世界のコーヒー 生産量の割合 |
総生産量 (2024/2025年、60kg袋) |
| ブラジル | 37% | 6470万 |
| ベトナム | 17% | 2900万 |
| コロンビア | 8% | 1320万 |
| インドネシア | 6% | 1070万 |
| エチオピア | 6% | 1063万 |
| ウガンダ | 4% | 670万 |
| インド | 4% | 620万 |
| ホンジュラス | 3% | 552万 |
| ペルー | 2% | 388万 |
| メキシコ | 2% | 387万 |
第1位.ブラジル

出典:USDA
第1位は、コーヒー大国としても有名な「ブラジル」です。
ブラジルは世界第5位の国土面積を誇り、その広大な国土のほとんどがコーヒーベルトに属しています。
コーヒー生産の機械化が進んでおり、世界のコーヒーのおよそ3割を占める圧倒的な生産量を誇るコーヒー大国。ブラジルの干ばつや霜害はコーヒー業界に大きな影響を及ぼすため、コーヒー市場価格の高騰に直結することは常識となっています。
2024年のブラジルのコーヒー生産量は、前年比マイナス2%でした。2021年に大幅に生産量が減少しましたが、現在は徐々に回復していって過去10年間の平均を上回る生産量となっています。
- ブラジル 国土面積:8,515,767km2
- 2024年の生産量:6,470万袋(2023年:6,630万袋)
- 世界のコーヒー生産量の37%
ブラジルコーヒー豆の特徴は、苦味と酸味のバランスが良く、酸っぱいコーヒーが少ない「飲みやすさ」にあります。
詳しいコーヒー豆の風味や味わいについては「ブラジルコーヒーの特徴を元バリスタが解説」をご覧ください。
また、実際に飲んだ本当に美味しいブラジルのコーヒー豆は「ブラジルコーヒーおすすめランキング10選!実際に飲んだおいしい豆を厳選」でランキング形式で紹介しています。
第2位.ベトナム

出典:USDA
世界のコーヒー豆生産量ランキング第2位は、ロブスタ種のコーヒー豆の生産地として有名な「ベトナム」です。
ベトナムは、近年急速に生産量を伸ばしているコーヒー生産国です。
生産量は一時減少しましたが、2024年は前年比5%増加し、過去10年間の平均の水準まで回復しています。
ベトナムは世界でもっともロブスタ種のコーヒー豆を生産している国です。ロブスタ種のコーヒー豆は缶コーヒーやインスタントコーヒーなどのブレンドの原料として使われています。また、一部のエスプレッソ用コーヒー豆にもブレンドされています。
ベトナム産のコーヒーは店頭ではあまり見かけませんが、日本においても、実はブラジルに次いで2番目に多く輸入されています。*1
- ベトナム 国土面積:331,212km2
- 2024年の生産量:2,900万袋(2023年:2,755万袋)
- 世界のコーヒー生産量の17%
ベトナム産のコーヒー豆は、ロブスタ種ならではの強い苦味と香ばしさが特徴です。
練乳や牛乳、ヨーグルトなどとも相性が良いので、自宅でベトナムコーヒーを楽しんでみるのもおすすめです。
コーヒー豆の特徴や風味、味わいは「ベトナムコーヒーの特徴や入れ方を紹介!練乳やインスタントで楽しもう」で紹介しています。
第3位.コロンビア

出典:USDA
第3位は、高品質なコーヒー豆の生産地「コロンビア」です。
コロンビアは、長らく世界第2位のコーヒー生産国でしたが、近年はベトナムにその座を譲り、2021年には4位に転落したものの、2024年は3位に浮上しました。
生産量は2023年と比較して3%増加し、過去10年間の平均と同水準まで回復しています。
コロンビアを南北に縦断するアンデス山脈の丘陵地帯の麓は標高差が大きく、年間を通してコーヒー豆が収穫されます。
日本の約3倍の面積を持つ国土の大部分でコーヒーが栽培されるコロンビアでは、コーヒー産業は経済の大きな柱ですが、国内で栽培されているアラビカ種は気温や降雨量などの影響を受けやすく、さび病などの病害に弱いコーヒー品種です。
2021~2022年はコーヒー生産量が大幅に減少していますが、これらの年は病害によるダメージが色濃く反映されました。
- コロンビア 国土面積:1,141,748km2
- 2024年の生産量:1,320万袋(2023年:1,276万袋)
- 世界のコーヒー生産量の6%
コロンビアのコーヒー豆の特徴ですが、栽培エリアによってフレーバーがかなり異なります。
コロンビア北部の「サンタンデール」などで生産されるコーヒー豆は酸味がマイルドでチョコレートのような風味のものが多く、逆に「カウカ」「ウィラ」など南部のコーヒー豆は柑橘系の酸味を含むコーヒーが多く、甘くフルーティーな銘柄が多い印象です。
ちなみに、スペシャルティコーヒーの産地としても有名で、日本で有名な「エメラルドマウンテン」もコロンビア産のコーヒー豆です。
コーヒー豆の特徴や風味、味わいは「コロンビアコーヒーの特徴とおすすめ」で紹介しています。
第4位.インドネシア

出典:USDA
第4位は、日本でも人気のコーヒー豆「マンデリン」を生産する「インドネシア」です。
2023年はスマトラ島やジャワ島などコーヒー生産が盛んな地域で過剰な降雨があり、この影響で生産量が大幅に減少しましたが、2024年は過去10年の平均と同水準に回復しています。
インドネシアは古くからコーヒー生産が盛んでしたが、19世紀後半には「さび病」が蔓延し、壊滅的な打撃を受けました。
その後、さび病に強く育てやすいロブスタ種のコーヒーを中心に栽培するようになり、生産量が安定するようになりました。
- インドネシア 国土面積:1,904,569km2
- 2024年の生産量:1,070万袋(2023年:815万袋)
- 世界のコーヒー生産量の6%
大小1万以上の島々からなる国のインドネシアでは、栽培される島ごとにコーヒー豆の個性が感じられます。
ロブスタ種だけでなく、スマトラ島で生産されるコーヒー豆「マンデリン」や、スラウェシ島のコーヒー豆「トラジャ」といった高品質なアラビカ種も有名です。
実際に飲んだ美味しいインドネシアコーヒー豆は「実際に飲んだインドネシアコーヒーおすすめランキング10選」でランキング形式で紹介しています。
第5位.エチオピア

出典:USDA
第5位は、 フルーティーなコーヒー豆として知られる「モカ」「イルガチェフェ」「ゲイシャ種」を生産する「エチオピア」です。
エチオピアはコーヒー発祥の地として知られ、優れた風味が特徴のアラビカ種はエチオピアが原産と言われています。
エチオピアで栽培されているコーヒーは全てアラビカ種で、そのうちの90%は森林などに自生する「オーガニックコーヒー」です。
生産量については、2023年から2024年にかけて大幅に増加していますが、これは複数のコーヒー生産地域(シダモ、イルガチェフェ、グジなど)で気候が安定し、これにより花の着果やコーヒーチェリーの成長が順調だったとの報告があります。
また、ある地域では「オンサイクル(on-cycle、豊作年。)」の年にあたり、生産量が自然に上がる年だったことも増産に寄与しています。
さらに、気候変動に対して耐性を持つコーヒー品種の導入や、シェードツリーを利用したアグロフォレストリー(木陰栽培など)を取り入れる動きも見られ、これが生産量の安定化、品質向上に寄与しているとも言われています。
- エチオピア 国土面積:1,104,300km2
- 2024年の生産量:1,063万袋(2023年:913万袋)
- 世界のコーヒー生産量の6%
エチオピアのコーヒー豆は、柑橘系やイチゴのようなフレーバーなど、とにかくフルーティなものが多く、華やかさを感じるものが多いです。
先述のとおり、一部のエチオピアコーヒーは「モカ」という名前で販売されています。浅煎りに焙煎すると爽やかでフルーティーな酸味、中煎りではワインのような風味と強い甘みを感じられるなど、焙煎度合いにより異なる個性を楽しめます。
エチオピアのコーヒーが大好きな筆者が、実際に飲んだ銘柄をランキング形式で紹介しているので、チェックしてみてください。
関連→実際に飲んだエチオピアコーヒーのおすすめ10選!本当に美味しい豆はこれ
第6位.ウガンダ

出典:USDA
第6位は、高品質で美味しいロブスタ種も生産する「ウガンダ」です。
ウガンダは、ロブスタ種の発祥の地でもありますが、国内で生産されるコーヒーのほとんどはロブスタ種です。また、エチオピアと同じように、野生のロブスタ種が現在も自生しています。
ウガンダでは政府がコーヒー農業支援を強化しているのですが、これによって生産量が年々増加しています。政府から配布された高収量性のコーヒー苗木が植えられてから数年経ち、実をつける年(成熟期)に入ってきており、これが生産量を押し上げています。
また、コーヒーの開花やコーヒーチェリーの成長に必要な「降雨」が適切なタイミングで得られた地域が多く、天候条件が比較的良好だったことも生産量の増加に寄与しています。
- ウガンダ 国土面積:241,550km2
- 2024年の生産量:670万袋(2023年:640万袋)
- 世界のコーヒー生産量の4%
一部のウガンダコーヒー豆は、 標高が高い場所で栽培されているため、ほどよい酸味を含み、口当たりがマイルドな特徴があります。
その滑らかな味わいはヨーロッパで特に人気があり、エスプレッソ用のコーヒー豆にブレンドされることも多いです。
コーヒー豆の特徴や風味、味わいは「ウガンダコーヒーの特徴とおすすめをマニアが紹介【ロブスタ種が有名】」で紹介しています。
第7位.インド

世界のコーヒー豆生産量ランキング第7位は、重厚でまろやかな「モンスーンコーヒー」が有名な「インド」です。
インドは世界第7位の国土面積を誇り、インド南部の大半がコーヒーベルトに属しています。
インドのコーヒー豆は17世紀からヨーロッパ向けに輸出されてきた歴史があり、植民地時代から欧州市場向けの供給体制が根付いています。
そのため、現在でも生産されるコーヒー豆のほとんどがヨーロッパへ輸出されています。
エスプレッソの文化が根付いているヨーロッパでは、ロブスタ種や「モンスーン・マラバール(Monsooned Malabar)」と呼ばれる独特の後処理を行ったコーヒーに一定のニーズがあって、特にイタリアで人気です。
僕もイタリアに住んでいた時期に飲んでいましたが、通常のエスプレッソブレンド(ロブスタ種主体でアラビカ種をブレンドしたもの)は酸味、甘味、苦みがきれいに調和していますが、モンスーン入りのエスプレッソは酸味がほとんどなく、重厚で土っぽいような独特の風味を感じます。これがイタリアでは「クラシックなエスプレッソ」と表現されていて、一定数のファンに好まれています。
そんなインドのコーヒーですが、日本で見ることは少ないです。
なぜかというと、日本市場はどちらかといえば「香り高いアラビカ種(エチオピア、コロンビアなど)」を好むため、インドコーヒーはマッチしにくい傾向があります。そのため、輸入業者も積極的にインドコーヒーを扱わない傾向にあります。
- インド 国土面積:3,287,263km2
- 2024年の生産量:620万袋(2023年:656万袋)
- 世界のコーヒー生産量の4%
インドのコーヒー豆をエスプレッソではなく、ドリップコーヒーとして飲むと、マイルドな甘みと複雑でコクのある風味が感じられるものが多いです。
モンスーンコーヒーの作り方などは「インドコーヒー豆の特徴」で紹介しています。
第8位.ホンジュラス

第8位は、クセがなくて飲みやすいコーヒー豆を生産する「ホンジュラス」です。
ホンジュラスは、国土面積は日本の3分の1ほどですが、8割近くが山岳地帯で、コーヒー生産は国の全土で行われています。
ホンジュラスで栽培されるコーヒーのほとんどはアラビカ種ですが、一時期さび病の深刻な被害を受けました。
その後、国を挙げての復興によって病原菌耐性を持つ品種(Lempira/レンピラ)などが導入されたものの、年月が経つにつれてその耐性が弱まったり、菌の脅威が強まったりして、再び被害が出るようになっています。
さらに、天候の不安定化も一部の地域で進んでいます。特に低標高の農園では収穫量に大きく影響を受けていて、これも生産量が不安定な要素のひとつになっています。
ここに追い打ちをかけるように、今度は労働者確保が困難になってきていて、収穫期に遅れが出たり、完全な収穫ができないなどの問題が常態化しています。
様々な問題に直面していますが、ホンジュラスでは「IHCAFE(イカフェ)」というコーヒー協会によって厳しい品質管理、生産者への研修によってコーヒー豆の品質が年々向上していて、美味しいスペシャルティコーヒーも多く産出されています。
- ホンジュラス 国土面積: 112,492km2
- 2024年の生産量:552万袋(2023年:505万袋)
- 世界のコーヒー生産量の3.0%
ホンジュラスのコーヒー豆のほとんどは、ウォッシュド(水洗式)という方法で加工・精製されていて、雑味のないクリーンな味わいが楽しめます。
生産地ごとに豊かな個性があり、世界で最も有名なコーヒー豆の品評会「カップ・オブ・エクセレンス」入賞のコーヒー農園が多いのも特徴です。
実際に飲んだ本当に美味しいホンジュラスコーヒー豆は「実際に飲んだホンジュラスコーヒーおすすめランキング4選」でランキング形式で紹介しています。
第9位.ペルー

出典:USDA
第9位は、世界一のフェアトレードコーヒー生産国「ペルー」です。
また、ペルーはオーガニック認証コーヒーが多く、その品質の良さがアメリカやヨーロッパで高く評価されています。
オーガニック栽培を行っていないコーヒー農家でも、化学肥料を使わない自然農法に近い形で栽培しているので「実質的なオーガニックコーヒー」が多いです。
コーヒー農園の多くは数ヘクタール程度の家族経営のため、インフラ整備が行き届きにくく生産量が安定しない点が課題ですが、2025/26年度は、生産量が約420万袋(1袋=60kg)に戻ると予測されていて、2021年と同水準になる見込みです。
日本では、ペルーのコーヒーを見る機会はそこまで多くないですが、2010年に全米スペシャルティコーヒー協会(SCAA)の品評会で1位を獲得した後、その美味しさが世界的に高く評価されています。
- ペルー 国土面積:1,285,216km2
- 2024年の生産量:388万袋(2023年:391万個)
- 世界のコーヒー生産量の2%
ペルーのコーヒー豆は、柑橘系の酸味と優しい甘みが特徴で、全体的にクセがなくて万人受けするコーヒーが多いです。
先述の通り、フェアトレードコーヒーの生産量は世界一を誇り、現在では世界一のオーガニックコーヒー生産国でもあります。
コーヒー豆の特徴や風味、味わいは「ペルーコーヒー豆の特徴」で紹介しています。
第10位.メキシコ

出典:USDA
第10位は、ペルーの次にオーガニックコーヒーを生産する「メキシコ」です。
グラフを見てもわかるように、メキシコのコーヒー生産量は比較的安定しています。
どうして安定しているのかというと、国内のコーヒー主要生産地チアパス州、ベラクルス州、オアハカ州などは標高800〜1,500mの高地なのですが、標高の高い場所は、コーヒーの生育に適した温度帯(18〜24℃程度)が保たれやすく、収量の変動が小さい傾向があります。
メキシコで栽培されるコーヒーのほとんどが、病気に弱いアラビカ種(主にブルボン・ティピカ系) なのですが、近年は病害に耐性があるコーヒー品種の導入が進んでいて、さび病の影響をある程度抑制できています。
- メキシコ 国土面積:1,964,375km2
- 2024年の生産量:387万袋(2023年:386万袋)
- 世界のコーヒー生産量の2%
メキシコ産のコーヒーは、全体的に軽い味わいで酸味は少なめで、すっきりと飲めるのが特徴です。
ミルクを入れて飲むよりも、ブラックで飲みたい綺麗な味わいのコーヒーが多いです。
メキシココーヒーの詳しい味わいや香りは「メキシココーヒーの特徴」にまとめています。
コーヒー消費量の多い国と、生産量の多い国は違う
コーヒーの生産量が多い国はコーヒーの消費量も多いように思われがちですが、実はそうではありません。
こちらの図が、世界のコーヒー消費国トップ10です。
少し前のデータになりますが、EUとアメリカのコーヒー消費量が、コーヒー大国ブラジルより多いことがわかります。
コーヒー生産量トップ10の国のうち、消費量でもトップ10に入っているのはブラジル、インドネシア、エチオピア、ベトナムのみです。
日本のコーヒー消費量
日本のコーヒー消費量は世界第4位ですが、人口を考慮した「一人当たりの消費量」に換算すると第7位になります。*2
一人当たりのコーヒー消費量がもっとも多いのは、北欧のノルウェーです。
日本の消費量はノルウェーと比較すると半分以下になりますが、世界でも有数のコーヒー消費国であることがわかります。
世界で生産される美味しいコーヒー豆を楽しもう
2025年に発表されたコーヒー生産量ランキングを詳しく見ることで、異常気象やさび病の蔓延がコーヒー生産国に大きな影響を与えていることがわかります。
ここ数年のコーヒー価格高騰の背景には、アラビカ種の収穫量減少があり、コーヒー生産国では国をあげてその対策に取り組んでいます。
つぎの記事では、コーヒーの未来を脅かす「さび病」について、わかりやすく解説しています。
また、地球温暖化がこのまま進めば、コーヒーの生産量は減少し、美味しいコーヒーが飲めない日々がやってくる深刻な「コーヒーの2050年問題」についても、わかりやすく解説しています。
参考文献
記事全体 世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移 2020年、2021年(2025年9月27日閲覧)
記事全体 Wikipedia|国の面積順リスト(2025年9月27日閲覧)
*1 *2 味の素AGF|世界と日本のコーヒー豆事情(2025年9月27日閲覧)


